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社長の理念と経営理念の関係

  独自の人材育成の仕組みづくり 吉野創 SPECIAL
吉野創 SPECIAL

独自の人材育成の仕組みづくりコンサルタント

株式会社トゥルーチームコンサルティング 代表取締役 吉野創

社内に本物のチームをつくり、「人材育成の拡大再生産」を実現させるコンサルタント。単なる形だけの組織ではなく、中小企業にとって最も大切な、社長と社員の「同志関係」づくりを基本とした、人材育成の仕組みづくりを指導。

図3

社員に会社の方針が正しく認識されているかどうか不安に感じると、先日ご相談に見えられた社長からの相談です。

「いつも顧客に対する姿勢を背中で見せているはずなのに、昔からすると考えられなかったような顧客対応をする社員がいたり、トラブル、クレームが起きるようになったのです。まったく上司はどんな教育をしているのか・・・」

 社員数は、創業時からすると、10倍の規模になろうかという企業で、業績も順調に伸ばされていました。しかし、ここ数年組織の雰囲気が変わってきたと感じた社長は、朝礼時や、会議時などで経営理念や、経営方針の確認を重視し始めたとのことですが・・・

 社長と社員とでは、そもそも立場が異なるため仕事に対する視点にズレがあり、その状態で経営理念をそのまま伝え、意味を理解させるということ自体に無理があります、とお伝えしました。

 それは、経営理念だけでは社長が本当に伝えたいメッセージは伝わりにくい表現になっているケースが多いからです。

このようなケースでは、経営理念をわかりやすいメッセージに変え、「うちの会社は何をする会社なのか?何を持って顧客や社会に貢献する会社なのか?」という社長が考える事業のコンセプトや、ワクワクと思えるような会社の「未来のビジョン」を伝える必要があるのです。

  

社長個人の「理念」を確立する

「理念」というと硬いイメージですが、これは社長個人の在り方や生きる目的、と言い換えてもいいでしょう。

そもそも創業者であれば、自分の人生の目的を達成する、そのために会社を作り事業を始めたのではないでしょうか。

 自身は2代目、3代目で、会社を引き継いだとしても、全く同じです。自分がトップを務める以上、自分の生きる目的と経営理念が揃っていなければ、自分の本心からでなければ社員にはメッセージが伝わることはないのです。

 社長の目的は、思い切りパーソナルなものでも最初はもちろん構いません。しかし、今まで中小企業や経営者のご支援を10年以上行ってきた経験から感じることは、「やがて私利私欲がだんだん削ぎ落とされて今の理念に至った」、という方が多いということです。

 やはり多くの賢明な経営者はパーソナルな目的だけだと社員の共感が得られないということに気づかれるのではないでしょうか。

 社長個人の在り方や生きる目的は会社の事業の成長発展の中にあり、事業をする上で一人では達成できない大きな目的を、社員と力を合わせて実現していくことにあります。その社員の人としての成長と経済的発展もまた、同じ意味で社長の生きる目的の中にあると気づかれるのでしょう。

 創業当時は、会社を軌道に乗せ、大きくすることで精一杯です。その際にはお客様のために一生懸命であるがゆえに、家族や仕入先、協力会社他に無理なお願いをしたり、社員に対する歯がゆさを感情に任せて伝えたり、といったことはよくあったようです。

 しかし、年月を経て最終的には「何のために経営をしているのか」という自分自身の目的と、「どんな未来を目指しているのか」というビジョンが問われるのだと感じますし、社員にその自分の意識の変化や成長過程をストーリーとして本音で伝えられる経営者には社員を引きつける魅力が備わるものだと、経験から実感します。

 社員は「何も言わなくてもわかってくれる」のは創業当時からの社員だけと思った方が賢明です。社員が増えれば必然的に創業時社員の影響力が下がってきます。

 その前に、社長は社員にしっかりと伝えなければなりません。社員はいつも不安なのです。「環境変化に社長がどんな考えや方針を持っているのか」「どんな会社を目指しているのか」ということを明確に知りたいのです。

 はっきりと意思をもって魅力的に自分の目的とビジョンを語る経営者は頼もしく映ることでしょう。これこそが「自社のDNAを伝えきる」という社長の重要な仕事なのです。

 

【人が育つ環境づくり】 人材育成の拡大再生産を起こす経営視点
吉野創

独自の人材育成の仕組みづくりコンサルタント

株式会社トゥルーチームコンサルティング代表取締役

吉野創

執筆者のWebサイトはこちら http://true-team.com/

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