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自社の価値:情報価値が下がる時代、どこに価値を生むか

  海外商談 尾身浩 SPECIAL
尾身浩 SPECIAL

海外商談コンサルタント

株式会社源盛グローバル 代表取締役 尾身浩

海外商談に必要な専門スキルとノウハウを伝授する実践派コンサルタント。商社などに頼らずに、独立独歩で海外企業と取引したいと考える中小メーカー企業や個人事業主から高い評価。語学がほとんどダメでもOK 。商談の押さえどころと外国語のココだけ! を押さえることで、 小さな企業でも世界に売り、世界から買い付けられるようになる…と、注目のコンサルタント。

情報取得が簡単になった現代。取得が簡単になれば当然価値は下がります。ある意味情報を盾に商売をしてきたようなところがある貿易商社。今の時代に自社の持つ価値・強味とは一体何なのだろうと改めて考える機会がありました。

私自身の商売を通じて考えて行くと、やはり人とのコミュニケーション能力、コミュニケーションを通じて人に動いてもらう、協力を仰げる力が必要だと痛感します。そしてそれがやがてネットで習得できない情報となっていくのだとも感じます。

去年の暮のこと、ある顧客から新たな顧客をご紹介頂きました。海外経験も豊富、情報もそれなりに持っています。弊社の拠点とする国々の情報にも長けていました。海外ビジネス的には自立した、弊社よりもずっと規模の大きい会社です。

そんな中、製品の仕入れにちょっとした難題を抱えて弊社にいらしたという状況でした。時間との闘いの中、弊社で何とか成果を出し、幸いなことに“ありがとうございます、いやあ、助かりました”と感謝のお言葉を頂いたのですが、ふとその時に、このお客様は自社の何処に価値を感じて頂けたのだろうと改めて思ったのです。

ネットでサッと検索すれば、言葉の壁こそあれ、誰でも公開情報ならば無料で素早く得ることが可能な時代です。例えば会社の情報が得られれば、その場でネット上で問い合わせが出来て、知りたい情報を抽出してくることが出来るわけです。

この程度のことなら、座ったまま出来てしまう。しかも外国語でちょっとしたやり取りができれば、商談前にかの国から出てくる製品の価格調査すらラフに素早く行うことが可能なわけです。

情報という知識の差をお金に換えているような貿易商社も過去は十分存在の意義がありましたが、今のような時代では顧客側も各種の基本情報が居ながらにして簡単に取れてしまうわけです。

ご紹介頂いたこの会社も情報収集に長けており、故にこちらの武器とする情報との差はたいしてありません。なんと私の拠点とする国にも情報拠点を有しており、それこそ価格もお見通しといったところ。だから私が海外の拠点で使う会社や工場に関する情報程度は今の時代簡単に出てきてしまうでしょう。その気があれば連絡も取れるはずですし、資金も豊富にある。しかし自分達では出来ない、というかやるべきでない、と判断された訳です。

今回、弊社のサービスをもって問題を解決することがたまたま出来たわけですが、そこで何処に価値があったのだろうか、と考えたわけです。そうするともちろん弊社の経験や、相手にない情報の類もあるのですが、コミュニケーションが出来ているかどうかではないかと思うのです。つまり人と人との繋がりの密度です。

難題を抱えていて失敗できない。接触すべき海外企業が分かっていても今回自社が直接行って話したのでは無理だと判断する。そんな中、弊社のことを聞き、推薦され、戦略的な観点から弊社の利用を検討したのでしょう。

結果的に感謝を頂き、“助かりました”との言葉を頂ける。重く受け取りました。今更ながら当たり前のことですが、小さいながらもそこに自社の価値があるのだろうなと再認識した出来事でした。

その海外企業と十分なコミュニケーションが出来ている、歴史がある、ということを私の従来の顧客が認識して頂いていたからこそ生まれた、ネットには無い情報であり、それに価値があると感じて頂けたのかもしれません。

有難いことであると同時に、情報取得が簡単になった時代にどこで価値がだせるのか、役に立つことができるのか、ということを改めて考える良い機会となりました。

情報は大切です。しかし玉石混交の溢れる情報の中にあって価値あるものはやはり人と人が重ねる密度の濃いコミュニケーションの歴史が作りだし、それが貴重情報になって届くべき人のところに届くような気がします。

 

世界に売る、世界から買う! 小さな会社の商談術
尾身浩

海外商談コンサルタント

株式会社源盛グローバル代表取締役

尾身浩

執筆者のWebサイトはこちら http://gglcg.com/

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