なぜ新商品開発を行うのか?

  製造業向けの高付加価値商品開発 座間正信 SPECIAL
座間正信 SPECIAL

製造業向けの高付加価値商品開発コンサルティング

株式会社アイピーアトモス 代表取締役 座間正信

新しい商品開発や新分野進出に挑戦する製造業を対象に、高付加価値商品の開発を指導するコンサルタント。特許とマーケティング、成長戦略を組合せて、新しい視点から世の中にない新商品開発の論理的手法を指導。


ピラミッド

新しい商品開発に挑戦している企業は多く見受けます。でも、「なぜ新商品開発を行うのですか?」とお聞きすると色々な理由が帰ってきます。よくあるのが「既存の事業がダメになってきているので新しいことをやろうと思った」というものです。この考え方がダメというわけではないのですが、「やや受身的だな」と感じます。

事業を行う際に必ず留意しておかなければならない事があります。それは、「今やっている事業は何れ斜陽化する」ということです。これはどのような事業でも当てはまる真理とか前提のようなものです。そして、この前提があるため新商品開発を行わない企業は何れ衰退していくのです。以下は実際に経験した事例です。

A社は従業員数40名程度のリサイクルを主業務としている企業です。リサイクル事業とは電線の更新時に廃電線を貰い受け、外側の被覆材(ポリエチレン)を剥がしてリサイクル(再販売)するという事業です。

かつては頻繁に電線の更新が行われたため順調に企業業績を伸ばしてきました。ところが、東北大震災の影響で東京電力の業績悪化に伴い、電線の更新時期が大幅に延長されたため売上が徐々に落ちていきました。その状況に危機感を持った社長は新商品として今までリサイクル販売していたポリエチレン樹脂を板に加工して販売するという新規事業を立ち上げたのです。

その後、新商品は順調に業績を伸ばし昨年度の売上規模も数億円まで到達しました。一方、既存事業の方は廃電線が手に入らなくなり赤字に転落してしまいました。取引先からは「うちを当てにしないでくれ」と言われる始末で、今後既存事業の業績が回復する見込みは極めて低いということです。「もし、新しい事業が立ち上がっていなければ、会社をたたんでいましたよ」とお会いするたびに社長は口にします。

一方、B社は半導体用の製造装置を製造販売している会社でした。従業員は50名程度ですが、売上・利益ともにその装置の分野ではトップクラスの企業です。数年前に「なにか新しい事業を立ち上げたい」と考えて色々と模索をしました。技術系の社員を集めてブレーンストーミングを行ったり、展示会などに出かけて行って新規事業のネタを探したりしました。しかし、本業が忙しくなるに連れやがて新規事業への熱も冷め、新商品開発は取りやめとなりました。

その後、スマホのブームが一段落し、半導体業界も設備投資を控えるようになると急にB社の業績が悪化してきました。社長は色々とつてを頼って支援を求めたのですが、結局他社に身売りするというはめに陥ってしまいました。

単純にA社とB社とを比較すると、新規事業の有無が会社存続の差となるのですが、なぜA社は新商品開発に成功し、B社は成功しなかったのかという問題に行き当たります。実のところ、技術力も資金力も人材もB社のほうが上でした。以降にその理由について考えてみたいと思います。


【特許活用で新商品開発】高付加価値商品の作り方・売り方・儲け方
座間正信

製造業向けの高付加価値商品開発コンサルティング

株式会社アイピーアトモス代表取締役

座間正信

執筆者のWebサイトはこちら http://www.ipatmos.jp/

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