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情報伝達:知らしめて呼び寄せるか、過信して孤立するか

  海外商談 尾身浩 SPECIAL
尾身浩 SPECIAL

海外商談コンサルタント

株式会社源盛グローバル 代表取締役 尾身浩

海外商談に必要な専門スキルとノウハウを伝授する実践派コンサルタント。商社などに頼らずに、独立独歩で海外企業と取引したいと考える中小メーカー企業や個人事業主から高い評価。語学がほとんどダメでもOK 。商談の押さえどころと外国語のココだけ! を押さえることで、 小さな企業でも世界に売り、世界から買い付けられるようになる…と、注目のコンサルタント。

素晴らしい製品開発と同様、それらを海外で販売するには相手に伝わる情報伝達について考えることが非常に重要だ、というお話です。

弊社がご相談を受けた会社は年商10億を超え、海外にはない、あるハイスペックの製品を開発している会社。この会社、現在は国内需要も旺盛ですが、今後じわじわと少子高齢化の影響を受けるはずだ、として社長が海外に活路を見出し、輸出をしていけるようにして行こう、と決断しました。

一部の海外見込み客に製品情報を提供してみたところ、予想通りその技術力に関心を示したのです。

すると同時に、他にどのような技術や製品を持っているのか、どんな会社なのか、規模は?場所は?輸出の実績はあるのか?と次々に基本情報を知りたくなるものです。

初期段階で企業に関する一次情報入手先といえば会社のウェブサイトです。しかしこの会社のサイトは日本語オンリー、英語での情報発信を全くしていませんでした。

しかもお世辞にも見やすいサイトは言えず、日本語が理解できないとすれば一体どこのボタンを押せば何の情報が出てくるのか、さっぱりわからないような”自作”のサイトだったのです。 

製品は数千万円規模、基本的企業情報すら無しに導入の検討に入れるわけがありません。

このことを指摘し、至急外国語でのページを作ってくださいと助言しましたが、結局最後まで手をつけませんでした。

実はひそかに自社製品に相当な自信があり、誰も真似のできないものだから宣伝や営業は基本要らない、という考え方。製品そのものが一番の営業マンだ、という訳です。

もちろん国内の実績同様、それで商売が舞い込んでくればそれに越したことはありません。しかし繰り返しになりますが、その製品自体の詳細情報はいうまでもなく、その他の取り扱い製品、理念や歴史、実績といった会社の情報を頼まれてもなかなか発信しないようでは海外の見込み客は動きようがありません。

カード決済、クリック一つで完了というお買い物レベルの話ではないのです。

想像してみてください。自分が全く理解不能な言語で埋め尽くされているウェブサイトを。 電話もできず、資料を要請しても反応がない。いくら良い製品を作っているらしいと分かっていても、数千万の買い物をする気になるでしょうか。

残念だけどこれはちょっと無理だな、と思っても不思議ではありません。

一方で相手側は商品が営業してくれるはずだから心配ない、というようなことを考えている訳ですから、いつまで経っても嚙み合うはずがありません。

素晴らしい製品を持っていても、このように“情報発信”を海外の見込み客が理解できる言葉で行い知ってもらうことの重要性が抜けている例は意外と少なくありません。

 星の数ほどある情報の山の中から自社を見つけてもらい、自分たちのことを知ってもらうという活動なくして勝手に売れて行くはずもないのです。

見込み客に商談へ向けて一歩踏み出してもらうための情報伝達。これはすでに商談のプロセスの一部と言えます。

このプロセスを省いてただ待っていても、来てくれる海外企業などあるはずがありません。誰も貴社のこと、貴社の価値について知らないからです。

一生懸命に製品を開発し、世界で通用するレベルのものを作り上げる努力をするのに、その素晴らしさを知らしめる方法を考え、自ら熱く伝えることに関心を示さない。どんなに良い製品を持っていても、誰も知らなければ無いのと同じなのです。

繰り返しますが、貴社のことを海の外では誰も知らないのです。情報伝達を考えて実践していくこと、それは海外市場に販路を開拓する上で非常に重要だという理由がここにあります。

 

世界に売る、世界から買う! 小さな会社の商談術
尾身浩

海外商談コンサルタント

株式会社源盛グローバル代表取締役

尾身浩

執筆者のWebサイトはこちら http://gglcg.com/

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