タクシー業界としての弱点

  移動空間 中野智行 SPECIAL
中野智行 SPECIAL

移動空間コンサルティング

株式会社 移動空間研究所 代表取締役 中野智行

金融業界で10年以上活躍、お金に関する知識や富裕層の思考回路に精通。縁があってタクシー業界に携わる中で、この異業種に対する違和感と、一方で組み合わせの大きなチャンスを発見。移動や運搬のビジネスモデルに、金融的発想と富裕層をつかむビジネス展開をすることで、タクシー業界にあっても年収3千万円を突破させることができる独自方式を開発。周囲のタクシー関係者から「売り上げる方法が一変した」「働き方が180度変わった」「利益が大きくでるようになった」など、評価が高く、日本のタクシー業界を一新するべく、専門コンサルタントになることを決意。鋭意活動中。


タクシービジネスはこれまで長い歴史の中で、今の賃走ビジネスと言うスタンスを確立してまいりました。

しかしその長く続く中において、今の現状としてはそれが当たり前すぎて油断しているところもあります。

何故かと言えば、お客に聞けばすぐにわかることですが、タクシードライバーの質と言うことにかけても正直、うちの会社ではサービスはどこにも負けないと自負できる会社はどのくらいあるのでしょうか?

かなり耳の痛い話にはなりますが実際私が運転手として仕事をさせていただいた頃もはっきり言って、普通のビジネスで言えば当たり前の接客を行っているだけにもかかわらず、お客からは元気が良いとか親切ですねとか、タクシー運転手にしては珍しい優しい運転をしますね。と言うことを言われることもよくありました。

正直自分でもびっくりします。

これぐらいのことでも、お客からは感心していただけるのですからそれだけタクシーのサービスの質と言うもののレベルがわかります。

このサービスの質と言ういわゆる脇の甘さと言うものは、他の業界から見れば、ビジネスチャンスと捉えることもできるのです。

ほんの少しのサービスの向上、質の向上によって、他社よりも抜きん出ることもできるわけです。

そのことがライドシェアにとってもこの業界はつけ入るチャンスがあると睨んで進出してきているのです。

無論、便利で簡単決済というのを前面に出して、プラスそこに良いサービスであればお客は間違いなくそちらに傾くでしょう。

なぜこのようなことになるのか、今の賃走ビジネスと言うモデルで戦うのであればサービスの質を上げると言う戦略が=(イコール)売り上げが上がると言うことに単純につながるわけではないのです。

なぜならば駅の付け待ちや真面目に流しをしていれば、お客を獲得できるからです。

だからこそ、徹底した質の良いサービスをしなければ生き残れないという意識が低いのです。

では、徹底してサービスを良くして行けば良いのか?

そんな単純なことではありません。

もうこれからはサービスが良いのは当たり前です。

もう一歩先に進まなければなりません。

タクシービジネスの現場で起こっている本当に大事で危険なことを知らないとこれから大変なことになります。

要するに根本の部分を知らないと表面上だけで戦略を考えていても抜本的な改善には何もならないのです。

そのことを経営者として知っておくべきです。

物事は本質を見なければならない。

根っこが何であるか大事なのは根っこである。

枝葉の部分にとらわれていては本質を見失ってしまう。

人間の体でもそうですが対処療法と言うのは、一時的なもので、病気の根本治療にはなりません。

経営においても一緒の事がいえるのです。

そして大事な事はお客を選ぶことができないからです。

この事はお客から見ても言える事ですが、お客もタクシーを選ぶことができません。

だからお互いがこのように選ぶこともできずに本来であれば望むべきでない状況でお互いが選べずいるのです。

半ばお客からは諦めというか良い接客などは期待すらしていません。

良い運転手に当たればラッキー程度の事になるのです。

働く側にしても、どうしても例えばワンメーターのお客と一万円のお客の場合の接客態度は変わるはずです。

それが仮に駅でつけ待ちをして1時間待ってワンメーターだったらと考えてみてください。

その時に最高の接客をできる運転手はどのぐらいの割合でいるのでしょうか?

逆に1時間待って一万円のお客だったら果たしてワンメーターのお客と同じ接客でしょうか?

実際に現場で働く人間から考えればこのような心理状態になるのは普通のことです。

現金な話ですが、タクシー運転手は歩合給の仕事。

収入に見合うだけの価値があるのか?

どれだけサービスを良くしても売り上げが上がらないのでは、やる気もおきません。

お金だけが働く動機ではないですが、お金以上に素晴らしい会社の理念がありそれに基づいて働いているという運転手がどの位いるのでしょうか?

お客も本当は乗りたくないけれども他に手段がないので仕方ないから利用する。

こちらも仕事だから我慢して行う。

このような考えでお互いに望まざるべきことをしていけば気持ちの良い仕事はできません。

私はこれからタクシービジネスで生き残っていくには二通りの戦略しかないと考えています。

これまでの延長線上での賃走ビジネスで簡単、便利で安いタクシーを目指すのか?

または自ら独自の路線を行くのかということが問われています。

このどちらかであると考えております。

会社、社員、お客にとって何が必要なことなのかを真剣に考えて今後の戦略を取るべきではないでしょうか?

 


移動空間ビジネスの視点
中野智行

移動空間コンサルティング

株式会社 移動空間研究所代表取締役

中野智行

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