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社長の「情報発信」は唯一無二のものですか?―追求すべきは「専門性」に裏打ちされた「独自性」―

  地方メディアの高度有効活用 海江田 博士 SPECIAL
海江田 博士 SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション 代表取締役 海江田 博士

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

当コンサルタント開催セミナーがあります。

私のコンサルティングの師匠であるGさんによく言われることですが、

「いいですか?私たちが提供しようとしているコンサルティングは、世の中にあってもなくてもいいものなんですからね。コンサルタントである私が明日死んでも別に誰も困るわけじゃない。我々はそれくらい独自性の強い難しいものを売っていかなくちゃならないんだ、ってことを忘れないで下さいよ。」

まあ、師匠であるGさんがこの世からいなくなったら私は結構困りますが、極端な表現をすればGさんの言う通りなのでしょう。

独自性を重んじるコンサルティングは、唯一無二である代わりにこの世界でジャストフィットする対象者もかなり限られる、というわけです。

一方私は、税理士という仕事もしています。

この税の専門家が世の中からいなくなったら結構困ることになります。

税制の複雑さは極まっていますので、日本は自己申告制度とはいえ、中小零細企業まで含めた日本中のすべての経営者が、自らの責任で正確な税務申告することはほぼ不可能でしょう。

世の中から税理士が消えてしまったらおそらくかなり大混乱になると思います。

ただその代わり、日本に税理士は7万数千名いますので、仮に税理士が一人いなくなったところで代わりはいくらでもいるわけです。

ここにコンサルタントと税理士の明確な違いがあります。

つまり、独自性を売り物にするコンサルタントは唯一無二の存在ではあるが、いなかったとしても世の中に与える影響は極めて限定的なものに過ぎない。これに対して、税理士という税の専門家がこの世からいなくなったらかなり困ったことになる。しかし、自社を担当する税理士がいなくなったとしても、同様の専門的なノウハウを提供できる税理士はいくらでもいるので代わりを探すことは可能である。

専門性を売り物にするという意味では、コンサルタントも税理士も似たような立場ですが、両者の在り様は極端に違います。これはいったいどこから来るのでしょうか。それはなんといっても、制度に裏打ちされているか否かによるのです。

日本の場合、税務申告は、憲法にも定められた極めて厳粛な制度として根付いています。納税は国民に課せられた強い義務の一つなのです。にもかかわらず、税制は複雑さを極めているために、素人、特に中小零細企業の経営者にとって自主申告制度というのはかなり荷が重い義務といえましょう。

つまり、税理士の持っている専門性というのは、国家資格に裏付けされた税務申告という制度を支えるためのいわばセーフティーネットの役割を果たしているのです。

この小難しい税務申告のために、サポート役として税理士という税の専門家が全国津々浦々に存在しているわけです。

一方、独自性を売り物にするコンサルタントが提供する専門性は、別に制度的に要求されているものではありません。当たり前の話ですが、そのコンサルティングを受けても受けなくても誰にも咎められることはないのです。

ただし、そのコンサルティングが我が社の問題解決にジャストフィットした場合、その効果は計り知れないものになります。

つまり、独自性の強いコンサルティングはその希少性ゆえに価値があるのですが、出会いのチャンスを見つけるのが極めて難しいという特徴を持っている、といえましょう。

さて、私は、税理士として20名の職員を抱えながら税務の専門性を顧客に提供しているという立場と、日本でおそらく唯一の「経営者による情報発信戦略の構築」のコンサルタントという立場の二刀流を実践しているわけです。

そのために、ここまで述べてきましたような、両者の際立った違いも自ら認識できる立場にいるのです。

さて、そういった二刀流の立場から、「経営者による情報発信戦略」というものを考えた場合、それはいったいどうあるべきなのでしょうか。税理士のように一般的に認知されている専門知識の深さを提供すべきなのか、コンサルタントのように唯一無二の独自性を標榜すべきなのか、どちらがいいのでしょうか? これは結構難しいテーマです。業種によっても事情が違いますし、置かれている立場によっても考え方はいろいろでしょう。

ただ、はっきりしているのは、いずれにしても自らの専門性を伝えていく、ということです。

社長が自分の所属している業種、業界の専門性を伝えないでは、「情報発信」の意味がありません。ご自分の専門性に裏打ちされた情報を発信するからこそ、それは意味のあるものであり、多くの人の興味を引くのです。

とはいえ、そこに限って言えば、ほかの同業者の発信する内容とそれほど違いがない、ということにもなるでしょう。ただの専門性の紹介だけであれば、誰が書いても似たようなものになるからです。例えば、私のブログやコラムを「税務」という専門性に狭く特化したとしたら、そんなに独自性の強い内容は盛り込めません。つまり、税理士であれば誰が書いても似たようなものになる、という可能性は大きいのです。

ということは、社長の「情報発信」は、専門性をきちんと担保しながら、独自性も盛り込まなければ興味深いものにはならない、という難しさが問われることになります。

おそらくこのレベルの「情報発信」は、簡単に手に入るものではないでしょう。

「税理士的な専門性とコンサルタントの独自性を合わせ持った経営者による高度情報発信戦略」という高いハードルを実現するためには、なんといっても継続的に「情報発信」を続ける、ということが必要です。そうやって「情報発信」に慣れなければその世界には到達できないからです。

結構大変なチャレンジだとは思いますが、他の追従を許さないであろうこの課題、是非向き合ってみてください。

 

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企業の盛衰を決める社長のためのメディア戦略
海江田 博士

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション代表取締役

海江田 博士

執筆者のWebサイトはこちら http://mc-kaieda.com/

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