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成長するチェーンと停滞チェーンの違いは?

  個店力最大化 伊藤稔 SPECIAL
伊藤稔 SPECIAL

個店力最大化コンサルティング

株式会社 レイブンコンサルティング 代表取締役 伊藤稔

儲かるチェーン店をつくっていくには、時代はいま、「画一化」から「個店力最大化」へと変わっている! 多店舗展開するスケールメリットと、一店一店の魅力を強くして収益力を圧倒的に強くしていく実務とは…。

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「チェーンストアの人時生産性ってどれぐらいなのでしょうか?」とあるチェーンストアの経営者からの質問です。

公表数値を出しているところはありませんので比較は難しいのですが、9千店舗が加盟している日本チェーストア協会HPの売上を頭数で割ってみればある程度わかります。

これによると、2015年度の一人あたり年間売上は29百万円で、2005年の32百万円から、10年掛けて10%悪化したことになります。

反対に、前職の西友が最も苦しかった10年前で一人あたり売上高は29百万でその後、35百万まで回復し黒字化したと記憶しております。

今、日本のチェーンストア業界のおかれている状況から回復までを先駆けて体験できた稀有な運に、驚いています。

これには、同一労働、同一賃金問題が大きく絡んできます、同じ仕事ならば、同水準の賃金が支払われるべきだ。という考えを早期から取り組んでいたことにあります。

前職時代に、親会社の米国ウォルマートの店舗を訪れた時、店長は、品出しやレジに入ることは全くなくて、いつも決まった時間に出社し、決まった時間に退社する。というものでした。

たとえ、品出しが間に合っていなくても、品切れしていても、お構い無しです。

夏休みは、2週間とるし、一体どんな仕事のやり方をしているのか?これがアメリカ流なのか?当時は全く理解できなかったのです。

一方で、当時の西友の店長はというと、レジが込み合えば入りますし、売場の品出しが遅れていれば手伝うし、早朝から夜までこまねずみのように 動き回るのが普通でありました。

何と言っても事業部長がそういう路線で出世した人たちでしたので、そうしないと怒られてしまうからです。

そもそも、店長とパートさんは職制が違うのに、品出しをすること是としていたことが、経営を悪化させた。原因ともいえます。

店長は、全体の作業スケジュールを見ながら、人員の過不足を調整し、収益を上げるための採用や教育をしてくのが仕事ですが、一日の半分以上、品出しやレジに入るようでは、何も改善することはできないわけです。

こういったことを是正するために、人事制度を刷新し、社員への登用も他社に先駆けて実施しました。

ところが、そんな管理職の姿を見て「ただでさえ作業量の多いのに、管理職の仕事までおしつけられて、朝から夜中まで働く社員などには、なりたくない」といって社員推薦をしても本人が辞退してしまい、この制度は中々浸透しなかったのです。

一番の問題は、「自分が専門の部門から上位職についたとき、専門外の仕事の中身が分からない」ことへの不安でした。

そこで店舗運営では これらの解決のために、全ての業務を一旦洗い出して、「業務項目に分けて作業指示書が作れる」ことを マネジャーの必須業務としました。

これにより、自分がやったことのない業務でも、担当者と話をするタイミングがつかめるようになり、仕組みが動き出し、今では、200人以上のパートアルバイト採用から、本社員への登用がされています。

こういう過程を経て店長になる人材が増えてきますと、ムダが少なくなり、少ない人員で店舗は運営できるようになってきます。

そして、さらには年次有給休暇の消化率が高まり、従業員の企業貢献度は上昇していったのです。

面白いことに、ムダな作業ばかりする人は、職制を問わず、自然に淘汰されるようになり、結果的に必要作業に必要な人材が、残る仕組みが出来上がっていったというわけです。

ムダが当たり前であった慣習から、業務を明確にする習慣を身につける。

これを繰り返し進めたことが同一労働、同一賃金を定着させ、一人あたり売上高を上げるきっかけとなったといえます。

この制度の難点は、5年目で、皆が気づき始め、10年で結果が変わったということでして、定着には時間がかかるということです。

さあ、輝かしい未来に向け、新しい習慣づくりを あなたの会社でも 今すぐ動き始めてみてください。


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【儲かるチェーン店】 個店力を最大化させて収益を伸ばす経営視点
伊藤稔

個店力最大化コンサルティング

株式会社 レイブンコンサルティング代表取締役

伊藤稔

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