海外展開:一歩踏み出すか、可能性を閉じ込めるか

  海外商談 尾身浩 SPECIAL
尾身浩 SPECIAL

海外商談コンサルティング

株式会社源盛グローバル 代表取締役 尾身浩

海外商談に必要な専門スキルとノウハウを伝授する実践派コンサルタント。商社などに頼らずに、独立独歩で海外企業と取引したいと考える中小メーカー企業や個人事業主から高い評価。語学がほとんどダメでもOK 。商談の押さえどころと外国語のココだけ! を押さえることで、 小さな企業でも世界に売り、世界から買い付けられるようになる…と、注目のコンサルタント。


「今更自分でやるのはちょっと無理ですねえ、誰かに全部頼むほうが早いかな」 

海外展開において、こうした言葉をよく頂きます。この“無理だ”、“出来ない”というのをやめて挑戦してもらいたい。可能性を捨てず、一歩踏み出し、少しずつでも継続することで、結果的に考える以上の可能性や能力に気づくことがある、というお話です。

“獺祭(DASSAI)”という日本酒をご存知でしょうか。山口県の酒造メーカーが造る、世界的に有名な日本酒です。私も贈り物として購入することもありますが、この蔵元の経営者から同社の海外展開についてのお話を先週11月20日(月)に都内で行われた講演会で聞かせて頂く機会がありました。

山口県のある地域をメインの商圏としてやっていたものの、ご本人曰く、シェアとしては4社あるうちの地域最下位。そこで外に市場を見つけていこう、ということで海外展開に挑戦。

しかしアメリカでは酒類を扱う輸入商に「山口の酒?聞いたことないな。まあ、日本からわざわざ来たから1ケース買うよ。でも誰も知らないし、たいして味も変わらないし、高いし、無理だね。」と事実上断られたそうです。

すでに新潟産をはじめとした主要ブランドが日本酒市場を席巻するなか、いまさら誰も相手にしないからやめときなさい、ということです。しかしこの社長はもちろんそこで諦めません。問屋連中がダメなら酒を置いてくれるアメリカの飲食店を回り、料理人や消費者の声を直接聴く、といって自分でコツコツと行動し始めたそうです。

根気よく活動を継続していくと、徐々に美味しい、素晴らしい、という声が広がっていったのだとか。

なんと今ではホワイトハウスの晩餐会御用達のこの日本酒。しかしこの会社の社長が、最初の輸入商の声を真に受け、”これは無理だ、やっても無駄だ“と海外進出自体を諦める人だったらどうでしょうか。ある意味のちに頂点を極めたこのお酒の価値はその後消えてなくなった可能性すらあります。

無理だと思ってやめたら、本来提供できるはずの素晴らしい価値がお蔵入りになって終わってしまうわけですが、これは考えてみたら怖いことです。

もちろん物事には最適なタイミング、そしてやり方もあります。しかし無理だ、不可能だと思っていたことが、あるきっかけで一歩を踏み出し、続けていくことで、思いもよらずの結果になることは意外と多いものです。

小さな私事で恐縮ですが、会社員時代は自分の会社を持つ、或いは独立して貿易会社を設立し運営するなど考えもしませんでした。自分には生涯無縁だ、とどこかで思っていました。しかし何かのきっかけこそあれ、そこで一歩踏み出してやってしまうと、曲がりなりにももう13年目。決して平坦ではなく、紆余曲折ありましたが、意外と継続出来てしまったりするわけです。

また英語ならまだしも、中国語などは私にとっては別の惑星の言葉というイメージで、完全に通訳頼みでした。こんな難解な言語を話して直接中国人と交流する、または文字としてメールで使うなど、イメージすらなく、頭から100%排除されていたものです。

しかしこれがある時期、背水の陣の環境に置かれたことがきっかけで、40歳にして未知の言語へ向けて一歩踏み出すことになりました。幸か不幸か、“諦める”という選択肢は無い環境ではありましたが、やると決めて毎日コツコツと独学でやってみれば、特別な才能などない私のような人間ですら、ビジネス中国語が半年足らずである程度形になったものです。

一歩踏み出すことがなければ、こうした小さな可能性ですら一生お蔵入りだったことでしょう。

時代の変化の波(きっかけ)がやって来て、やると決め、その後続けてきたことで以前には思いもしないような形になったものですが、これはもともと人間が自分や物事のちょっとした可能性すら理解していないという好例かもしれません。

自分(自社)が自立して海外進出の環境を整えるのは容易ではないと感じるものです。楽ができる魔法の薬もありません。しかし一度ギアを1速に入れて動き出してしまえば、意外と早く形になるものです。

  • 不可能だ、と決めつけない
  • 一歩踏出してしまう
  • 少しずつでもずっと続ける

Nothing’s impossible ! (不可能なことなど無い)長年の仕事の中から見つけた私の座右の銘と言えるもので、いまだに自分自身にも言い聞かせているものです。

ぜひ、“今更無理だ”を捨ててチャレンジ精神を持ってみてください!

 


世界に売る、世界から買う! 小さな会社の商談術
尾身浩

海外商談コンサルティング

株式会社源盛グローバル代表取締役

尾身浩

執筆者のWebサイトはこちら http://gglcg.com/

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