2015提言19 新商品開発は将来あるべき姿に向かって進めよ(2)

  製造業向けの高付加価値商品開発 座間正信 SPECIAL
座間正信 SPECIAL

製造業向けの高付加価値商品開発コンサルティング

株式会社アイピーアトモス 代表取締役 座間正信

新しい商品開発や新分野進出に挑戦する製造業を対象に、高付加価値商品の開発を指導するコンサルタント。特許とマーケティング、成長戦略を組合せて、新しい視点から世の中にない新商品開発の論理的手法を指導。


ポンペイ遺跡

前回定量的な目標について書きました。一方、定性的な目標とは「将来どのような会社になりたいか」「どういう商品を提供する企業として見られたいか」ということです。

「当社は将来どのような会社になりたいのですか?」と社長によくお聞きするのですが、「よくわからない」という回答が大多数です。あるいは「既存の事業も伸ばして、新規事業も立ち上げて色々やりたい」といったような総花的な回答をされる方もいます。

経営資源が豊富な大企業であれば、様々な事業を立ち上げて展開することも可能なのですが、中堅・中小製造業では色々と手を出すことは無理があります。「選択と集中」という言葉ありますが、成功するためには経営資源を集中させなければなりません。そのために、「何をするか」「どういう会社になるか」を選択する必要があるのです。

さて、定性的目標の設定方法ですが、定性的目標の数値化は困難なので「〜できる」という表現をすると設定しやすくなります。つまり、『当社は「〜ができる」企業である』ということを示すのです。

例えば、「他社では製造できない特殊なネジを開発・製造することができる」「斬新でユニークなデザインの自転車を開発できる」「従来よりも高電圧・高周波に対応できる電気部品を製造できる」などです。そして、できるだけ具体的に、かつ複数設定することで、どういった会社になりたいかが明確となります。

いささか旧聞ですが、昔のホンダは「世界のホンダ」という標語を掲げて「世界中に車やオートバイを販売する会社になる」という目標に向かって邁進しました。そのかいあって、ホンダの車は全世界で売られるようになり、ホンダは世界的な企業へと飛躍できたのです。また、ソフトバンクのように「ネットワーク事業でNo.1」になるという目標を掲げ、次々と企業を買収しながら事業を発展させグローバル企業にのし上がっていった例もあります。

いずれも、「どういう会社になりたいか」ということが明確に設定されており、その目標に向かってまい進することで「将来の目指す姿」を達成していった企業です。

一方、この定性的な目標が曖昧だと何をしたい会社なのかがわからなくなります。消費者は何屋だかわからない会社から商品を購入しないし、ブランド化もできません。

昔、ある板金加工業の会社が新商品開発と称して、業務用の空気清浄機に取り組んだことがあります。既存事業は金属製の棚や物置台などの加工をしていたため、従来品とはかなりかけ離れた商品開発を試みたのです。その結果、商品はできたもののどこにも販売することができず、結局事業は中止に追い込まれました。今までの事業とあまりにもイメージがかけ離れた事業を行うと、顧客から敬遠されてしまい、商品の善し悪しにかかわらず販売することが非常に難しくなるのです。

新商品開発を成功させ、企業を成長させるためには会社の軸を明確に定める必要があります。そのためにも、「将来どういう企業になりたいか」という明確な定性的目標(ビジョン)を定めることが必須となるのです。


【特許活用で新商品開発】高付加価値商品の作り方・売り方・儲け方
座間正信

製造業向けの高付加価値商品開発コンサルティング

株式会社アイピーアトモス代表取締役

座間正信

執筆者のWebサイトはこちら http://www.ipatmos.jp/

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