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第42話 社長の仕事は ”現場のストレッサーを取り除く” こと。

「ソノダさん、うちの現場は書類も情報もどこに何があるか共有されておらず、何をするにも時間がかかるんですよ。挙句の果てには、業務ミスが多発して、後追い仕事が減らないのです。どうすれば改善できるでしょうか?」顧問先の社長の言葉です。

私からは、「5Sってご存知ですか?整理・整頓・清掃・清潔・しつけの頭文字のSをとって5Sです。現場に書類が氾濫し、机や椅子がホコリをかぶっている状況では改善も何もない。まず身の回りをピカピカにしましょうということです。職場の5Sが徹底されれば、現場の社員たちも、”私たちにもできる”という達成感を実感しやすく、次の改善活動にも積極的に取り組みます。」とお伝えしました。

だから社長、すぐ5Sをやりましょう!・・・という話では終わりません。多くの経営者やマネジメント層に、5Sを実行することで、”本当は、何をやっているのか”を理解していただきたいのです。

ところで、皆さんは、”ストレッサー”という言葉を聞いたことがありますか?ストレッサーとは、”人間にストレスを感じさせるもの”を指します。前述のように、”整理・整頓の癖がないので、必要な書類を探すのに5分も10分もかかりイライラする”といった職場環境もストレッサーになります。”工程通りに物事が進まず、刻々と事態が変化するので不安になる”といった”現場の宿命”もそうでしょう。

ストレッサーは現場のあちらこちらに蔓延しているのです。

経営者やマネジメント層が、こうしたストレッサーに気付かなかったり、気付いていたとしても見て見ぬふりをしていたら、現場に蔓延するストレッサーに社員が晒され続けることになります。そして、ストレッサーに対応しようとして心身のエネルギーを疲憊し、最悪の場合、心身相関の疾病に至る可能性もあるのです。

ましてや、自身の無能力さを覆い隠すために、常日頃から社員をスケープゴードにし、現場への無関心や侮辱を繰り返す経営者やマネジメント層は、それ自体が、もっとも厄介なストレッサーとなり、疾病すらも通り越して、社員の会社に対する憎しみや敵対意識を助長し、労使紛争を誘発することにもなりかねません。

現場の社員の心身の健康が損なわれると、変化し続ける現場において、機動的で最適な決断などできなくなります。いつしか現場全体も活力を失い、会社の利益に貢献しない、その場しのぎの対応しかできなくなれば、事業発展にもダメージとなるのです。

つまり、5Sでやっていることは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけを仕組み化することによって、現場のストレッサーを低減させ、現場社員の心身の健康を保つことに他ならないことを、理解していただきたいのです。

5Sだけでなく、社員・組織マネジメントは、現場のストレッサーを低減させるためにあるといえます。例えば、就業規則や労使協定を整備することも、労働基準監督署から指摘を受けたり、労使紛争に巻き込まれたりしないように・・・という目的もありますが、働き方のルールを共有することで、”不要な残業”や”業務負担の偏り”といったストレッサーを低減させて、社員の心身の健康を保つことにつながるのです。

巷には社員・組織マネジメントのノウハウが氾濫しています。しかし、そうしたノウハウが経営者やマネジメント層の血肉とならず、現場で生かされない状況があるとしたら、それはなぜでしょうか?

”マネジメントって、結局のところ何をしているのか?”が腹に落ちていないからではないか・・・私たちはそう考えています。

経営者やマネジメント層は、社員に心身ともに健康に働いてもらい、変化に強い現場(=プラチナ組織)をつくるために、現場のストレッサーを低減させることが肝要であること、そのために様々な社員・組織マネジメント手法を活用するということを肝に銘じておくべきです。