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ガソリンスタンドで冬用タイヤ交換をきっかけに利益を上げるには

  ロードサイド店の繁盛経営 三上康一 SPECIAL
三上康一 SPECIAL

ロードサイド店の繁盛経営コンサルタント

株式会社ロードサイド経営研究所 代表取締役 三上康一

長年ガソリンスタンドの現場で辣腕を振るって業績を向上させ、その経験を活かして60のロードサイド店舗の戦略を立案したコンサルタントが繁盛するロードサイド店舗に共通する戦略をお伝えする特別コラム。

■交換したタイヤを預かるサービス

このコラムを書いているのは、2018年12月30日ですが、年末を控えたこの時期、関東では、夏用タイヤから冬用タイヤへの交換需要が高まります。日本海側では大雪になっているニュースがそれに拍車をかけており、さらに関東地方でも雪の予報が出ると、夏用タイヤから冬用タイヤへ交換を望む顧客で、ガソリンスタンドやカー用品店では長蛇の列ができます。

かつてガソリンスタンドでは、夏用タイヤから冬用タイヤへ交換した際に、固定客を中心に無料で夏用タイヤを預かるサービスを行っていました。冬用タイヤから夏用への交換も同様です。顧客としては、交換後のタイヤ4本を自宅に持って帰る手間がなく、特に高齢者にしてみるとありがたいサービスでした。

■サービス中止の背景

複数店舗を展開している、関東地方のあるガソリンスタンド運営会社では、ある時期から全店舗でこのサービスを中止しました。

傘下のある店舗で、顧客から預かったタイヤを紛失し、4本弁償することになった、というトラブルがその背景にありました。また、タイヤの保管は一定のスペースが必要であり、保管場所にも限界があります。大量に預かると管理も大変です。

ただし、その結果として、顧客の利便性が薄くなり、タイヤ関連作業だけでなく、タイヤの販売も減少してしまいました。

■トラブルをチャンスに変える

この話を伺って、まず私が抱いたことは、1軒の店舗がそのようなトラブルを起こしたことをもって、全店舗に預かり禁止令を出すことに妥当性があるのかどうか、という疑問です。

トラブルの種を予め摘むことは重要です。しかし、それにより顧客の利便性が薄くなり、収益性に影響を及ぼすことは予見できたはずです。夏用のタイヤを預かっておけば、春には必ず自店に冬用タイヤから交換するために来店してくれるからです。

また、預かったタイヤが摩耗している場合は、新品への交換もお勧めしやすくなりますし、予め新品への交換を受注し、前金をいくらか受け取ったうえで、春までの暇な時期に新品へ交換しておけば、顧客が冬タイヤから夏タイヤへ交換しに来店された時もスムーズな対応が可能となります。

さらに、全店で今回のトラブルを共有した上で、今以上に積極的にタイヤの預りサービスを展開していくことを検討しても良いでしょう。この場合、預かったタイヤの管理に手間がかかりますから、有料化することは積極的に検討したいところです。

■タイヤ預りサービスの収支

また、保管場所に関しても限界がありますので、預かる量によってはトランクルームの活用も考えたいところです。首都圏でも郊外のトランクルームでは、月に5万円も払えばそれなりの広さのものがレンタルできます。

月5万円だと年間で60万円となりますが、タイヤの預り料を1回2,000円とした場合、夏タイヤの預り料と冬タイヤの預り料で4,000円、夏タイヤから冬タイヤへの交換作業料2,000円、冬タイヤから夏タイヤへの交換作業料も2,000円とすると、75台分以上のタイヤを預かれば収支はあう計算になります。

さらに、その75台のうち、新品タイヤへの交換に結び付けることができれば、もっと少ない保管量でも収支は合うことになります。

ガソリンスタンドで冬用タイヤ交換をきっかけに利益を上げるには、顧客の利便性を第一に考えるとともに、win-winの取引を検討する必要があると考えますがいかがでしょうか。

ロードサイド店の繁盛視点
三上康一

ロードサイド店の繁盛経営コンサルタント

株式会社ロードサイド経営研究所代表取締役

三上康一

執筆者のWebサイトはこちら https://roadside.co.jp/

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