オンラインで優れたコンサルティングを活用する!

情報開示すべき時

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

ある小売業社長のお話です。その会社に最近、とある国内の信用調査会社から連絡があったそうです。何でも社長の会社の調査依頼が来たとか…。調査会社からの連絡は創業して初めてです。当然社長はかなり怪しみました。しかも、連絡してきた担当者に依頼主が誰か聞いても教えてもらえません。どうやら担当者自身も依頼主は知らされていないようです。

社長は対応に困りました。そもそも調査会社自体も怪しい。依頼主もわからない。情報開示はやぶさかではないが、すべてが不明瞭な中で自社にとって何のメリットがあるのか‥。加えて、担当者が不慣れで、やりとりも何となく不安を覚える‥。

結局、社長は怪しく思いつつも調査会社に出向いて情報を開示しました。依頼主はわかりませんが、何らかの理由があって調査を依頼したはずです。そしてよくよく考えてみれば、社長には思い当たる節がありました。ある商業施設への新規出店を控えていたのです。確たる証拠はありませんが、他に理由は見当たりません。「おそらくは‥」ともやもやした思いを残しながら、資料を用意し、面談にて現状の説明を行ったとのこと。

さて、皆さんの会社では信用調査会社からの調査を受けたことはありますか? 調査を依頼するのは老舗の大手企業、あるいは金融機関が多いと聞きます。特にこれら企業の新規取引時には、調査会社の信用調査報告書を取得することが社内の稟議プロセスに組み込まれている場合が多いのです。

調査会社に情報を開示しなかったからと言って、即取引ができなくなることはないでしょう。しかし、取引先からすれば、中身が見えない会社との取引はリスクが大きくなるのも事実です。いずれ取引が停止される可能性もあります。

仮に皆さんの会社に調査会社から連絡があった場合、「心当たり」があれば、差し支えない範囲で情報が開示したほうが良いと私は考えています。心当たりがあって開示を拒否した場合、「業績が悪いのではないか」「何か隠しているのではないか」と痛くもない腹を探られ、信用を落とし、結果として取引を失う恐れがあるからです。

何でもかんでも開示する必要はありませんが、今の時代、ある程度の透明性は中小企業でも必要です。こちらが開示しなくても、いずれ情報は内部から漏れだします(特に悪い情報は)。しかも歪んだ情報として世間にばらまかれ、会社に大ダメージを与えることにもなりかねません。

会社経営において、何もやましいことがなければ(あっても)、できる限りの情報開示はすべきでしょう。その方が信用、信頼度は増し、誤った情報が流れるリスクもなくなります。もし信用調査依頼に心当たりがあり、その企業との継続した関係を持ちたい場合には、情報開示の「きっかけ」として活用するいい機会かもしれません。ただし、くれぐれも詐欺や強引な営業には気をつけて対応してください。

 

コラムの更新をお知らせします!

コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。