価格競争に立ち向かう5つのアプローチ

  波及営業 藤冨 雅則 SPECIAL
藤冨 雅則 SPECIAL

波及営業コンサルティング

有限会社 日本アイ・オー・シー 代表取締役 藤冨 雅則

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタントの実務コラム。


「うちの営業マン達が競合の値段があまりにも安くて、全く勝てない…とぼやいてばかりいます。これ以上粗利を削ると利益が出にくいのですが、どう対応すべきでしょうか?」

最近、よく受けるご相談内容のトップ3に必ず入るのが、価格競争の問題。

これだけ商品が溢れかえり、差別化が難しくなってくると、避けては通れない道になるのは、仕方ありません、 

ただ、仕方ないからと言って、値段を安直に下げるのは賢明な経営者の仕事でないのも現実。

では、どう価格競争に向かい合うのか。

まずは、いかに現状を正しく捉えるかが重要になります。

価格競争に直面した際の対応策としては、大きく分けて5つのアプローチがあります。 

  • 競合に勝つ「価格改定」を行う。
  • 付加価値を明確にして「勝てる営業」を共有する。
  • 新市場を開拓する。
  • 撤退して新商品開発を行う。

 

これら4つは、教科書にも載っているアプローチですが、もう1つだけ有効な策があります。

それは、

  • 価格で選択させない「世界観」を創造する…ことです。

 

一つづつ、見ていきましょう。 

当コンサルタントの関連商品を販売しています。
  • の価格改定は、もっともシンプルな問題解決法になります。

 

究極にコモディティ化した商品分野は、差別化も尽くされ、さらなる差別化は雑音にしかならないこともあります。

こういった分野は、致し方なく「値下げ」することも選択肢になるでしょう。

ただし、安易な値下げは顧客に見透かされ、逆に売上不信に陥るケースも多々見られるので、注意が必要です。

必ず「値下げする理由づけ」を営業マン、顧客が共有しておいてください。

また、単なる値下げは企業生命の源泉である「粗利益」を削ることになります。

なので、同時に、抱き合わせ販売やバックエンド商品を設計して「受注1件あたりの粗利益額を維持する策」も大事です。

② 付加価値を明確にして「勝てる営業」を共有する。

性能、機能の差別化は、付加価値ではありません。

あくまでも、顧客にとってのメリットとして差別化された性能、機能が付加価値となります。

顧客は、「なぜ、この商品を買わなければならないのか?」を認知しないと、購買行動は起こしません。

「買う理由づけ」が必要なのです。

ここを明確にできるのであれば、1点突破。

セリリングポイントをこの付加価値だけに絞って、市場とコミュニケーション。営業マンと顧客のコミュニケーションを徹底させることで競争力の維持に繋がります。

③  新市場を開拓する。

既存市場が「価格競争」で荒らされた場合、競合他社が目をつけていない新しい市場を開拓することも、有効な策です。

既存商品が、他の市場の、他の顧客メリットに貢献できないか…

クリエティブ力を発揮して「新市場」を見つけ出し、的確なセールス・コミュニケーションを駆使すれば、これまでとは違う「儲け」を創造することもできます。

「第260話 儲けに繋げる「営業的思考プロセス」のあり方」で取り上げた事例は、この際たる問題解決アプローチ。

飲食店によく使われている呼び出しベルを、工場用に転用させた事例を紹介していますのです、時間のあるときに再読して見てください。

④  新商品を開発する。

荒らされた市場に見切りをつけて、新しい出発をすることも時には必要です。

撤退戦略は、一見すると逃げのように見えるかも知れません。

しかし、「強み」を発揮できないビジネスは、低収益に甘んじる他ないのが現実。

IBMがパソコン事業を潔く撤退し、強みの活かせる事業分野に集中していること。

100年以上続く長寿企業は、したたかにビジネスモデルを転換している企業が多いこと。

これらの現実を踏まえると「勝ち続ける企業」であるためには、避けては通れない道なのかも知れません。

そして、最後の⑤ 価格で選択させない「世界観」を創造する…こと。

これは、ものすごく分かり易く言うと「宗教」を作る考え方を取り入れるのです。

時代を超えて生き残る企業を分析した書籍「ビジョナリーカンパニー」の中でも、

ビジョナリーカンパニーであり続ける条件の一つに「カルト集団のような文化が作れらている」ことが、ビジョナリーカンパニーを分析する中で発見されたと発表されています。

社員に働きやすい環境を作るのではなく、理念への熱狂、教化への努力、同質性への追求…を行い、仲間になれるのかなれないのかがはっきりさせる。

このカルト(新興宗教)のような文化が育まれている企業が、時代を超えて生き残っていると言うのです。

これは、会社と社員の関係を超えて、顧客との関係の中にも浸透していくはず。

なので、意図して「顧客との関係づくりで、この“理念への熱狂、教化への努力、同質性への追求”を行うことで、独自の文化を育む」ことに神経を注いでみる。

すると、競争に陥らない環境を作ることができるわけです。

そもそも、価格競争に陥る本質的な原因は、「比較・選択」されることです。

この「比較・選択」の前に、強い意思決定要素があれば、自社の商品を購入してくれる確率がグンと上がる。

社員、顧客を巻き込んで「カルトのような文化」を作る。

価格競争に陥らない非常に有効な策と言えるでしょう。

 

  • から⑤まで、どの策が最も自社に有効か?

市場環境、社員の質、経営者のタイプによって、それぞれ違います。

企業の存続につながる重要な意思決定なので、経営者と前線で戦う営業マン、または企画や製造など現場の人たちと膝を付け合わせて、論理的に協議することが重要です。

御社では、価格競争にさらされた時、問題を放置し、全員傍観者のように立ち振る舞ってはいませんか?

 


【営業革新コラム】社運を賭けた商品を、どう売っていくか
藤冨 雅則

波及営業コンサルティング

有限会社 日本アイ・オー・シー代表取締役

藤冨 雅則

執筆者のWebサイトはこちら http://www.j-ioc.com

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