進行中の開発のマネジメント、経営者がなすべきこととは?

当社にご相談に来られる経営者の方の中に、進行中の開発のマネジメントで悩まれている方が多くいらっしゃいます。実は、ここで悩まれる方のほとんどは、ご自身が開発を経験されていない方達です。
基本的に開発者に任せているが、なかなか開発の成果が出ずに困っている。口を出そうにも開発のことや内容の細かいことまでは分からないので口を出せずにいる。そういったお悩みです。
こういった任せてしまった、もっと言うと放任してしまった開発が陥る問題としては、大きく二つのパターンがあります。
まず一つ目は、開発が発散してしまうパターン。
開発者が自由に取り組み内容を決めることができ、あれはどうかな、これはどうか、あれも面白そう、あれが流行りそう皆やり始めた、、、などなど。限られた人数にも関わらず、チャンスを求めて、あれもこれもと開発に着手し、手を広げてしまうパターンです。いわば自由研究状態です。ただでさえ開発を成就させるのは難しいのに、発散してしまっては成果は出難くなります。しかし、開発者たちは、生き生きとやる気を持ってチャレンジしているように見えるので、経営者は、なかなか口を出し難い...そういうパターンです。ここで、下手に口を出し、強引に取り組みの数を制限し始めると、取り組みを取り上げられた開発者が急激にやる気を失い、離職者が頻発という事態にもなりかねません。
もう一つは、永遠と一つの開発を追求し続けるパターンです。
まじめな技術者が少しでも良いものを開発しようと、これと決めた開発を ず-------っと、ひたすら追求し続けているケースです。しかし、あまりに時間をかけ過ぎて世の中の流れとズレが生じている、、、という事態に陥っていたりします。これまた、開発者が真剣に取り組んでいるだけに、経営者は、なかなか口出し難い...そういうパターンです。ズルズルと時間がかかっているからといって、成果を急がせてしまうと、まじめな開発者を追い込みすぎ、最悪の場合、心身に異常をきたすということも起こり得ます。
経営者としては、こういう事態に陥る前に、手を打ちたいものです。
では、こうなる前に開発において経営者がすべきこととは、何でしょうか?
答えは、経営者がすべきことだけをする、ということです。
経営者がすべきこと、、、それは単純です。「経営判断」です。当たり前ですが、これは、経営者にしかできません。
開発の要所要所のしかるべきタイミングでしかるべき経営判断をする。
これをしない、これが遅れると、開発は発散したり、ズルズルと続いたりということが起こります。
当社のコンサルティングでは、この開発において為すべき経営判断について、その判断内容と判断時期を、開発を始める前から予め計画に盛り込むように指導させて頂いています。
大切なことは、判断時期を予め定めておくこと。
そして、これを経営者と開発者で共有しておくこと。
開発の発散化やズルズル化を防ぐのに重要なポイントです。
くれぐれも口の出し過ぎ、出さな過ぎ、には注意しましょう。
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