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ご機嫌な店舗、不機嫌な店舗

  ロードサイド店の繁盛経営 三上康一 SPECIAL
三上康一 SPECIAL

ロードサイド店の繁盛経営コンサルタント

株式会社ロードサイド経営研究所 代表取締役 三上康一

長年ガソリンスタンドの現場で辣腕を振るって業績を向上させ、その経験を活かして60のロードサイド店舗の戦略を立案したコンサルタントが繁盛するロードサイド店舗に共通する戦略をお伝えする特別コラム。

その店舗の雰囲気は、儲かっているからご機嫌なのか、ご機嫌だから儲かっているのか。鶏が先か卵が先かという話と似ていますが、「儲かっているからご機嫌」というのは結果であって「ご機嫌だから儲かっている」が先のように思います。

「魚は頭から腐る」と言われますが、組織のトップである経営者・店長の心理状態はその店舗に大きな影響を及ぼします。ですから、経営者・店長はご機嫌でいることが重要です。意識したいのは、経営者・店長自身が機嫌を自己管理し、自分の心理状態を人に委ねないことです。

事例を見ていきましょう。

妻に「あなたってホント稼ぎが悪いわね」と言われ、傷ついた夫、Aさん。

夫に「おまえの作るメシは本当に不味いな」と言われ、傷ついた妻、Bさん。

上司に「おまえはアホか!」と言われ、傷ついた部下、Cさん。

彼ら彼女らに共通するのは、「傷ついた」ことですが、彼ら彼女らには「傷つかない」という選択肢もあるわけです。

しかし、前述のような心ない言葉を投げかけられた際、彼ら彼女らは選択肢を選ぶことなく「自動的に」傷つくわけです。なぜ自動的に傷つくのでしょう?

それは、彼ら彼女らに「べき論」があるからです。「べき論」に他人の言葉が刺さると人は傷つきます。

前述のAさんは「妻は夫を立てるべき」という「べき論」を持っているから傷ついたのでしょう。

前述のBさんは「夫は妻をいたわるべき」という「べき論」を持っているから傷ついたのでしょう。

前述のCさんは「上司は部下を褒めて育てるべき」という「べき論」を持っているから傷ついたのでしょう。

ですから、「傷ついた」と感じた時は、自身が持っている「べき論」に気付く時なのです。そして、その「べき論」を少しずつ手放していく。

相手の言動を変えようとすることに意味はありません。なぜなら相手はそういう人だからです。

「稼ぎが悪い」という妻に、今の数倍の生活費を渡すことができたとしても「老後の資金が足りない」と言うでしょう。彼女にとって「旦那の稼ぎが足りない」は口癖のようなものなのです。

長年、持ち続けてきたご自身の「べき論」は簡単に手放せません。しかし、ものを捨てるには、捨てるものが何なのかが分からなければ捨てられません。自分が手放す「べき論」を意識すると、次に同様の言葉を投げかけられた時は、以前より傷つきにくくなります。ちなみに、持っていても傷つかない「べき論」は手放す必要はありません。

私は先日、混み合う駅構内で見知らぬ方とぶつかってしまいました。

その際に「あ、すみません」と私はお声がけしましたが、お相手は「チッ」と舌打ちをしたのです。その対応に私は一瞬、カチンときました。

しかし、私がなぜカチンときたのかを考えると「謝ってきた相手を受け入れるべき」という「べき論」を持っていたことに気付くわけです。そしてその「べき論」を手放そうと決めるのです。

私は、今後どなたかとぶつかり、舌打ちをされても前回ほどカチンと来ない、傷つかなくなったはずです(それ以降、まだ人とぶつかってませんが)。

私たちは、体が傷つくと負傷箇所から血が流れたり、青く腫れ上がったりして、それがひどい状態だと病院に駆け込みます。反面、心が傷ついた場合の対応は、あまり積極的なものとは言えないと思います。

組織のリーダーが、「べき論」を手放し、自身の器を拡げていく。組織はそのリーダーの器以上に大きくならないと言われます。「べき論」を手放すことにより、囚われることなく組織が自由になるはずです。

だから、経営者・店長はご機嫌であることが重要であり、そのような組織は業績が拡大する可能性が高いのです。

 

ロードサイド店の繁盛視点
三上康一

ロードサイド店の繁盛経営コンサルタント

株式会社ロードサイド経営研究所代表取締役

三上康一

執筆者のWebサイトはこちら https://roadside.co.jp/

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