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指示が通る店舗、通らない店舗

  ロードサイド店の繁盛経営 三上康一 SPECIAL
三上康一 SPECIAL

ロードサイド店の繁盛経営コンサルティング

株式会社ロードサイド経営研究所 代表取締役 三上康一

長年ガソリンスタンドの現場で辣腕を振るって業績を向上させ、その経験を活かして60のロードサイド店舗の戦略を立案したコンサルタントが繁盛するロードサイド店舗に共通する戦略をお伝えする特別コラム。


■一方的な指示が必要な場合もある

前回のコラムで、「君が遅刻をしないために私ができることは何ですか」という問いかけをご紹介しました。

これは、遅刻した本人だけでなく、経営者・店長も一緒になって遅刻をなくしていこうという取組みです。しかし、状況によっては「○○をやっておいてください」など、本人に考えさせることなく、一方的な指示に従ってもらわなければならないこともあるはずです。

■「はい=理解したこと」にはならない

指示を出して「分かりましたか」と言うと、必ずと言っていいほど「はい」と返ってくるものです。指示を出した側としては、その返事を受けたことで了承のサインを得たと思いがちですが、実際はその指示に基づいた行動がなされていないことが多々あります。

以前のコラムでオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを取り上げました。

「分かりましたか」はクローズドクエスチョンです。さほど考えずに答えが導き出せます。これに対してオープンクエスチョンは、深く考えないと答えが出しにくい質問です。そこで、これらを組み合わせると以下のようなやり取りができます。

「分かりましたか」

「はい、分かりました」

「では、確認のために聞くけれども、何が分かりましたか」

「・・・」

このようなやり取りにより、本当に指示を理解していただくとよいでしょう。

■優先順位を決める

なぜ、できなかったのかと聞くと「忙しかったから」という答えが多いものです。

複数のロードサイド店舗を営む会社の店長会議に同席した時の話です。ある店長の資料が期限を越えた今も本社に提出されていない、という話題になりました。提出が遅延したその店長が理由を問われましたが、やはり「忙しかったから」という答えが返ってきました。

これに対して、本社の部長が以下の趣旨の発言をしました。

「その忙しい期間、食事をとる暇もありませんでしたか?トイレに行く暇もありませんでしたか?」

つまり、その資料を提出する時間がないのではなく、その資料を提出する優先順位が低かったのです。食事・トイレの優先順位の方が高かった、ということです。

よって、その指示がどれくらい重要なのかを示す必要があります。そのためには、仕事の全体像における、その指示の位置づけや、その指示を守らなければいけない理由を示し、指示を受けるスタッフが判断できない場合は、上司が優先順位を示すことも必要でしょう。

■人は忘れる

人は指示を忘れるものだということも理解しておく必要があります。

ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスが提唱した「忘却曲線」は、人間は得た情報を、20分経過後に42%を忘れ、1時間経過後に56%忘れ、1日経過後に74%忘れ、1週間経過後に77%忘れ、1ヶ月経過後に79%忘れる、というものです。

これを踏まえると、指示はその後のフォローが重要だということが分かります。指示を出したら、定期的にその進捗、出来映えをフォローする、ということです。

指示の出しっ放しは、忘れられる可能性が高いのです。

これらを踏まえることにより、指示の通りやすい店舗となっていきます。

 


ロードサイド店の繁盛視点
三上康一

ロードサイド店の繁盛経営コンサルティング

株式会社ロードサイド経営研究所代表取締役

三上康一

執筆者のWebサイトはこちら https://roadside.co.jp/

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