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親子経営 繁盛と繁栄の秘策 息子がしてはならない7つのこと④

プレゼンテーション1

信義に悖(もと)る

経営者たる者、他人から信頼され信用されることが第一義です。この当たり前のことを分かっていない後継者に出会うと残念であり心配になります。いわゆる頭がいい後継者ほどこれに気づいていないことがあります。

父親に代わり立派に経営をしている後継者みんなが社員や周りの人たちから信頼され、信用されているのかというと一概にそうは言えません。なかには経営手腕は買うけれど人間的にどうも信頼、信用出来ないと言われる後継者がいるものです。

では社員や周りの人たちは後継者の何を見て、後継者のどこを見て信頼、信用出来る出来ないと言っているのでしょうか。それは彼らが後継者の普段の言動を間近で見ての判断の結果であるとしか言えません。

論語の一節、「子曰わく、君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩(さと)る。」とあります。私なりに読み解きますと、「出来た人物は社会正義を重んじ、つまらぬ輩は損得を優先する。」と、なります。

昨今よくある企業不祥事の数々、例えば建設現場における安全より利益を優先したがための手抜き工事、少しでも商品を高く売りたいがための食品の産地偽装など、不正行為を会社が常態として行っているとしたなら、その企業で働く社員の心情は如何なものでしょう。

彼らが自社の経営者を信頼、信用出来るとはとても思えません。いくら会社が利益を上げ社員の待遇が良いとしても、このような不正行為を社員に悪気もなく強いるとしたならその経営者は信義に悖ると言わざる負えないでしょう。

もうひとつ論語から一節、「子日わく、君子、義以て質と為し、礼以て之を行い、孫以て之を出し、信以て之を成す。君子なる哉。」

これも私なりに読み解きますと、「よく出来た人物は社会正義を己の本分として、礼節をもって社会正義を行い、辞を低くしながら社会正義を口にし、誠心誠意をもって社会正義を貫く。まことに大したものだ。」となりましょうか。

人それぞれ価値観には違いがあるものです。また価値観にはいろいろなものがあります。社会観、人間観、人生観、幸福感、仕事観、労働観、恋愛観、経営観などなど本当にいろんな価値観があるものです。

なかでも人間としてどうしても譲れない最も重要な価値観というのがあります。それは「正義観」という価値観に他なりません。ここで私がいうのは一般に使われる正義感という言葉ではなく価値観としての「正義観」です。

世の中の善悪の判断が曖昧であり渾然一体としたものであることは否定いたしません。また善悪が表裏一体であり善が悪であり悪が善であることもまた承知のうえで話しています。

この世の中がそのような曖昧模糊とした世界であるからこそ、私たちは自分の立ち位置を確たるものとするため、右往左往することなく自分の進む道を選択するため己の本分としての価値観を持つ必要があります。

その他のいろいろな価値観は人それぞれで違って当然のことですし互いに違いを認め合うことも必要なことです。ただ私がここでいう「正義観」という価値観だけは人として不偏であって欲しいと思うところです。

企業の経営者、後継者が人として「正義」を己の本分として経営活動を行うならば社員や周りの人たちの共感と感動を得、取引先や顧客から信頼と信用を得ることは間違いのないことと確信します。