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ガソリンスタンドで油外商品の販売が上手い人に共通する特徴

  ロードサイド店の繁盛経営 三上康一 SPECIAL
三上康一 SPECIAL

ロードサイド店の繁盛経営コンサルタント

株式会社ロードサイド経営研究所 代表取締役 三上康一

長年ガソリンスタンドの現場で辣腕を振るって業績を向上させ、その経験を活かして60のロードサイド店舗の戦略を立案したコンサルタントが繁盛するロードサイド店舗に共通する戦略をお伝えする特別コラム。

■厳しさを増すガソリンスタンドの経営

ガソリンや軽油といった燃料油の利幅も販売量も厳しい中、一定年数が経過した地下タンクは多額の費用がかかる防錆処理が義務付けられ、ガソリンスタンドの経営は厳しい状況が増しています。

それ以前から、燃料油以外の商品、つまり油外商品の販売に取組む事業者が多かったわけですが、この取組みをさらに強化していかないと生き残りはますます厳しくなることは当然のことでしょう。しかし、カーディーラー、ホームセンター、タイヤ量販店などの攻勢に押され、苦戦を余儀なくされているガソリンスタンドが多い印象があります。

エンジンオイル交換を勧めると「ディーラーで車検時に無料でオイル交換してくれるから」、バッテリー交換を勧めると「ホームセンターの方が安いから」、タイヤ交換を勧めると「タイヤ量販店の方が安いから」、洗車を勧めると「自分で洗っているから」、車検を勧めると「もう整備工場に予約しているから」と断られるわけです。

声を掛けても掛けても断られ、成果が出ないと、店舗スタッフの気持ちは折れかけ、店舗全体のモチベーションも低下してくるでしょう。経営者としては、そのような事態に陥らないように戦略を構築する必要がありますが、戦略構築の材料として油外商品の販売が上手い人に共通する特徴を活用してみてはいかがでしょうか。

■断り文句を活用した販売方法

A氏は、かつて勤務していたガソリンスタンドで「エンジンオイル販売の達人」と呼ばれ、赴任したガソリンスタンドのエンジンオイルの販売量を3倍から4倍に引き上げました。特筆すべきは、彼の取組みは、エンジンオイル増販の再現性がある、ということです。

つまり、X店に赴任しても、Y店に赴任しても、Z店に赴任してもエンジンオイルの販売量を3倍から4倍に引き上げるのです。たまたま業績が上がったということではなく、エンジンオイル販売のノウハウをしっかり持っているのです。

そのノウハウのひとつに「顧客の断り文句を活用する」というものがあります。ガソリンスタンドのスタッフが、顧客に油外商品をお勧めすると、先に挙げた断り文句の他にも、以下に挙げる定番の断り文句というものが出るケースが多いはずです。

「自宅に帰って主人に聞かないと」

「持ち合わせがない」

「時間がない」

A氏がエンジンオイル交換を勧めて「自宅に帰って主人に聞かないと」という断り文句を得た場合、「店内の電話をお貸ししますので、ご自宅へ電話してご主人に聞いて下さい」と切り返します。

同様に「持ち合わせがない」という断り文句を得た場合、クレジットカードを使用できることをお伝えしますが、カードを持っていない顧客へは「私の車をお貸ししますので、銀行に行って、お金をおろしてきてください。その間にオイル交換をしておきます」と切り返します。

さらに同様に「時間がない」という断り文句を得た場合、「私の車をお貸ししますので、用事を足してきてください。その間にオイル交換をしておきます」と切り返します。

これらのA氏が繰り出した切り返しにより、多くの顧客がエンジンオイル交換に応じるようになりました。

また、この切り返しは、闇雲に繰り出すのではなく、本当に時間がなく急いでいる方などには使わないというバランス感覚もA氏は持ち合わせていました。

■売れる可能性を高める

全ての断り文句に対応できる切り返しを編み出すことは困難でしょう。ですが、このように顧客の「ある断り文句」への切り返しを予め準備しておくことは、売れる確率が高まります。

「時間がない」と言われ、「また今度よろしくお願いします」と返していては、その場で売れる可能性はゼロですし、次回来店していただける保証もありません。ですが、「時間がない」と言われ、それにどのように切り返すかを決めておき、実施することは、その場で売れる可能性が残ります。そして、一部の断りだけでも封じることが出来れば、油外収益の向上に寄与するでしょう。

このように、ガソリンスタンドで油外商品の販売が上手い人に共通する特徴として、断られてからの切り返しを予め準備しておき、売れる可能性を高めていることが挙げられます。反応は、起きた結果への行動ですが、対応は、起きると予想される結果への行動の準備です。対応をしておくことが重要と考えます。

これを全社的に広げる取組みとして、例えば、傘下の各店舗から、顧客が発する断りへの切り返し例を募集し、全社で共有し、上手な切り返し例を投票で選ぶといったコンテストなどが考えられます。経営者としては、属人的なスキルを他店に押しつけるのではなく、属人的なスキルから見えるノウハウを全社的に広げていく仕組み作りが、油外販売を拡大させる戦略となり得るでしょう。

ロードサイド店の繁盛視点
三上康一

ロードサイド店の繁盛経営コンサルタント

株式会社ロードサイド経営研究所代表取締役

三上康一

執筆者のWebサイトはこちら https://roadside.co.jp/

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