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そのやり取りで顧客とのコミュニケーションが成立しているのか

  ロードサイド店の繁盛経営 三上康一 SPECIAL
三上康一 SPECIAL

ロードサイド店の繁盛経営コンサルタント

株式会社ロードサイド経営研究所 代表取締役 三上康一

長年ガソリンスタンドの現場で辣腕を振るって業績を向上させ、その経験を活かして60のロードサイド店舗の戦略を立案したコンサルタントが繁盛するロードサイド店舗に共通する戦略をお伝えする特別コラム。

■異国人とのやり取りの難しさ

先日、某地方都市での出張を終え、現地から空港への連絡バスに乗り、空港で降りようとした際の出来事です。そのバスは、降車時に運賃を払う仕組みになっており、空港で降りようとする乗客が車内で列を成していました。

私のちょうど前に並んだ乗客2人が運賃箱に現金を入れようとしたときに、バスの運転手が「お釣りは出ませんよ」と言いました。これに対して、その乗客2人は分かったような分からないような顔をしたので、運転手は再度「お釣りは出ませんよ」と言いました。どうやら東アジア系の外国人観光客のようで、日本語がよく理解できていないようです。

その外国人観光客は1人400円、合計2名で800円の運賃なのですが、1,000円を運賃箱に入れようとしています。それを受けて釣り銭が出ないので小銭で払って欲しいと運転手がアドバイスしているのですが、うまく伝わりません。

最終的にお互い身振り手振りでなんとか事なきを得ましたので、私もバスを降車することができました。

その日、帰宅した私は、充電式オートバイで芸人が各地を旅する番組を見ていました。今回はスペシャル企画ということで、いつもは国内の旅なのですが、今回は海外を旅していました。

外国語が堪能でないその芸人が苦労してコミュニケーションをとり、なんとか意思疎通を果たすのを見て、前述でのバスでのやり取りを含め、言葉が持つ重要性を改めて感じました。

■顧客にとって異国人になっていないか

例えば、ガソリンスタンドでガソリン以外の商品を勧める際に、「スラッジ」「カーボン」などという専門用語を使って、販売しようとするスタッフがいます。

この場合の顧客の反応は、その勢いに押されて買ってしまうか、全く相手にしないかのどちらかです。「スラッジって何?」などと質問する顧客はまず居ません。

つまり、業界の専門用語は、顧客にとって異国の言葉なのです。それを用いてコミュニケーションを図ろうとすること自体が違っているのです。顧客とコミュニケーションを図ろうとするなら、異国の言葉ではなく、顧客の母国語で話すべきでしょう。つまり、顧客が分かる言葉に変換しなければなりません。

そして変換できない場合には、コミュニケーションのツールを用いる必要があります。

ある車のディーラーでは、エンジンの模型を用いて、これを説明します。スラッジとは何で、エンジンのどこに溜まるのか、それが溜まるとどうなるのかを懇切丁寧に説明します。

模型を作る費用は、顧客とコミュニケーションが円滑になることを考えたら微々たるものでしょう。

顧客へ専門用語を使うスタッフは、顧客にとっては「専門性が高い人」ではなく「異国の人」なのです。

店舗を用いて事業展開をする経営陣は、同店の現場で接客するスタッフが、そのやり取りで顧客とのコミュニケーションが成立しているのか、という点を常にチェックし、真のコミュニケーションが成立するように、指導・支援をする必要があるでしょう。

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三上康一

ロードサイド店の繁盛経営コンサルタント

株式会社ロードサイド経営研究所代表取締役

三上康一

執筆者のWebサイトはこちら https://roadside.co.jp/

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