新商品開発に成功した企業の要因

  製造業向けの高付加価値商品開発 座間正信 SPECIAL
座間正信 SPECIAL

製造業向けの高付加価値商品開発コンサルティング

株式会社アイピーアトモス 代表取締役 座間正信

新しい商品開発や新分野進出に挑戦する製造業を対象に、高付加価値商品の開発を指導するコンサルタント。特許とマーケティング、成長戦略を組合せて、新しい視点から世の中にない新商品開発の論理的手法を指導。


吉野ヶ里遺跡

A社はリサイクルを主業務とする会社です。廃棄する電線の外側の被覆材(ポリエチレン)を引き剥がしてペレット化して販売していました。作業自体は簡単なものであり、たいした技術があるわけではありませんでしたがポリエチレンという樹脂を安く手に入れることができる強みが有りました。東北大震災後、電線の更新期間が長くなり原料の廃電線が手に入らなくなるなどの原因で業績が低迷したため新たな商品開発を考えました。

ちょうどその時ある商社からポリエチレンを板状にしたものを作れないかという打診があったのです。A社では加工する技術がなかったのですが、いい外注先(A社の顧客)を知っていたのでそこに加工を依頼して製造・販売を始めました。

最初は引き合いのあった商社だけの取引でしたが、やがて色々とつてを頼って拡販していきました。その際、新しい事業を立ち上げるということもあり、外部から社長の知り合いを呼んで専任で新規事業に当たらせました。結果としてはそれが上手く当たったのです。

当時は売上・利益ともに低迷していると言っても過去の蓄積があったために一人くらい専任で新規事業に当たらせる余裕がありました。また、その担当者も熱心に新規事業に取り組み顧客開拓を行ったのです。必要とあれば北海道から九州まで出張をして様々な顧客や代理店と交渉をしたり、展示会に積極的に出展し商品の知名度を広げていきました。

そのプラスチック製の板の業界は強力なライバルがいましたが、ほぼ独占状態だったこともあり非常に高い値段で商品を販売していました。そこに同等以上の品質の商品を安く供給していったためある程度シェアを取ることに成功したのです。

やがて、色々と活動をしていると様々な方面から引き合いを受けることが多くなっていきました。その多くはあまり上手くいかない話だったのですが、いくつかは大きなビジネスに結びつけることができました。

A社は電線の被覆材を剥ぎ取る技術やポリエチレンをペレット化する技術などはありましたが、それ以外には大して見るべき技術力はありません。技術者もほとんどいないと言っていい状態です。そのため、ちょっと難しい商品開発は行うことができず、幾つかの案件は断念したこともありました。しかし、自社ができることを地道に行っていった結果、売上高を約4年かけて2億円まで伸ばすことに成功したのです。

A社が成功した要因としては、自社の強みであるポリエチレンを安く入手できるという立場を活かして、自社ができる範囲の新商品開発を行ったことと、外部の機会を上手く捉えたことに尽きるでしょう。機会としては小さいものでしたが、それを粘り強く活動することで徐々に大きくしていくことに成功しました。

また企業規模に合わせて、事業を無理なく小さく始めたことや適切な専任者を置いたこと、さらに専任者にある程度権限を持たせて自由に動かしつつ、うまくコントロールができたことなどが大きな成功要因と言えます。


【特許活用で新商品開発】高付加価値商品の作り方・売り方・儲け方
座間正信

製造業向けの高付加価値商品開発コンサルティング

株式会社アイピーアトモス代表取締役

座間正信

執筆者のWebサイトはこちら http://www.ipatmos.jp/

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