トップ > コラム > 働き方改革と、労働対価と成果の話

働き方改革と、労働対価と成果の話

  知見発掘の経営 西田純 SPECIAL
西田純 SPECIAL

知見発掘の経営コンサルティング

株式会社FSコンサルティング 代表取締役 西田純

経営コンサルタント。社員の見たものをお金に換えるしくみづくりの専門家。企業が社内各所に埋もれさせている「有用な知見」を発掘し、共有知・組織知として業績向上につなげる。国内外のさまざまな経営事例を通じ、30年以上にわたり一貫して小集団活動やプロジェクト現場における共有知の価値を研究してきた、知見活用のスペシャリスト。


(2018.7.10)今国会で成立した「働き方改革関連法」は、20194月から順次施行されることになりました。世の中には様々な議論があると思いますが、経営者の立場から言えば、成果に対する労働対価の選択肢が増えることは歓迎すべき変化です。他方で残業規制などが厳しくなる部分もあり、労働時間の面では今までより自由度が低下する部分も出てくると思われます。

でも、ちょっと待ってください。労働対価をしっかり検討すれば、得るべき成果は必ず得られると、本当に言えるのでしょうか?社長の立場で考えると、兼業禁止規定のある社員に対して会社が支払う給与(+賞与)は、その社員にとって全ての金銭収入です。つまり会社がその社員の生活すべてを面倒見ている、と言える状況なのですが、そうだとしたら会社はその社員が会社に対して、追加的な労働なしに、合理的な勤務時間の中で提供しうる最善の成果を要求できる立場にいるはずではないでしょうか。 

現実的には、一方で昇進・昇格など様々なインセンティブを用意しつつ、人事考課で成果の度合いを評価した結果に基づき給与や賞与が決定されている場合が多いと思います。つまり制度的に「成果は最善であってほしいが、そうでない場合は評価によって労働対価に反映するよ」という「仕組み」を採用しているわけです。そうすると、社員の側からも「給料分だけ働けば良いや」という反応が返ってくることになります。 

サービス残業などが難しくなる流れの中で、決められた労働時間や業務指示書に基づいて最善の成果を求めるためには、管理面の仕組みだけでなく、成果そのものを自動的に産出するような仕組みが必要なのです。具体的には経営理念や経営目標が経営戦略まで一貫性ある形で社員と共有されていること、目標管理の仕組みが出来ていて、それに従った成果が定期的に報告されるようになっていること、スタッフ部門が仕組み全体の動きに継続的な目配りをしており、不具合は順次修正されるようになっていることなどが挙げられます。大企業では皆当たり前の話です。 

ところが多くの中小企業ではこの仕組みが機能していないため、どうしても管理面中心の、いわば形だけの働き方改革に終わりかねないという例が多くなりがちです。せっかく世の中が働き方改革に注目しているわけですから、この機を逃さず最善の成果を求めるための仕組みを導入されては如何でしょうか? 

世の中の流れについて行くことは当然として、世の中の流れを自らの変革に活用することこそ、有能な経営者が持つべき視点なのです。あなたは働き方改革を自らのビジネスに生かす形で活用できていますか?

 


社員が見たことを明日の利益に変える経営視点
西田純

知見発掘の経営コンサルティング

株式会社FSコンサルティング代表取締役

西田純

執筆者のWebサイトはこちら https://fs-consultant.net/

当社の関連商品を販売しています。
月刊誌(無料)登録フォーム

×