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第25話 社長の”無関心”が労使紛争を引き起こす本当の理由

  プラチナ社員づくり 園田信二 SPECIAL
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「ソノダさん、この工程表だって所詮は先月のコピペでしょ。うちのスタッフは頭を使わない仕事しかやらないんですよ。もっと真剣に働いて欲しいんですけどね・・・」

社員50名ほどの顧問先の社長の言葉です。毎月毎月、管理職がコンサルティング会議に提出した月次工程表を手に、私に愚痴をこぼすのです。

もし、工程表が先月のコピペ同然で、事前の社長チェックが全く入っていないまま会議に提出されたとすれば、社長自身が、今月の目標や重点課題について言語化していないということであり、「経営者として、真剣に仕事をしていないのは、何を隠そう、この私でございます!」と白状しているようなものです。

管理職に限らず社員に、コピペでない実のある工程表を期待するのならば、社長と社員とで、先月1か月の仕事を振り返って

  1. 「こんな失敗があった・・・」「こうすればもっと成果が出せそうだが・・・」という具合に、お互いの経験や知恵の共有を行い
  2. 今月の目標や重点課題を、社員の誰もが理解できるように言語化した上で
  3. 工程表という雛形を使って、社内に浸透させるための文章や図表にする

    というプロセスがどうしても必要になります。

このプロセスに対して社長が無関心なために、社員は経験や知恵を反映した工程表が作れないだけでなく、この先、本当に、社長や会社のために真剣に働かなくなるでしょう。そう断言できる理由は、次の言葉にあります。

それは・・・”卑小感”です。

”コピペ同然”としか評価しない工程表について、自らは全く関与しようとしない社長の態度は、たとえ悪意がなかったとしても、社員に次のような侮辱的なメッセージを発信してしまいます。

お前の仕事は大切な仕事じゃない。

どうでもいい仕事しかできないお前は、会社にとって大切な存在でない。

お前の代わりは、いつでも、どこにでもいる。

社長が明らかな暴言を吐いたり、屈辱的な態度をとらなかったとしても、”無関心な社長”の言動自体が、「自分自身がやっている仕事、ひいては自分自身は、社長にとっては取るに足らないつまらないのだ・・・」という”卑小感”を、社員に抱かせてしまうでしょう。

卑小感を抱いた社員は、「社長、もっと関心を持ってください!」なんて声にはしません。”経営者と従業員”という上下関係がそうさせてしまうのです。そして、「どうでもいい仕事なんだったら、辞めさせられない程度に、適当にやろう・・・」と、保身に走らてしまうのです。

こんな時、もし、経営者に敵意を抱く労働組合が組織されている会社であれば、社員は、”経営者と従業員”という枠組みを軽々と飛び越えて、”社長を懲らしめる闘争”に手を貸すことになるでしょう。たとえ、社内労組がなくても、こうした社員が窮状を訴えることができる社外組織が数多あることは、ご存知の通りです。中小企業だからといって、安心していられないのです。

「毎月毎月、同じような工程表を作ってつまらないな、馬鹿な管理職だな・・・」と思うのか、「私の無関心さが、侮辱的な態度と取られ、労使紛争につながるかもしれない・・・」と思うのか。

皆さんの危機感はどのレベルですか?

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