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プル型営業とプッシュ型営業、どっちが良いでしょう…?

SPECIAL

ブランディング営業体制コンサルタント

H&Cブランディングマネジメント株式会社

代表取締役 

中小企業のための、「ブランディング営業体制」を構築するコンサルタント。営業スタッフのみならず、全社をあげて、企業価値をしっかり守り、価格競争をせずに確実に売れていく体制づくりを指導する。

20160804

「最近は、プッシュ型のいわゆる売り込み型の営業スタイルは敬遠されがちで。ウチもプル型の営業体制にシフトしようと思うのですが、どこから手をつければ良いでしょうか?待ち受ける営業体制というのが今ひとつイメージできないんですが。」

先日ご相談にいらした経営者からのご相談です。贈答品関係の会社で、過去にはテレビCMDMを積極的に行っていたし、営業マンにも徹底的にノルマを与えて厳しくやって来ました、ということです。

しかし、ギフト業界も20年前とは随分様変わりして、購買の機会や年齢層、送る理由やきっかけが大きく変化してきました。その中で、これまで通りのやり方では新規のお客様がなかなか取り込めず、少しずつ売上が低下してきているのだそうです。

それにしても「待ち受ける営業体制」というと、ちょっとニュアンスが違うような気がするなあ、と思いながらお話しを聞いていくと、「一方的な宣伝や、押し売りスタイルの営業ではなくて、お客様が能動的に動いて…要は、ウチのお店に足を運んでくれて買ってくれるような仕組みができないかと考えてみているのですが、なかなか良いアイディアが浮かびません。毎月の営業会議の時に、社員に問い掛けても何一つ出て来ないもんですから。」ということでした。

プル型営業というと、向こうから来てくれるという印象をお持ちの方も多いのですが、当然、ただ待っているだけではやって来てはくれません。お客様に能動的に動いてもらうためにはそれだけの仕掛けをしていかなければなりません。何か仕掛けをすることでお客様がやって来る…多くの企業が望むところですが、それではいかにしてその仕掛けをつくって行けば良いのでしょうか?

営業の現場で、最近よく“分業化”という言葉が聞かれます。営業工程を分けて、それぞれを役割分担する考え方です。それぞれのプロセスや役割を明確にすることで、“営業”という大きなくくりの中にも、他の多くの社員にできる仕事があります。

フォローの電話を掛ける、お礼の手紙を書く、イベントを企画し案内を出す、定期的な訪問をする…など、今後の見込みや案件を見つけ出す入口の部分には“質”よりも“量”、それも“安定的な量”が求められるので、そこに多くの工数を投入し、逆に、商品知識や豊富な経験、導入事例や予算の話しなどを求められる“ココ一番”の場面では、それを得意とする営業マンが登場するというスタイルです。

私がお手伝いしている企業様でも、この“プロセス分割”の考え方で、非常に効率的な営業を行っていらっしゃいます。人手不足や人材育成に悩む企業にはこの仕組みをオススメしています。

営業の世界では、トップセールスと呼ばれる優績者はほんの一握り、それ以外は、ほぼノルマという高い壁を自力で乗り越えることができずに挫折して消えて行きます。誰でも何でも買う時代であれば、訪問件数を増やし、接触回数を増やして提案の機会をつくっていた過去の営業スタイルでも通用したかもしれませんが、今は周りの環境が大きく変わりました。

損保の営業をしていた頃、訪問先企業の保険証券をどれだけ多く回収できたかは営業マンの一つのベンチマークでしたが、1年に1度満期を迎える損保の場合、ほとんどのお客様は満期のタイミングでしか切り替えを検討しません。どれだけ優秀な営業マンが来たからと言って、途中で解約してまでこちらに切り替えてくれる人はほとんど無いのです。

今思えば、この、“切り替えのタイミングを探す”という単純な仕事に、新人もベテランも同じように時間を費やしていたよなあ、と思いますが、分業化することのメリットはここにあるワケで、これらの案件を多く見つけ出し、興味のある顧客に、関心を持てるタイミングで、プロフェッショナルな案内をして行こう!というのがプル型営業の考え方です。

 経営者の皆さま。経営資源の代表格である「ヒト」…うまく活用できていますか?本来持っている力がフルに発揮できていますか?活かすも殺すも経営者の判断次第なんですよ。

 

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