価値の高い店舗、低い店舗

  ロードサイド店の繁盛経営 三上康一 SPECIAL
三上康一 SPECIAL

ロードサイド店の繁盛経営コンサルティング

株式会社ロードサイド経営研究所 代表取締役 三上康一

長年ガソリンスタンドの現場で辣腕を振るって業績を向上させ、その経験を活かして60のロードサイド店舗の戦略を立案したコンサルタントが繁盛するロードサイド店舗に共通する戦略をお伝えする特別コラム。


■低価格路線は儲からない?高価格路線は儲かる?

低価格路線をウリにしているロードサイド店をよく見かけます。弊社がご支援しているロードサイド店の中にも、そのような店舗がありますが、なぜ支援をご依頼されるかというと「儲かっていないから」という理由がほとんどです。

よって、「低価格路線は儲からないから高価格路線で儲けよう」という短絡的な話で儲かるほど商売は甘くないところが、商売の商売たる所以でしょう。そこで今回は、価格と価値の関連について見ていきたいと思います。

■安易な値下げがもたらすもの

ある商品の価格が3,000円だとします。他店でも同じ商品を3,000円で販売しています。

当店でこれを買った顧客Aさんが、その商品に4,000円の価値を感じたとします。Aさんは支払った3,000円を「安い」と感じ、継続的な購買が見込めるでしょう。ただし、他店でも同じ商品を同じ価格で販売しているので、当店で購買してくれるかどうかは不明です。

同じ商品を買った顧客Bさんが、その商品に3,000円の価値を感じたとします。Bさんは支払った3,000円を「適正」と感じ、継続的な購買が見込めるでしょう。ただし、当店で購買してくれるかどうかは不明です。

同じ商品を買った顧客Cさんが、その商品に2,000円の価値しか感じることができなかったとします。Cさんは支払った3,000円を「高い」と感じ、当店で同じ商品を買うことはなくなるでしょう。

ロードサイド店の経営者・店長は、Cさんのような顧客の離反を防ぐため、これまで3,000円で売っていた商品を2,000円で販売することにしました。他店では同じ商品を3,000円で販売しています。

すると、これを買った前述の顧客Aさんは、その商品に4,000円の価値を感じる方ですから、支払った2,000円を「安い」と感じ、継続的な購買が見込めるでしょう。ただし、他店が値下げした場合、当店で購買してくれるかどうかは不明です。

同じ商品を買った顧客Bさんは、その商品に3,000円の価値を感じる方ですから、支払った2,000円を「安い」と感じ、継続的な購買が見込めるでしょう。ただし、他店が値下げした場合、当店で購買してくれるかどうかは不明です。

同じ商品を買った顧客Cさんは、その商品に2,000円の価値を感じる方ですから、支払った2,000円を「適正」と感じ、継続的な購買が見込めるでしょう。ただし、他店が値下げした場合、当店で購買してくれるかどうかは不明です。

そしてこの場合、仕入原価が低減していない限り、商品1個あたりの利益は減ります。また、同じ商品を扱う競合他店は、当然のごとく追随し、価格競争が始まります。このようにして競争は泥沼化し、消耗戦が始まります。

■現状の価格のままで儲けるには

先ほどの売価3,000円の商品を考えます。

これを買った顧客Aさんが、当店の取組みにより、その商品に5,000円の価値を感じたとします。Aさんは、支払った3,000円を「安い」と感じ、当店での継続的な購買が見込めるでしょう。

同じ商品を買った顧客Bさんが、当店の取組みにより、その商品に4,000円の価値を感じたとします。Bさんは、支払った3,000円を「安い」と感じ、当店での継続的な購買が見込めるでしょう。

同じ商品を買った顧客Cさんが、当店の取組みにより、その商品に3,000円の価値を感じたとします。Cさんは、支払った3,000円を「適正」と判断し、当店での継続的な購買が見込めるでしょう。

この場合、商品1個あたりの利益は変わらないまま、顧客満足度が向上するとともに、固定客化を図ることが可能となります。

では、どのようにして商品の価値を高めていけば良いのでしょう。商品そのものの価値に「自店で買うこと」の価値を付加する、つまり店舗の価値を高めます。この場合、ロードサイド店で働くスタッフと顧客との関係性強化がポイントとなります。

顧客は、入店してから退店するまでの一連の流れに満足感を覚えると「その店で買うこと」の価値が高まります。

例を挙げると

  • 駐車場へ車を停め、車から降りて店内へ入店しようとした際に、出迎えをする
  • スタッフのお辞儀がきれいかつ身だしなみが整っている
  • 顧客を名前で呼ぶ、前回の購買や接客内容を踏まえた接客をする
  • 顧客が商品説明を欲している時に、スタッフがそばに控えている
  • スタッフの商品説明が丁寧かつ分かりやすい
  • 車まで商品を運び、お見送りをする

 

 まだまだたくさんあるはずですが、奇をてらわない取組みを高いレベルへ引上げるとともに維持することが、「当店の」商品価値を向上させるために重要だということです。

 


ロードサイド店の繁盛視点
三上康一

ロードサイド店の繁盛経営コンサルティング

株式会社ロードサイド経営研究所代表取締役

三上康一

執筆者のWebサイトはこちら https://roadside.co.jp/

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