第39話 社長の仕事は、カスタマイズすること。

  プラチナ社員づくり 園田信二 SPECIAL

「ソノダさん、現場の管理職にしっかりと役割を発揮して欲しいのです。社内研修で意識付けをすればいいですか?社外の研修プログラムを活用してもいいな、と思っているのですが・・・。」〜要員確保に目処が立ち、この先は管理職にも経営層と同じ視線で、現場をマネジメントして欲しいと考えている、顧問先の社長の言葉です。

社内外を問わず、「○○管理職研修」と銘打った場を通じて、管理職として身につけておいて欲しい、業界・経営情報、基本的なマネジメント理論や心構え、労働基準法などの法律知識などは、付与することができます。

肝要なことは、基礎的な知識を付与した管理職(候補)社員を、その先、無駄な手間とお金を費やさず、確実に、社長の右腕となるような人材に育成することにあります。そのためにはやはり、管理職(候補)社員ごとに、社長自身がカスタマイズした成長支援をしていく必要があるのですよ・・・とお伝えしました。

これは、社内外の研修を軽視するということではなく、それらの研修メニューも、誰に、どのタイミングで受講させるのか、社長自身がカスタマイズするくらいの覚悟が必要であるということなのです。丸投げでいいや、慣例だから・・・では管理職(候補)社員は育成できないのです。

当たり前ですが、管理職(候補)社員だからと言って、リーダーシップやコミュニケーション能力、業務遂行のために必要な専門的スキル、そしてIT、語学、法律知識と言った一般的なスキルに、等しく秀でている訳ではありません。能力の獲得状況や得意分野には自ずと違いがあります。

一方、現場の管理職(候補)に求められる一番大切な役割は、事業発展のために、全員で知恵を出し合える場を”プロデュース”することです。

そして、プロデュースするためには、社長の想いを踏まえて、現場の目標を策定する能力、社長の想いや現場の目標を社員に伝え、社員の夢や目標、経営者に対する本音を引き出し、相互のベクトルを摺り合せるコミュニケーション能力、目標の達成状況や課題を共有しながら、新しい目標や知恵を創出していく能力が求められます。

つまり、管理職(候補)社員の能力の違いを見極めた上で、管理職の大切な役割である、”場のプロデュース”を可能とする能力を獲得できるように、成長支援する必要があるのです。

例えば、ITについては深い造詣があるが、コミュニケーション能力が発揮できていない管理職(候補)社員の場合は、IT活用による業務改善の場を設け、当該社員に論議を促進する役割・機会を与えて、コミュニケーション能力を高められるようにします。

あるいは、人を動かす能力に長けているが、経営ビジョンを正確に咀嚼し、現場社員にわかりやすく伝える能力が発揮できていない管理職(候補)社員の場合は、例えば「経営分析」や「見える化」のための具体的なツールを勉強させます。そうすれば、経営ビジョンを共有する場において、より説得力が増して、現場社員の士気を、これまで以上に高めることができるようになることでしょう。

こうした管理職(候補)社員の力量に合わせたきめ細かな育成は、1〜数年に1回や2回の社内外の研修では、極めて困難なことは、火を見るよりも明らかです。それ故、そうした研修にばかり頼りきっていると、たとえ求められる管理職(候補)像に近づくとしても、”数撃てば当たる”状態になり、逆に、余計な手間と費用を要してしまうのです。

人材不足に悩む中小企業の社長にそんな余裕などあるはずもありません。

管理職(候補)社員を選んだら、個々の能力を見極め、成長支援メニューをカスタマイズし、日常の事業活動の中で、能力獲得のための機会を与え続ける・・・。

このノウハウこそが、経営者と同じ視線で現場をマネジメントできる管理職育成のための、一番スピーディかつ確実で、そのまま事業の発展にもつながる道に他ならないのです。

 


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