中小企業に「交際費」が認められている訳―「広告宣伝費」との見合いで考えてみる―

  地方メディアの高度有効活用 海江田 博士 SPECIAL
海江田 博士 SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルティング

株式会社メディアコネクション 代表取締役 海江田 博士

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。


中小企業には「接待交際費」という経費が認められています。

接待交際費・・・世間的には「そんなことは当たり前」と、思われているかも知れませんが、これが経費として認められているのにはそれなりの理由があります。

それは、大企業は多額の「広告宣伝費」を使って、大々的に自社や自社の商品、サービスなどを宣伝することができます。しかし、中小企業にとって同じような方法をとることは不可能なので、自社に見合った交際費を使い、接待などの手段で自社の営業活動をしてもいいですよ、ということなのです。ですから、原則大企業には「接待交際費」という経費は認められていません。正確に言えば経費として計上してもいいのですが、税法上は課税されるというものです。

さてここで考えなくてはいけないのは、接待交際費が広告宣伝費の代わりになり得るのか、ということです。

広告宣伝費は、確かにかなり莫大な費用を使って、マスメディアなどを媒体に、自社の商材やサービスなどを売り込んでいくものです。その効果の測定はなかなか難しいのですが、少なくとも直接的に消費者に語り掛けるものであることは間違いありません。

一方、接待交際費はというと、個別に直接売り込むというものではなく、接待を通じて顧客などとのコミュニケーションを深めようという意図のもとに使われる経費です。言い換えれば、間接的な効果を狙って行なう行為にかかる費用ということになります。

商材を個別直接に売り込む行為は通常「営業」と呼ばれます。これが企業活動の根幹をなすものであることは間違いありません。

それは、接待することによって相手との関係性を深めていこうという間接的な行為とは明らかに異なるものです。つまり「接待交際」は、企業の営業活動をやや間接的に援護射撃する位置付けということになるのです。

これに対して、同じ援護射撃的なものでありながら、広告宣伝は売りたい商材やサービスそのものをアピールします。それは、営業行為をそのままサポートするものであり、その目的を大きく外すことはありません。

つまり、企業にとって最も重要な「営業活動」に対して、広告宣伝は明確にそのサポート役を担うものの、接待交際はそのポジションがやや曖昧です。本来は営業活動の後押しとして接待交際が行なわれるはずが、実際はしばしばもっと曖昧な理由でその費用が使われているといっていいでしょう。世の中が好景気に沸き、中小企業にも資金が潤沢だった頃には「接待交際費」は、その目的に叶うと叶わざるとにかかわらず、盛大に費消されたのです。

しかし、世の中かなり変化してきました。おそらく今中小企業には、無駄な接待交際費を使う余裕などないでしょう。とはいえ、せっかく広告宣伝費の代わりに認められた接待交際費を有効に使う手段はないものでしょうか。まあ、有効利用したいという気持ちはわかりますが、ここは無理に接待交際費の使い方を考えるよりも、今まで手が出なかった広告宣伝費の分野に乗り出すべき、と私は考えています。

ただそうはいっても、中小企業が多少の接待交際費に使う更に二桁くらい上の費用を大企業は投入しています。(中小企業の接待交際費がン十万、ン百万だとすれば、大企業の広告宣伝費はン千万、ン億円になります。)やはり同じような土俵で戦うことには無理があるといっていいでしょう。広告宣伝の分野で勝負するといっても中小企業には多少の工夫が必要です。

そこで考えるべきは、これまでこのコラムでも述べてきましたように、やはり、SNSや地方メディアの活用」といった新しい切り口なのです。これらの媒体は、やり方次第でこれまでの何分の一かの費用で効果的な広告宣伝を打つことが可能となります。必ずしも全国規模のメディアを媒体として必要としない中小企業にとって、むしろ効率のいい広告宣伝方法かも知れません。

これまで、中小企業の特権的経費として認められてきた接待交際費。今その枠は以前より多くなっていますので、大いに有効利用したいところです。しかし、もしその効果が限定的であるならば、やはりここは効率的な広告宣伝法を考えて、営業に繋げていきたいものです。

それには、いつも申し上げているように、直接的な商材の広告宣伝だけでなく、自社のストーリーを含めた経営自身による情報発信も同列に考えてはどうかとご提案したいのです。

これはむしろ大企業には難しい方法論ですので、うまく型を作れればかなり有効な宣伝効果を狙うことが可能なのです。

 


企業の盛衰を決める社長のためのメディア戦略
海江田 博士

地方メディアの高度有効活用コンサルティング

株式会社メディアコネクション代表取締役

海江田 博士

執筆者のWebサイトはこちら http://mc-kaieda.com/

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