【採用に効く空気設計】「この会社、なんか感じがいい」を情報で創る──『情報局』が生む共感採用の4ステップ

 

【採用に効く空気設計】「この会社、なんか感じがいい」を情報で創る──『情報局』が生む共感採用の4ステップ

こんにちは。企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。

透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた経営で、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながるのです。

「人が集まる会社」と「集まらない会社」の差は、求人条件ではありません。それを分けるのは、その企業に漂う“空気感”です。業績に直結する空気感を、意図的に設計し、運用する経営の仕組みを活かした経営をすると、社員同士の信頼、顧客との絆、ブランドの世界観──こうした見えない価値が企業の本質を形づくります。

そして今、採用市場においてもこの「空気感」が企業の競争力の源泉となっています。求人広告の文言や待遇よりも、「この会社、なんか感じがいい」。その“なんか”に惹かれて、応募者は動きます。

では、その“なんか”をどうやって設計するのか──。

鍵を握るのが、社内外の情報を戦略的に扱う専門組織、『情報局』の存在です。これは、透明資産を形成する５つの構造の１つであり、透明資産経営で大切な仕組となります。今日は、この「情報局」がどのようにして“感じのいい会社”を創り上げ、共感から応募へと導く「情報環流」の仕組みを4つのステップで解説します。

＜ステップ①＞「社員の日常」が最強の空気発信源になる

採用広報で大切なのは、スペックではなく“生活感”です。「どんな仕事をするのか」より、「どんな気持ちで働いているのか」。給与や待遇より、「仲間とどんな空気を育てているか」。現代の求職者は、企業の“内側の空気”に強く反応します。情報局は、社員の何気ない日常にこそ、企業の魅力が宿っていると捉えます。

• 新入社員が初プレゼンを終えた後のホッとした笑顔
• 上司が若手の相談に耳を傾ける姿
• プロジェクトチームの打ち合わせに漂う一体感

こうした場面を丁寧に拾い、記事や動画、SNS投稿として社内外に発信する。すると、その空気が環流し、社員自身も「この会社、悪くないな」と再認識し、同時に社外の人は「こんな雰囲気の中で働いてみたい」と自然に引き寄せられていきます。この「空気の可視化と循環」が、情報局の第一の使命となります。

＜ステップ②＞「失敗と再起」こそが会社の人間味を伝える

透明資産経営は、成功だけでブランドを創ろうとはしません。むしろ、失敗や挫折から何を学んだか。どのように仲間と立て直したか──。こうした「人間味」が、求職者の共感を呼びます。心理学でも、脆弱性の開示は信頼形成の要とされています。情報局は、以下のような視点でネタを掘り起こします。

• クレーム対応の裏側で、チームが団結した瞬間
• 売上不振からのV字回復を支えた裏方の努力
• 失敗をきっかけに社内制度が改善されたプロセス

これらのリアルなストーリーが、「この会社なら自分も安心してチャレンジできる」と感じさせる“温度”を伝えるのです。「完璧な企業」ではなく「成長している企業」。その姿勢こそ、透明資産の空気が持つ引力なのです。


＜ステップ③＞「未来の物語」に自分の居場所を感じさせる

求職者は、「今の会社」よりも「これからの会社」に惹かれます。情報局のネタづくりで欠かせないのが、「未来を語ること」。

• どんな社会課題を解決しようとしているのか
• どんな新規事業に挑んでいるのか
• その中で社員がどんな想いで関わっているのか

たとえば、「自分たちの技術で高齢者の生活を変えたい」と語る若手社員の姿。「この挑戦は10年越しの夢だった」と語るベテランの言葉。こうした“未来とビジョン”が交差する物語は、「自分もその一員になりたい」という共感を生み出します。“この会社の未来に、自分の物語を重ねられるか？”求職者は、無意識にそれを見ています。

＜ステップ④＞「見える会社」から「語れる会社」へ

情報局の最終目的は、「会社を語れる社員」を育てることです。社内で発信されるコンテンツを社員自身が見て、「ああ、うちっていい会社かも」と誇りを持てるようになる。その自覚が、外部への自然なクチコミや推薦へとつながります。さらに、情報局は「語れる会社づくり」のために以下を仕掛けます：

• 若手社員によるSNSリレー発信
• 社員×内定者のクロストーク記事
• OB・OGインタビューで社風の“継続性”を可視化

こうして生まれる“透明資産の語り部”が、採用の最大の推進力となっていきます。採用は、空気のデザインで差がつく時代へもはや求人倍率や待遇条件だけでは、人は動きません。必要なのは、「感じがいい」を可視化・循環させる空気のデザイン。そのための司令塔が「情報局」であり、透明資産経営の要です。情報をコンテンツに変え、コンテンツを空気に変え、空気を引力に変える。そのサイクルを回す企業だけが、採用市場で真に選ばれる存在になります。

 

さて、

「空気感で選ばれる会社」。

あなたの会社は、その設計ができていますか？

――勝田耕司