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組織的に「新規開拓力」を高める共有会議とは

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

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「営業部と設計部の共有会議を開始して1年。昨対比で30%も売上を伸ばすことが出来ました!」

以前、波及営業戦略の導入を終えた企業から、嬉しい報告電話が鳴りました。

自社が有利に戦える市場に絞り込んだ営業活動。

「あの会社が導入しているのなら、良い商品に違いない!」という優良顧客を受注して、それを神輿(みこし)に担いだ営業活動。

見込客を集めるマーケティング活動と受注を獲得する営業活動の連動性を高めた組織的な活動。

すべての歯車を合わせた営業活動が実施され、ほんの4ヶ月ほどで見違えるほど会社の雰囲気が変った企業でした。

あとの課題は、新規開拓の受注率を引き上げること。

これまで12%だった新規受注率を、2倍に引き上げるためには何をすべきか?

その施策の一環として、「失注分析」を組織的に行うことをオススメし、愚直に1年続けた結果が、昨対比30%増という数字になって現れたとのことでした。

受注するのにも、失注するにも、必ず理由があります。

受注できた理由がわかれば、それをトコトン強くする。

失注した理由がわかれば、それをトコトン克服する。

この努力を続けて、成果がでなければ、その理由づけのピントがズレているか、理由分析のツメが甘いかのどちらかです。

「失注の真意」を把握して、その課題克服に努力をすれば、必ず新規開拓の受注率は上がっていきます。

ただ、この失注分析は口で言う程優しくはありません。

と言うのも、失注した要因を大きく分けると「営業マンの未熟さ」か「商品のポジショニング(顧客から見たときの…)」のどちらか。

平たくいうと「営業のせい」か「商品のせい」のどちらと言うことになります。

これを商談後に会社に持ち帰ると、責任のなすり付け合いになる可能性が高くケンカが始まってしまうことがしばしば。

営業マンは、自分の未熟さを認めずに、商品のせいにしがちですし、設計や開発の人達も、売れないのは営業のせい…と決めつけがち。 

冷静に「顧客が買わなかった真意」を突き詰めるディスカッショのはずが、最悪は「あいつが悪い、こいつが悪い」と責任転嫁の会議に終始してしまうことはよくよく見かける光景です。

これでは、会議自体がまったくのムダ。

逆にやらない方が、マシなくらいです。

では、どうすれば良いか。

これは、社長や事業責任者または外部の人間でも良いのですが、公平な目で現実を突き詰め、本質をズバっと見抜きながら、プロジェクトメンバーに「売れない本当の原因」を客観的に見せる工夫をしていくしかありません。

このときに「ダメ出し」は厳禁です。

また「人格に入り込んだ指摘」も厳禁です。

そんなことをしたら、二度と「事実」が会議のテーブル上にあがってこなくなります。

売れなかった事実だけを切り抜いて、「その時、顧客はどう感じたか」「どう判断したのか?」だけを見せるようにし、「どうすれば良いのか?」をメンバーに積極的姿勢で捉えさせていくことが何よりも大事。

失注要因をテーブルにあげて、改善案をつくり出していく会議は、顧客心理と報告者の心理、そしてそれを聞いているメンバー、受け止めるメンバーの心理をすべて掌握することが求められるわけです。

ただ、最初は、設計や開発メンバーを「失注要因の分析会議」には同席させない方がいいです。

営業の方が、失注要因を分析しきれておらず、報告自体が茶番に終わるからです。

と言うのも、「真の失注要因」を営業マンが突き詰めるまえに、商談から離脱してしまっているケースが驚くほど多いのが、この失注分析会議をやると分かります。

「価格が高いと言われました」

これでは、失注分析は出来ません。

「何と比較して高いと思っているのか?」

「今の商品はいくらで買ったのか?」

「新しい提案の経済価値はちゃんと理解しているのか?」

などなど、商談時に「そう思った理由」を掘り下げていかないと、顧客の選択基準が見えてきません。

断る理由を商談で掘り下げるのは、簡単なようにみえてメンタル的にはある程度のタフネスが求められます。

でも、この壁を乗り越えないと「本当の失注要因」が見えません。

なので、まずは営業マンに「なぜ、そう思ったのか?」を掘り下げさせる姿勢を持たせる事が大切です。

この「つっこみ」をするだけでも、営業スキルがアップして受注確度は上がっていきます。

さらに、顧客の真の選択基準が見えたら「営業トークで解決するのか?」「証拠や根拠となる援護射撃が必要なのか?」が見えてきます。

営業ステージでは、押さえ込めない失注要因が、しっかりと見えてきたら、今度は設計や開発メンバーにも参画してもらいます。

こうして「失注する要素」を徹底して潰していけば、業績があがるのは当然だと思いませんか?

でも、簡単なようでいて難しい…。

上記の社長さんは、この並大抵ではない「アタリマエ」のことを徹底し続けて業績を着実伸ばしてきました。

御社では、失注要因を組織的に突き詰めている【文化】を育んでいますでしょうか?

 

 

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