良い医療だけが広まる訳ではない現実

  クリニック会員制 笹島隆博 SPECIAL
笹島隆博 SPECIAL

クリニック会員制コンサルティング

株式会社 ビジネスプランテーション 代表取締役 笹島隆博

クリニック専門のコンサルタント。これまでの、「病気の治療にだけ焦点を当てたクリニック運営」だけでは疲弊してしまう。院長の想いを実現し、患者さんに喜ばれる豊かなクリニック経営を実現する、独自の会員制の築き方を指導する。


c5394bbfa1546e49f2b6af289046d588_sこのような言い方をすると、医者でもないのにこの輩は一体何を言っているんだと、誹謗中傷の的になりかねないテーマですが、‘医療’という言葉の部分を別の言葉に変えてみると・・・、

  • 良い製品だけが広まっている訳ではない現実
  • 良い食品だけが広まっている訳ではない現実
  • 良い保険だけが広まっている訳ではない現実
  • 良い薬だけが広まっているわけではない現実

    …などなど。
    この世にあるものすべてに対してこの言葉は浮かんできます。
    どうして、良いものだけが広まる訳ではないと言い切れるのでしょうか。
    その答えは到って簡単です。

というのは、世にある多くのものが、人々の「欲しい」という欲求を上手く捉え、製品やサービスの利便性を訴求することなく、認知広報を行っているからなのです。
換言すれば、この「欲しい」という欲求を上手く捉えることが出来れば、食べ過ぎると体に悪いとわかっている、お菓子や酒・ジュース類も広報のやり方一つで売れる商品に生まれ変わることが可能です。

そのような言い方をすると、
「えっ、悪いものでも宣伝の仕方次第で売れてしまうのか?」という疑問が浮かんできますが、その答えは正しいと言わざるを得ません。

否定したいことではありますが、認知広報が上手ければ、施術やサービスの優劣に関係なく売れるという現象は、実は医療の分野にも当てはまります。

話は変わりますが、新型のゲーム機やi-phoneが売り出された時、その前日から購入希望者が昼夜を問わず、行列を作って並んでいる現象を私たちは新聞やテレビで見かけることがあります。

しかして、その行列ができた原因を考えると、そのゲーム機が安いから並んでいるのではなく、誰よりも早く、手に入れたい、手に入れて自慢したい、買いたい、欲しい、という欲求が強く、その衝動を抑えきれなくなって、昼夜を問わず行列を作って並んでしまっているという現実があります。

では、消費者に「欲しい」と思わせる価値はどうやったら作り出せるのでしょうか。
その価値を作り出すために必要とされるのが、4つの集合というステップになります。

①知名集合・・・存在を知ってもらう。
 ②想起集合・・・いざというとき思い出してもらう。
 ③考慮集合・・・買ってもいいと思ってもらう。
 ④選択集合・・・買うという決断をする。
の4つのステップです。

始めの①知名集合は、相手の頭の中にある「知っているものリスト」に加えてもらうステップです。あなたが信じる医療がどんなにいいものであっても、それをまずは知ってもらうことが出来なければ、患者さんや利用者が来院しようとする次の行動に移ることができません。

その次が、存在を知ってもらった後で必要となる②想起集合というステップです。このステップは、相手の記憶の中に確実に記録されるための仕組みを医療機関が自ら作りだすことを意味しています。すなわち、イザ医療機関を使おうと思ったときに、相手にあなたのクリニックを思い出してもらうことが出来なければ、実際の来院にはつながらないからなのです。

その次に必要なステップが、③考慮集合というステップです。これは簡単に言えば、必要なときは買ってもいいかな、あるいは近いうちに利用しようかな・・・といった相手の頭の中にある「購買予定リスト」に入れてもらうことを意味します。この考慮集合に入った途端、あなたが提供するサービスは、類似した他のサービスと競合することになります。

最後が、④選択集合というステップになります。

相手の「購買予定リスト」の中に選ばれたとしても、実際に「買う」「来院する」という行動に結びつくまでには、次に越えなければならない壁が存在します。その存在が行動を促す「差別化」という違いを作ることにあります。

万民のための医療という「特許」が存在しない領域では、折角、他院との差別化を図っても、常に新しい情報が公開更新共有されるため、他院との競争的な類似化が絶えず起こることになります。

そのため、胴元のクリニックといえども、差別化を図るべきポイントは、その根本にある医療だけでなく、人を介したサービスレベルの向上、そして顧客たる患者との接点をできる限り増やす仕組みを自らが持たなければなりません。

顧客接点を増やすということは、患者さんに親しみを持ってもらうことであり、布いては患者さんや利用者の頭の中にある②想起集合に、自クリニックの存在を入れてもらうことになるのです。

顧客接点を増やすという観点を社会的な認知活動という観点に置き換えると、近年こうした社会的な認知に関する実験をその生涯に渡って行ってきた、米国の社会心理学者のロバート・ザイアンスの『単純接触効果』という理論が挙げられます。

ザイアンス博士によれば、ヒトや動物は「ある刺激に繰り返し晒されと、刺激に対する態度の変化が生じる」のだそうで、これに関して彼は3つの異なる実験を行っています。

①人は知らない人に対して冷たい態度や攻撃的な態度をとる
 ②人は合う回数が多いほど、その人に好感を持つ
 ③人はその人の人間的側面を知ると、より強く好意を抱く

これをクリニックが利用できる仕組みとして落としかえると、例えば、メルマガ、FB、ニュースレター等を活用して接触頻度を増やし、その中で院長の人間性や思いを訴えることで更なる『好感』を演出することが可能となるのです。

さあ、今からでも遅くはありません。患者接点を増やすべく、何か行動を起こしてみませんか。

 


【クリニック専門コラム】これからの会員制手法の視点
笹島隆博

クリニック会員制コンサルティング

株式会社 ビジネスプランテーション代表取締役

笹島隆博

執筆者のWebサイトはこちら http://biz-plan.co.jp/index.html

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