トップ > コラム > 虚像のグローバル化:その海外展開、足元がグラついていないか

虚像のグローバル化:その海外展開、足元がグラついていないか

  海外商談 尾身浩 SPECIAL
尾身浩 SPECIAL

海外商談コンサルタント

株式会社源盛グローバル 代表取締役 尾身浩

海外商談に必要な専門スキルとノウハウを伝授する実践派コンサルタント。商社などに頼らずに、独立独歩で海外企業と取引したいと考える中小メーカー企業や個人事業主から高い評価。語学がほとんどダメでもOK 。商談の押さえどころと外国語のココだけ! を押さえることで、 小さな企業でも世界に売り、世界から買い付けられるようになる…と、注目のコンサルタント。

国際化、グローバル化と言った言葉を耳にするようになって久しい世の中です。しかし一体、企業の国際化とは何なのだろうかと考えさせられる、耳を疑うような出来事に遭遇しました。

御社が国際化を図っている会社なら、参考にして足元を見直してください。

三菱東京UFJといえばわが日本を代表するメガバンクであり、グローバルな視点で見れば間違いなく我が国トップの銀行と言えます。

ちなみに海外で「弊社の取引銀行は三井住友銀行です」などと誇らしげに言っても恐らく「知らない」と言われる可能性が高いでしょう。

輸出企業が輸出をする場合、代金の回収を確実なものにするための手段の一つとして、買い手となる企業に信用状なる有価証券を発行するように依頼します。信用状は銀行が開設(open)しますが、この開設銀行(Opening bank)の信用性を問うことがあります。

以前、例えばアラブの産油国が日本の総合商社に同じことを依頼する場合、このOpening bankに指定していたのが我が国では当時の東京三菱銀行だったようです。裏を返せば、その他の銀行ではダメだ、信用できないから石油が売れない、ということだったわけです。 

 

さて三菱東京UFJ銀行は現在でもこと国際業務に関しては文字通りトップを走っているわけです。海外拠点の数でも圧倒的であり、それこそ日本を代表するグローバル企業と言えるでしょう。

慌ただしい年の瀬ですが、私は25日(月)にある用事でその三菱東京UFJ銀行・某支店へ足を運びました。

入口を入ると受付の年配の女性が丁寧に案内をしてくれました。その後番号札を取り、順番が来るのをイスに座って待っていました。受付カウンターは私が座るすぐ後ろに位置しており、先ほどの女性が次の来客の対応にあたっていました。

するとどうやら言葉の不自由な外国人客が入って来て、なにやらその女性担当者と話し始めたのです。その後の会話は否が応でも私の耳に飛び込んでくるものでした。

女性:いらっしゃいませ
 男性:あの、、コウザつくりたい。
 女性:日本語は分かりますか?
 男性:スコシわかる
 女性:日本語が分からないとダメなんです。
 男性:登録証もアリマス、日本語まあ少しOKです。
 女性:だから、、日本語が出来ないと口座は作れません。
 男性:私の日本語ダメですか?
 女性:私が分からないからダメなの。いい? (睨みながら)

耳を疑いました。

この男性の日本語のどこが分からないのでしょう。結果的に口座を作ることができない、取引に値しない個人であろうとも、支店を訪れて口座を作りたいと言っている以上、お客様であるはず。グローバル銀行の名に恥じぬよう、出来れば英語のひとつも使って理路整然と対応すべきではないでしょうか?

それが英語はおろか、この言葉使いです。それにも増して、日本語を話せないならとっとと帰れ、と言わんばかりのこの滅茶苦茶な対応に、日本を代表するグローバル銀行が聞いて呆れる思いでした。

皆の前で恥をかかされた思いだったでしょう。その後このアジア系の男性はしぶしぶ退店していったのは言うまでもありません。

日本のトップ銀行にしてこの対応、私は日本人として恥ずかしい思いでした。

表舞台では国際化・グローバル化を掲げて邁進するも、足元ではこの体たらく。たった一人のこうした間違った対応で巨大な屋台骨すら揺らぎかねません。

中小零細企業でも同じこと。グローバル化を進めることに集中しすぎ、見えなくなっている部分が無いか。これを是非確認しながら前に進んで行ってください。

 

世界に売る、世界から買う! 小さな会社の商談術
尾身浩

海外商談コンサルタント

株式会社源盛グローバル代表取締役

尾身浩

執筆者のWebサイトはこちら http://gglcg.com/

当社の関連商品を販売しています。
月刊誌(無料)登録フォーム

×