共通語:グローバル言語として英語を捉えているか

  海外商談 尾身浩 SPECIAL
尾身浩 SPECIAL

海外商談コンサルティング

株式会社源盛グローバル 代表取締役 尾身浩

海外商談に必要な専門スキルとノウハウを伝授する実践派コンサルタント。商社などに頼らずに、独立独歩で海外企業と取引したいと考える中小メーカー企業や個人事業主から高い評価。語学がほとんどダメでもOK 。商談の押さえどころと外国語のココだけ! を押さえることで、 小さな企業でも世界に売り、世界から買い付けられるようになる…と、注目のコンサルタント。


海外での商談では基本的に英語を使います。しかしこの英語ですが、ネイティブスピーカーを目標にしたような、いわゆる高度でカッコよく、洗練されたものである必要はありません。ともすると別世界のことのようにイメージし、自ら壁を作って習得をあきらめてしまう人もいますが、心配には及びません。

我々が使うべき、そしてさらに相手にも使ってもらうべき英語は例えば映画で耳にするような、英語を母国語とする人たちのそれとは異なるというお話です。

実は世界の共通語として商談等で用いるべき英語はグローバルイングリッシュを略し、グロービッシュなどとも呼ばれています。要は世界において我々のような英語を母国語としない人々に合わせ、皆が難しい表現を避け、理解しやすいレベルの英語を“道具”として使い、意思疎通を確実なものに近づけましょうということです。

世界の共通語であるがゆえに、全世界で英語を話す人口が20億人にも及ぶと言われていますが (そうは言っても世界人口70億のうちの20億にすぎませんが)、そのうち英語を母国語とするいわゆるネイティブは4億人弱です。

 

従ってネイティブが話す英語を基準に据え、それに引っ張られていると、英語人口全体の意思疎通がスムーズに図れるはずがないのです。

我々含め、英語を母国語としない人々がネイティブ同士のような会話をしようとしても当然無理が生じます。我々にとっては理解しにくい、またネイティブにとっては理解してもらえない部分を生んでいく、ということになります。つまりそれがビジネス上の商談となれば良い結果を生むはずがありません。

だから共通レベルの英語(グロービッシュ)を使って話しましょう、というわけです。

そうはいっても現場レベルにおいて、これがグロービッシュです、という明確な定義があるわけではありせん。だから例えば英語ネイティブ、或いは自分よりも英語が達者な商談相手に対し、スピードを落とすようにお願いをしたり、クリアに発音をしてもらう、さらには現地色の強い慣用句のようなものを出来るだけ避けてもらうよう相手にその都度依頼することが必要です。

これはまったく恥ずかしいことではなく、むしろ大事なことだったりします。グロービッシュなるものが世界中に浸透しているかどうかは別にして、遠慮する必要はありません。

そもそも相手も話を聞く意思があるから商談の席についているわけです。話を理解することが自分の利益だと考えるのであれば、上記のようにお願いをされて協力を断る理由があるはずもありません。

これをネイティブ側の逆の立場から見るとどうでしょうか。彼らはどう考えればいいのでしょうか。分かり易いように日本語の場合に置き換えて考えます。

実は日本語を学ぶ人が増える昨今では海外からやってきて日本語で商談を行うようなケースもあるわけです。従って立場が逆になることもあり、我々日本人も知っておくべきことです。

例えば御社に日本語を話すアジア人の営業がやってきたとします。会話をすると、日本語は上手だけれども、日本人同士のような会話についてくるのは難しいだろうな、と思うことがあります。

そんな時は少し活舌を良くするとか、スピードを考えるとか、いわゆる”正しい“日本語に近いものを選びながら話しをしてあげるはずです。流行りの言葉を避けたり、難解な表現は同じ意味でも異なる易しい表現に変えたりするわけです。

商談のようなケースでは日本語に限らず、これを“しなければ”なりません。相手が理解不能な部分をやり過ごすことで、のちに自分が不利益を被ることもあるからです。しかしこれが意外と出来ていないものなのです。

このケースでは日本語ネイティブである我々が、日本語学習者のレベルに近いところへ降りて行くわけです。

このように、相手の語学力を考えて伝え方を変えるのも外国人との商談の大事なポイントです。話の内容が伝わってこそ意味があるものであり、外国語のレベルを競ったり、相手やり込めたりするものではないからです。

熱意をもって何とか通じる英語に対し、あの英語は本物じゃない、ネイティブはそんな表現はしない、などということを耳にしますが、そこを論じることに大した意味はありません。せいぜい英語教材の宣伝文句か、または英語オタクの自己満足でしょう。

グローバル社会の中では日本人の話す英語も “本物の共通語”の一つだと私は考えます。韓国人が話す英語も本物、中国人やインド人の話す英語も、それぞれ特徴をもった本物なのです。共通語としての英語はこのように考るべきです。

海外商談における外国語会話力は、最低限抑えるべきところを抑えることで、誰にでもスタートが可能になります。ビジネス・商談を真剣に考える人にとって、最初から洗練された道具(英語)をもっている必要はありません。それが優先すべきポイントではないからです。スタートできることが重要で、外国語はその後の過程・仕組みの中で磨かれて行きます。

英語はハードルが高いというイメージに惑わされず、全世界で皆が意思疎通をするためのやさしい共通語である、と考える。そう捉え直し、“いち早く”一歩踏み出すこと、それが大切です。

 


世界に売る、世界から買う! 小さな会社の商談術
尾身浩

海外商談コンサルティング

株式会社源盛グローバル代表取締役

尾身浩

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