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店長の”その先”がない店舗の末路

  社内独立店開 西江力 SPECIAL
西江力 SPECIAL

社内独立店開コンサルティング

株式会社ストアブレインコンサルティング 代表取締役 西江力

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。 自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。


さて、店舗経営者の皆さんへ質問です。

店舗スタッフが現場において経験を重ね、様々なスキルの獲得とそれに伴う業務遂行能力の向上、またマインド(仕事に対する姿勢など)の成長が見られた場合、どう評価するのか、そして待遇や権限の移譲にどう反映させるのか、仕組みを持っていますか?

換言すれば、社内における“キャリアアップシステム”がありますか?ということです。

開業したての店舗や少人数の家族経営であれば、あまり問題にはならないかもしれません。

しかし、数店舗をもち、スタッフの数も10名を超えてくると基本的なキャリアアップの仕組みは作るべきです。

経営者の熱い思いだけでやっていけるのは、23店舗です。ただその状態も無理があります。

創業時の店舗運営形態をそのまま新店舗にも当てはめ続け、スタッフの待遇も社長の鶴の一声方式になっている。そんな店舗は山ほどあります。

だいたいそういう店は45店舗目から店が回らなくなり、売上もどんどん悪化していきます。

さらに悪いことに退職するスタッフも多くなってきます。新人もやめていきますが、店長や中堅クラスも退職希望を出してきます。

こうなってからでは時すでに遅く、店舗を縮小していくしか道はありません。

もちろんキャリアアップシステムがあれば全て解決するとはいいません。

戦略やオペレーションの改善、変革も必要です。

ただキャリアアップシステムはその中の決して外せない重要な柱の一つなのです。

ここで細かいキャリアアップシステムの作り方まではお伝えできませんが、基本的なやり方としては、スタッフにとってどうすれば待遇がいまよりも良くなるのか、役職が上がるのか、何が評価のポイントなのか、誰が評価するのか、などを考えながら体系的に作ることが最もオーソドックスな方法となります。

ただ、すべての会社に合うようなキャリアアップの仕組みは存在しませんので、自社でしっかりと腰を据えてつくりあげることが重要です。

加えて、時代の変化に合わせて柔軟にその仕組みを変えていくことも忘れてはなりません。

私がここで申し上げたいことの一つは、キャリアアップシステムとは会社における重要な軸であることです。軸が無ければ何か事あるごとにその基準がブレます。人が変わればやり方も変わり、属人化への道を一直線。気づけば店舗経営はガタガタになっています。

そうならないためにも、会社の価値観の軸としてキャリアアップシステムを構築する必要があるのです。

そしてもう一つ。

私がここで申し上げたい最も重要なことは、“店長のその先はどうなっているのか”、ということです。

多くの店舗ビジネスでは、店長のその先のことを考えている会社はありません。大手であってもです。

仕事の内容が定義されていないマネージャーなどという役職が用意されていることもありますが、大半のマネージャーは店長時代に比べ、その生産性は低下しています。

なぜなら、何をしていいかわからないからです。

そもそも店長の仕事自体も定義していない会社が多い中、もっと抽象的なマネージャーの仕事を作ること自体がナンセンスです。

とにかく、店長のその先を仕組みとして持っておくことは店舗ビジネスにおける最重要課題ともいえます。

店長の先がなければ、そのままダラダラと店長を続けるか、辞めて独立するか、転職するか、のいずれかになります。

将来がどうなるかわからないという不安はどの業種でもありますが、店舗ビジネス、特に規模の小さい会社においてはスタッフにかかる不安は相当なものになるでしょう。

しかし、最初から仕組みとして店長の先を考えておくことで将来の不安を解消し、人財の成長や定着率の向上につなげることが可能となります。

逆にその仕組みが無ければ、できるスタッフから辞めていきます。残ってほしい店長、中堅クラスから辞めていくのです。残るのは結局…

まずやるべきは店長の仕事を定義づけすることです。その後、店長のその先のキャリアコースをつくるのです。

そのキャリアコースのデザインで重要なことは選択できること、選択の幅が広いことです。

社内でのキャリアアップから、独立までを入れ込んでスタッフが主体的に選択できる状況をつくることです。

そうすることでスタッフのムダな不安を払しょくし、安心して働く環境が実現します。

結果として、先述したように人財の成長や定着率に好影響を与えます。

皆さんの会社ではキャリアアップシステムをつくっていますか?

社長の鶴の一声方式がまかり通っていませんか?

 


今週の店舗最盛への道
西江力

社内独立店開コンサルティング

株式会社ストアブレインコンサルティング代表取締役

西江力

執筆者のWebサイトはこちら http://strbrain.jp/

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