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衰退組織は 中途社員をダメにし紹介料を払い続ける 成長組織は 中途社員を活用し高いリターンを得る

  組織の成長加速 木村英一 SPECIAL
木村英一 SPECIAL

組織の成長加速コンサルタント

株式会社グロースサポート 代表取締役 木村英一

組織の成長加速を促し、業績躍進を実現させる辣腕コンサルタント。これまで130社以上の企業において、経営者のコンサルティング、経営幹部、経営リーダーの育成に携わる。組織とリーダーの成長段階を知り尽くし、経営者と同じ目線で語ることのできる希有なコンサルタントとして活躍中。

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「なかなか中途採用の社員が定着しなくてねぇ」とボソリとつぶやいたF社長。「懇意にしている紹介会社の社長からも、『いい加減にしてくださいよ。』と言われちゃった!」と照れ隠しのためか、後頭部をピシャピシャと叩きながら苦笑い。

教育する必要がないからすぐに成果を出してくれる、即戦力。それが中途採用の社員。人材紹介会社のうたい文句です。

ところが、採用した企業から「いやぁ、即戦力がすごい活躍してますよ!」なんてお話はまずありません。逆に、「面談の時はあんな風じゃなかったのだけど。」「これまでやってきたって話と余りに違うのだけど」等など。

時々「木村先生、すんごい人が入社しますよ!」と喜び勇んだ声を聞きます。でもそれは、入社前までの話。実際に入社すると「すんごい人」が、悪い意味での「想定外の人」に変わってきます

でも、この「想定外」の発生確率は、驚くほど高い。そして、しばらくすると、「あの人辞めました!」ということになる。

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中途採用の試用期間は、大概どの企業でも3ヶ月。

試用期間の3ヶ月というのは、紹介会社との契約上の3ヶ月であったり、入社規定上の3ヶ月であったりと、様々な規定上の3ヶ月でもありますが、それ以上に大きな意味を持つものがあります。それは、期待値の正味期限が3ヶ月ということ

採用企業側では、この時期は上級職が知る暗黙知ですが、採用される側は、この期間の意味をよく理解していません。

両者の考え方がズレています。ですから、その事実の構造上、両者満足になり得ないのです。今日もあちらこちらの企業で、この期待値の正味期限が切れて、「あの人、使えない」「あの人、評判ほどじゃない」「あの人、まるでダメ」等々、辛辣な評価が下されています。

中途採用を実施する企業は、疲弊し。転職した本人も疲弊し、得するのは、人材紹介企業だけとなります。


少し前に社会問題となった外国人看護士の受け入れが新聞を賑わせたことがあります。外国人看護士とは、すでに母国で看護士の免許を持っている人も、日本に来て看護士として働くことはできません。看護技術はあるものの、言葉の問題があるため、日本語の習得が必須となります。そして、日本の看護士免許の取得が必要とされています。

中途社員の採用に起こることは、この外国人看護士の受け入れ時に起こる問題ととても似ています。確かに技能はある。だけど、そのままでは医療現場ですぐに働けない外国人看護士同様、中途採用者も、そのままでは、活躍できないのです。

「いやいや、木村さん、言葉の問題はないですよ。同じ日本人ですから」そういう反論があるでしょう。でも、その考えは短絡的というものです。

組織文化が人にもたらす影響は、想像以上に大きい。まさに、国の文化が人に与える影響と一緒です。そして文化の違いは、言葉の違いに現れます。言葉の違いは理解の違いを生み出します。そして理解の違いは、行動の違いを生み出します

文化というと少々議論が抽象的に見えますが、違う組織の中で、社会人として歩んだ人同士が出会うと、異なる企業文化を体験した人達の違いがぶつかり合うことになるのです。


中途社員の採用で、「即戦力」という言葉が大きな誤解を生んでいます。即戦力というのはいつも条件付きなのにいつのまにかこの条件がどこかに消え去り、無条件で即戦力を期待してしまうのです。

ところが、先ほど説明したように、文化の違いを克服することが、中途採用の社員が成功するための条件です。中途社員を浸かって業績を伸ばしているところは、文化の違いの克服にお金と時間をかけています。


企業のステージ、企業規模によっても、何をどこまでやれるかは変わってきますが、これまで支援した企業の中途採用の即戦力化、定着化の取組の例をお伝えしましょう。

ある企業は、中途社員向けの特別なオリエンテーションプログラムを持っています。3ヶ月かけてみっちり自社の内容を理解してもらうように役割に応じた業務に関連した知識教育、業務システムの使い方の実習、店舗のいくつかの職種の業務のローテーション実習等々。

最初からこの形式だったわけではなく、徐々にブラッシュアップしてこの形式に近づけました。例えば、現場研修。導入当時は社内では、意見が真っ二つに割れたものでした。しかし、この現場研修をいれてからは、定着率が30%も改善したのです。

急拡大を支えるために、中途社員の採用活動を拡大したものの、定着率が低いために、拡大戦略を進める上で、育成が進まないことが最大の課題になっていました。

急がば回れ。まさにこの言葉通り、当初1日だった研修期間が最終的に3ヶ月になりました。しかし、定着率の向上はめざましいものがありました。まさに、業界トップレベルの成長を支えるカギになっているのが、このオリエンテーションです。

またある企業は、短期合宿を行います。そこで、同じ釜の飯を食い、急速にインフォーマルな社内ネットワークの構築も行い、お互いの違いを知り、お互いの共通点も作っていくことを短期間で行います。

もちろん、教育だけでこの問題を解決しようとすると、新卒の教育ほどのではないにせよ、相応のコストと時間が掛かります。そのコストと時間を短縮するために、中途採用時に明確な基準を設けてうまくっている企業があります。

ある企業は、「理念への共感」を中途社員の際の絶対基準にしています。「理念への共感」が出来ない場合は、どんなにスキルが高くても、採用不可とすることを役員、幹部に徹底しています。

またある企業は、採用の絶対基準を「変化対応性」に求めています。これは、外部から判断しづらいことではありますが、これもまた数年かけた結果、定着率に大きな違いをもたらしました。


さて、御社の中途採用の仕組みはどうなっていますでしょうか?

申しあげたように、中途採用の社員はあくまで条件付きの即戦力だとしたら、御社は、その条件をどのようにクリアしているでしょうか?

もし、何も策がないとしたら、紹介料、採用費用倒れの中途社員の採用がこれからも続く可能性が高いのです。どのようにして、条件を乗り越えるよう仕組みの導入に取りかかりますか?

 

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経営者のための、「組織の成長加速法」
木村英一

組織の成長加速コンサルタント

株式会社グロースサポート代表取締役

木村英一

執筆者のWebサイトはこちら https://www.change-growth.jp/

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