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衰退リーダーは、マイナス評価を恐れて停滞する 成長リーダーは、評価よりも最善の努力に集中する

  組織の成長加速 木村英一 SPECIAL
木村英一 SPECIAL

組織の成長加速コンサルタント

株式会社グロースサポート 代表取締役 木村英一

組織の成長加速を促し、業績躍進を実現させる辣腕コンサルタント。これまで130社以上の企業において、経営者のコンサルティング、経営幹部、経営リーダーの育成に携わる。組織とリーダーの成長段階を知り尽くし、経営者と同じ目線で語ることのできる希有なコンサルタントとして活躍中。

当コンサルタント開催セミナーがあります。

ある社長のとの面談の時、 「S君、役員会で一言も発言しないんだよ。この前、発言しないなら、 会議出なくていいよって、言ってやったよ」とイライラした口調で言いました。

そして、私の目の奥をじっと見据えて、「彼には期待してたのですけどねぇ」と。

役員待遇で迎えられた彼は、前職では業界最大手の企業の営業部門長をしていたそうです。

数年間のつきあいを経て、仕事への姿勢、人物像をよく知った上で、社長の方からアプローチ。声かけてから、1年以上たってから、満を持しての入社でした。

社内でもSさんのことを知っている者は多く、外部から来る上長を待つ、営業部門のメンバーはそれはそれは、緊張していたそうです。

そんな緊張みなぎる組織を見た社長は、心からSさんの入社を喜び、爆発的な数字の伸びを今か今かと待つようになりました。

ところが、この1年を振り返ると、業績は以前とほとんど変わりませんでした。成長しているどころか、むしろ停滞気味。

一気に上向くと期待していただけに、社長としては、この問題が話題に上ると冷静では居られなくなるとのこと。

「アレほどの数字を上げていたのに、なぜうちに来た途端、こうなるのか??」


彼が入社して半年間たってから、彼の部下の新卒2名から退職届が出てきました。

それから更に半年経つと、メンタルな問題を抱えた長期病気欠席が1名。続いて部門異動願いを出す中堅が2名出てきました。

業績が上がるどころか、チームの人員の減少を招き、将来の業績にも陰りが見えてきました。

そんなタイミングでの社長から依頼。社長がいうのは、自分で出来ることはいろいろ試したものの解決の糸口がつかめない。彼と話してみて欲しいとのことでした。


40代半ばのSさんは、人なつっこい笑顔をする、さわやかな方でした。目力はありましたが、営業マンが持っているギラギラ感も、押しの強さもありませんでした。

前職での経験を聞いている内に、組織を率いていたはずの彼でしたが、実はマネジメントをほとんど経験してなかったことがわかりました。

確かに部門の責任者という肩書きはあったものの、チームメンバーは、誰もが十分な経験をもって、自ら動き、自ら成果を上げる集団だったそうです。

部門ミーティングも、2ヶ月に1度情報交換を行う程度で、メンバー全員が独立独歩でやっていたというのです。

新卒が配属されることもなく、自社のやり方を知らない中途採用のメンバーがチームに入れられることもなかったとのこと。

マネジメントは必要がない組織形態だったのでした。


この会社に入ってから、Sさんの環境は大きく変わりました。

マネジメントは未経験分野ではあるももの、やるべきことが何かは大まかには理解出来ていたので、自分なりに試行錯誤しているとのこと。

本人によれば、「それなりにやっている」との感覚でした。

そこで、本人のタメと思い、傍目からみても、Sさんのマネジメントは上手くいっているとは言えない状態であることを伝えると、「確かにそうですね」と言って、視線を机に落としました。

なぜ、上長である社長に助けを求めないのかを問いかけましたら、「自分の評価を下げるだけですから」とぼそり。
「頑張ってやれば、なんとかなると思ってました」とまたぼそり。
「期待に応えなければ、ここに居られなくなると思って」とまたぼそり。


組織の低迷を招くリーダーの中には、Sさんのように悪気はないながらも、評価を気にして、身動きが取れなくなっている人が少なくありません。

なんとかしなければと思いながらも、どうにもならず、時間だけが過ぎていく。否。時間だけが過ぎるなら、いいのですが、組織を腐らせてしますのです。

トップクラスの業績を上げることと、部下や同僚の成果の獲得を支援することは、全く別物です。「自分のコピーを作ればいい。」といっても、PC上のファイルをコピーするように、過不足無く、同一の人を作り出すことは不可能です。

こうして書いてみると当たり前のことだなと、改めて思います。「自分のコピーを作ればいい。」と考えること自体が、失敗の元凶なのです。

が、現実には、トップセールスマンが横滑りで、チームのトップになっていることが如何に多いことか。

これをやると、ほとんどの場合、組織としては、成果を出すことができません。外見では数字が上がっているように見えるものの、よくよく見るとトップが一人で一生懸命売上げを上げているケースはよくあること。

肝心のマネジメントはそっちのけ。部下が勝手に育ってくれるまでの時間稼ぎのつもりですが、このやり方は、筋が悪すぎです。結局、何も手に入らないのですから。

組織を束ねるという意味では、まるで仕事をしていない。だけど、数字だけ何とか帳尻合わせです。

ここも面白いもので、会社としては、リーダーが一人で頑張って帳尻合わせするのなら、チームの中でたった一人部下でもいいので、スキルアップができるように指導して欲しい、と望むわけですが、

リーダーの努力は、まったくその部分に払われません。結局、自分の得意分野でのみ必死の努力をします。

もう、それは求められてないのに、です。


成長リーダーは、究極的には評価をコントロールできないことを知っています。なぜなら、評価は、他人が決めることだからです。

成長リーダーは、与えられた役割を全力で全うしようとします。出来ることは、ただ、それだけ。

評価はやがて下されるが、それをコントロールできない。自分がコントロール出来るのは、自分の努力だけです。

努力の量
努力の質
努力の深さ
努力の強さ
努力の幅
等々

時に評価は非情なもの。
だけれど、その評価に時間という流れを加えると一時の評価が全てではないことも分かってきます


Sさんは、その後に奮起されて、組織を動かすための手法を学びます。Sさんの場合は、手法も重要でしたが、役員としての考え方の確認、習得が大変効果を発揮しました。

営業組織を預かるということはどういうことか。役員と部門長の違いは何か、部門が継続的に成果を上げる仕組みは何か等々、結局1年かかりましたが、今では当時の3倍の規模を動かしています。


さて、御社の幹部は如何でしょうか?
御社の幹部は、ドンドンチャレンジを続けていますか?
それとも、緩慢な取組姿勢を続けていますか?

 

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経営者のための、「組織の成長加速法」
木村英一

組織の成長加速コンサルタント

株式会社グロースサポート代表取締役

木村英一

執筆者のWebサイトはこちら https://www.change-growth.jp/

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