成果主義が失敗する原因について

  人事を中心とした経営変革 小野耕司 SPECIAL
小野耕司 SPECIAL

人事を中心とした経営変革コンサルティング

株式会社おの事務所 代表取締役 小野耕司

働き方を最適化する人事戦略コンサルタント。賃金・評価といった基本的な人事の仕組みに加え、社員の働き方を変えることで変革をうながし、笑顔と収益が増える会社づくりを指導。


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成果主義や成果主義を全面に掲げた役割等級制度、職務等級制度を根幹とする人事制度が導入され始めてから、もうずいぶん長い年月が経ちます。

従来の能力を主軸に長期スパンで考える職能資格制度を根幹とする人事制度からの変更は、会社のみならず社員にも非常に大きなインパクトを与えたことは事実です。ではそれが本当に成功したかどうかについては議論が分かれます。

もちろん成功か失敗かについては単純に論じられない面があります。
 仮に現在うまくいっていないとしても、その原因を成果主義や役割等級制度を主体とする人事制度だけに帰結させることについては慎重に考える必要があります。

世間では成果主義がうまくいっていないということが多く言われていますが、自分の会社ではどうなったかを冷静に考える必要があることも事実です。

しかし、成果主義を導入したが、いろいろな弊害や予想外の事態が起きて困っているという話は身近でも多く聞くことも事実です。

つい、先日もある会社からご相談をいただきました。
 数年前に職能資格制度から成果主義人事制度に切り替えたが、いろいろな問題が起きて困っているようです。

成果主義人事制度導入の背景として、社員の意識を大きく変えたい目的があったとのことですが、現在多発している様々な問題はどれも看過できません。まずは問題の根本の原因を多面的に探ることから始め、人事制度の検証を行うことになりそうです。

人や組織のマネジメントを考える場合、一番難しいのは、正解なやり方はその会社ごと、さらにはその時の状況によっても異なることです。

人事制度だけで考えても、職能資格制度がよいか、役割等級制度がよいかは、一概に言い切ることはできません。タイミングを間違えただけでうまく行かないというケースさえあり得ます。

個社名はあえて出しませんが、年功序列を明言し長期に渡って成長し続ける会社、職能資格制度と実力主義を旗頭にグローバルのトップを走り続ける会社、徹底した成果主義で急成長を果たした会社、があります。それぞれ違うアプローチながら目的を達成している事例を見ると何がよいのかを言うことの難しさが分かります。

しかし、これだけはどの会社でも共通する重要なポイントがあります。
 それは成功する会社は、必ず人材育成の仕組みを備えており、その継続実践が会社の強さを作り出している根本となっていることです。

成果主義が成立する前提は人材を育成する仕組みを備えておりそれを実行することです。しかし成果主義そのものには人材を育成する機能はありません。

したがって成果主義を入れるであれば必ず人材育成機能をどうやって備え実践するかをセットで考える必要があります。しかし多くの会社はそのことを考えていないか、考えていても有効に機能していないかのどちらかの状態に陥っています。

成果主義が失敗する真の原因はここにあります。社員に厳しさを求めるのであれば同時にどうやって社員の成長を支援しケアするかを実現していくことです。このことを真剣に考え、実行することでしか、成功への道は残されていないのです。


【賃金・評価・働き方】 仕組みを革新する社長の視点
小野耕司

人事を中心とした経営変革コンサルティング

株式会社おの事務所代表取締役

小野耕司

執筆者のWebサイトはこちら http://www.ono-o.jp/

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