潰れない会社が実践する資産形成の考え方
2代目社長にとって、資産形成は単なる個人のお金の問題ではなく、同族社長の重要な仕事の1つです。
もちろん、創業して間もない時や、会社にしっかりとお金が残る仕組みができるまでは、会社経営が最優先です。
しかし、経営がある程度安定したならば、社長個人の資産形成にもなるべく早く取り組むことが重要です。
なぜなら、これから先、会社の経営状況が一気に悪化することがあったとしても、社長個人がしっかりと資産形成できていれば、会社はもちろん、家族、社員や社員の家族を守れるからです。
コロナや物価高のように、自分ではどうしようもできないことで会社の経営が傾いたとしても、会社をなんとかできるのは、社長であるあなたしかいません。
社長個人での資産形成ができていれば、役員報酬を減額したり、もしくは社長が会社にお金を貸し付けたりするなど、自助努力で会社を守る選択肢が出てきます。
一方で、社長個人の資産が全く無ければ、会社の苦しい局面において、銀行融資や国の制度に頼るしか方法がありません。
だからこそ、会社経営が安定したその先は、早めに社長個人の資産形成に取り組むことが、結果として会社経営の安定につながっていくのです。
では、同族社長はどのような投資で資産形成を行えばいいのでしょうか。本やネットで紹介されている「一般的な投資戦略」とは、根本的に異なります。
「一般的な投資戦略」の対象は、サラリーマンです。サラリーマンの資産形成のゴールは、老後の貯蓄や早期リタイアなど、いかに働かない状態を作るか、というもの。
一方で、社長の資産形成のゴールは、スムーズな事業承継や、会社経営に万が一のことがあったとしても、揺るがない磐石な状態を築くこと。
ですから、投資を行う前に財務中心の会社づくりに取り組み、適正な役員報酬を受け取った上で、個人の資産形成を本格的に開始するべきです。
投資の種類を正しく理解することも重要です。投資には大きく分けて2つの種類があることをご存知でしょうか?
わかりやすく説明すると、「誰かが得をすれば、誰かが損をする投資」と「みんなで一緒に利益を得られる投資」があります。
「誰かが得をすれば、誰かが損をする投資」は、FXや暗号資産などです。これらは「ゼロサム投資」と呼ばれ、Aさんが100万円儲けたら、必ずBさんが100万円損をしており、全体で見るとプラスマイナスゼロになります。
一方で、株式や投資信託は「みんなで一緒に利益を得られる投資」です。これは、「プラスサム投資」と呼ばれ、世界経済の成長や投資先企業の成長によって、投資家全員が利益を得られる仕組みです。
社長の資産形成で最も重要なことは、投資の種類をしっかりと理解したうえで、「本業に支障をきたさない」こと。さらに、「正しい資産形成の知識」を学ぶことにエネルギーを費やすことが、同族社長個人の資産形成を成功させるポイントです。
具体的には、どのような投資が社長に適しているのか、なぜその手法が良いのか、どんなリスクがあるのかといった判断基準を身につけることです。
すべてを自分で行う必要はありませんが、信頼できる専門家を選ぶためには、最低限の知識は不可欠です。
なぜなら、資産形成の営業マンは自社の商品を売ることが目的であり、社長の会社経営を第一に考えているわけではありません。
また、同族社長は次世代への承継も視野に入れなければなりません。そのためには、会社の成長とともに個人の資産も着実に積み上げていく必要があります。
正しい知識を身につけ、信頼できる専門家に任せることで、本業に集中しながら着実な資産形成が実現できるのです。
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