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後継社長が考えるべき○○問題

SPECIAL

ダイヤモンド財務コンサルタント

ユメリアコンサルティング株式会社

代表取締役 

次世代経営者専門の財務コンサルティング機関。同族会社のオーナー社長・二代目社長に対して、経営基盤を頑強なものにする、「ダイヤモンド財務」の築き方を指導。

当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関ですので、全国各地より経営に前向きな社長さん方がご相談にお見えになられます。2代目社長・3代目社長さんのご来社が多いのですが、中には、創業社長や4代目社長・5代目社長…といった方もいらっしゃいます。どのような立場であれ、将来に向かって盤石な経営状態を目指している…という事実に変わりありません。

当たり前のことではありますが、 会社の場合は、事業が永続する限り何年でも永続していきます。一方で、人間の体には寿命があります。ですから、どんなに元気で仕事が大好きであっても、いずれ、必ずバトンタッチをする時期がやってくる…それが、現実です。

上場会社の社長交代のように、アッサリ交代できたらいいのですが、同族会社の場合はそうはいきません。なぜなら、同族会社の場合は「経営」のバトンタッチだけでなく「財産」の承継という一般には見えないハードルも存在するからです。

同族会社の場合は、個人と法人が複雑に絡み合っています。そのため「財産」の承継に関しては、少し専門的な知識も必要になってくるのです。 難しい話や、ややこしい話は、誰しも避けて通りたいものですし、ましてや、自分自身の「死後の世界」を連想させる相続の話については、できる限り考えたくない、まだまだ自分は現役だ…そう考えたい気持ちもわからないこともありません。ですが、それを放置しておくとどうなることか…ということです。

先送りをすればするほど、目に見えない「争族」の火種が粛々と大きくなっていきます。特に、同族会社のオーナー一族の中でも「兄弟(姉妹)仲があまり良くない」「想定相続人の中に血縁関係のない人がいる」「想定相続人の中に、ちょっと困った人がいる」場合には、正しい手順に沿って、しかるべき打ち手を打っておかないと、後々取り返しのつかない事態を引き起こす可能性があることを、社長は知っておかなければなりません。

金銭トラブルというのは、金額の多寡に関係なく生じますし、何よりツライのが、無駄な精神的なストレスです。一度でもモメると、ほぼ、一生、人間関係の修復は不可能と言っても過言ではありません。だからこそ、安定的な事業継続のためにも、家庭内の平和のためにも、相続対策は早すぎるぐらいで丁度良いのです。

誤解を恐れずに申し上げるなら、同族会社のオーナー一族の場合は、他の一般的な家庭に比べて「争族」のリスクが高いのです。その理由は、同族会社のオーナー一族の財産構成に起因しています。同族会社の場合、過去からの内部留保がある自社株式は高額になりがちですし、事業用に使っている不動産なども存在します。

事業に直接関連しない資産、例えば、現金や普通預金、株式や投資信託などであれば、後継社長以外の想定相続人に承継することも可能ですが、事業に直接関連するような「不動産」や「自社株式」は、後継社長が承継せざるを得ません。一方で「不動産」や「自社株式」は市場で売るわけにもいかず、後継社長が経営の舵取りを円滑に行うために保有するだけなのにも関わらず、皮肉なことに相続税評価額が高くなってしまう傾向にあるのです。

そして、多くの場合、後継社長以外の想定相続人は、事業に関連しない相続財産を承継することになるため、中には、相続財産の配分が不公平だ…と異議を唱える関係者が出てきてしまうのです。そうならないうちに、先代経営者がお元気なうちに争族の火種を消しておくことが最も重要なのです。

社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。もっといえば、会社の未来を創ることです。

ダイヤモンド財務®コンサルタント
 舘野 愛

 

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