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社会的地位が低いと嘆く販売員が働く店舗が業績不振に陥る理由

  ロードサイド店の繁盛経営 三上康一 SPECIAL
三上康一 SPECIAL

ロードサイド店の繁盛経営コンサルタント

株式会社ロードサイド経営研究所 代表取締役 三上康一

長年ガソリンスタンドの現場で辣腕を振るって業績を向上させ、その経験を活かして60のロードサイド店舗の戦略を立案したコンサルタントが繁盛するロードサイド店舗に共通する戦略をお伝えする特別コラム。

■販売員の社会的地位を気にする販売員

ある店舗の販売員から伺った話です。その方はオフィスワーク含め、様々な仕事をしてきた中で、販売の仕事が好きであることに気付き、現在、販売員をしています。ですが、知り合いに自分の仕事の話をすると「販売員って給料安いよね」と言われるなど大抵バカにされるのだそうです。

「給料は安いかもしれないけれども、自分は販売の仕事が好きなんです。なので、気持ちが前向きになる言葉をいただけませんか」とのことでした。

■他人に依存する弱さ

この方は、「販売員は社会的地位が低いと言われた」という事実をもって「販売員は社会的地位が低い」という解釈をした結果、気持ちが後ろ向きになりました。そのような解釈をしなくても良いにもかかわらず、です。

つまり、「販売員は社会的地位が低いと言われた」としても「販売員は社会的地位が低くない」と解釈していれば、気持ちが後ろ向きになることはないのです。

同様に「販売員って給料安いよねと言われた」という事実と「販売員は給料が安い」という解釈も切り分ける必要があります。国民の平均年収、そして、販売員の平均年収はいくらなのでしょう。それらを比較した上で「販売員は給料が安い」と言うなら分かります。そうでなければ、単に他人の言葉に振り回されているだけなのです。

■自分で自分の気持ちを決める

このように、他人の言葉に振り回される習性があるから、「気持ちが前向きになる言葉をいただけませんか」という発言があるわけです。他人の言葉に振り回されて後ろ向きになったから、今度は他人の言葉で振り回してもらって前向きにして欲しいというムシの良い発想が透けて見えます。そこには、自分が自分の気持ちを決める、という強さがないのです。

仮に、この方が何かの言葉で前向きになったとしても、また、何かの言葉で後ろ向きになることは目に見えているのです。

このような販売員は、顧客の態度や言葉で簡単に傷つき、その傷ついた気持ちを自分で立て直せませんから、他人の言葉など何らかの外部要因がなければ、ずっと傷ついたまま接客をすることになります。そのような販売員から顧客はものを買うでしょうか。少なくとも買う可能性は低くなり、業績は低迷するでしょう。

そして、そのような販売員が多ければ多いほど、業績の低迷は大きく、そして長期間にわたるでしょう。

社会的地位が低いと嘆く販売員が働く店舗が業績不振に陥る理由がここにあります。

■社会的地位は自分で決めていい

社会的地位が気になる方が本当に必要なのは、他人がする評価ではなく、自分にしっかり向き合い、自分で評価をすることだと言えるでしょう。

人は自分が持っている「べき論」に他人の言葉が刺さると傷つくことが多いです。この方の場合、他人は自分を敬うべきという「べき論」が自分を生きづらくしていないか、という点を考える必要があります。もしそうであれば、その「べき論」は手放す必要があります。

ただし、長年付き合ってきた「べき論」は簡単には手放せません。ですが、手放そうとすれば、いずれ手放せます。それまで、手放すことを諦めないことです。

また、他人の価値観は自分とは違うことを自覚し、他人の発言に振り回されず、他人の発言を認める努力をする必要もあるでしょう。例えば「社会的地位が低い」と言われた時に「社会的地位が低いと思うんだね」と事実を認めてあげる。そして、自分の解釈を別に考えてみる。

他人は他人なのです。決して自分ではないのです。他人を自分にしようとする愚を犯していないか、と考える必要があります。

そんな取組みから、徐々に自分で自分の気持ちを決めることができるようになってくるでしょう。それは自身の社会的地位を自分で決めることにも繋がるでしょう。

販売員を束ねるリーダーは、個別面談などの場で「最近傷ついたこと」を聞いて、その販売員の解釈が、自分自身を苦しめていないか、また、そのことにより、店舗業績の伸張を阻害していないかということにも留意していきたいものです。

ロードサイド店の繁盛視点
三上康一

ロードサイド店の繁盛経営コンサルタント

株式会社ロードサイド経営研究所代表取締役

三上康一

執筆者のWebサイトはこちら https://roadside.co.jp/

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