トップ > コラム > 中小企業が「量」による競争をしていけない理由

中小企業が「量」による競争をしていけない理由

  波及営業 藤冨 雅則 SPECIAL
藤冨 雅則 SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー 代表取締役 藤冨 雅則

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタントの実務コラム。

 「ある意味、競合がいないとダメになりますよ。負けまいと努力をするから必然的に強くなる。しかも傲慢になる暇もないから、放漫経営にも陥らない。競争万歳ですね!」

先日、クライアント企業の社長との酒席で、とても含蓄なる話を伺いました。

同社は業界でトップシェアを誇る企業。

10期連続で「増収増益」を続けており、社内の空気も良い意味でピリッとしています。

私は仕事の性質がら「競争をずらして営業効率をあげ、利益率の高い営業をすることを推奨しています。

上記の同社も、この戦略で高収益を確保した商品をお手伝いさせて頂きました。

ところが、最近類似商品がタケノコの様に現れ始めました。

久しぶりに来て欲しい!と言われたので、伺ったら 営業効率が下がっているわけではないのだが、問い合わせ件数が明らかに減っているので、そろそろ手を打っておくか…とお考えになられて、藤冨を呼んだとのこと。

さぁどう打ち手を考えるか。

と、具体的な打ち手を考える前に、効率的に施行する技を共有させてもらいました。

当コンサルタントの関連商品を販売しています。
 

まず、無駄なことはリストアップしても、思考を深掘りしないルールを作ること。

そのために、「良い競争」と「悪い競争」を定義して、悪い競争のアイディアは考えないという会議の約束を共有しました。

ちなみに、悪い競争とは「量」で勝負を挑む競争のこと。

「量」ですから、計測可能な尺度で競争を仕掛ける事です。

価格であったり、内容量であったり、成分量であったりと、追随がすぐにできてしまうものは、自社よりも資金力、リソースが豊富な会社に参入されたら、すぐに負け込んでしまいます。 

以前、自分たちより格下の競争相手がMAによって、いきなり力をつけ、大量にマーケティングコストをかけられた会社の社長から当時の話を聞いたことがあります。

最初は、負けてたまるか!と営業マンにハッパをかけていたそうですが、結局は力負けして、業績が急速に下がっていったそうです。

わかった時点で「競争をかわすべきだった」…と悔やまれていました。

やはり、同じような商品で競争する限り、自社より力を持っている会社と真っ向勝負を挑むのは、賢い選択ではありません。

量で負けるなら、質を突き詰めるべきです。

ここでいう「質」とは、顧客から見た際の「価値」です。

同じような商品であっても、顧客から見た際の「価値」が変われば、別商品になります。

逆に、全く別の商品であっても、顧客から見た際の「価値」が同じであれば、同列商品となってしまいます。

スマホカメラの性能アップで、コンパクトデジタルカメラが、世界的に4割減に追い込まれた例などは、まさに別商品なのに、顧客から見た際の「価値」が同じケース。

同じ業界の競争相手から、仕掛けられる戦いは、ある程度の予測がつきやすいのですが、全く別業界から攻められるのは、衝撃が強くなりがち。

競争する軸を変えられるわけですから、カウンターパンチを食らうようなものです。

昭和世代の私たちは、写真はアルバムに入れて保管するものでした。

しかし、今の世代は違います。

写真を撮ったら、SNSにアップすることが最終目的だったりするわけです。

または、そのままクラウド上にアップして、田舎に住む両親のデジタルフォトフレームに共有するなんて使い方をしている。

今の時代、カメラには「通信機能」がなくてはならない存在になったわけです。

このままだと、デジカメは競争優位性を奪われたままです。

顧客はカメラをどう使うのか?

顧客はカメラに何の価値を感じているのか?

ここの深掘り無くして、本当の「競争」は仕掛けられません。

これが「質」を突き詰めた競争の概念です。

同一業界、異業界でもあっても同じ。

日頃から、自社商品が顧客に与えている価値は何か?

その価値を得るプロセスの中で、顧客が抱えている顕在的、潜在的な不満はないか?

こうした、視察、観察、洞察をし続けることが「競争の優位性」を常に保ち続けるコツになります。

最初に携帯にカメラを入れて見たらどうか?という着想をした人は、きっとこんな体験をしたのではないか? と私は推測しています。

デジカメは、持っている。

だけど、普段は持ち歩かない。

ある時、とても美しい景色を見て、写真を取りたい!と思った。

でも、デジカメは自宅。

残念…とガッカリして、ポケットに手を突っ込んだら、携帯があった。

「あー、携帯にカメラがついていたら良いのに…」

これはあくまでも私の妄想です。

しかし、価値を生み出す瞬間は、生活者視点、利用者視点の思考、行動、そこから生まれる満足・不満足が起点となります。

だからこそ、常に「競争優位性」を保ち続けるためにも、自社商品の利用者を視察、観察、洞察をし続けることが大事なのです。

御社では、顧客の視察、観察、洞察を常日頃から行っていますか?

【営業革新コラム】社運を賭けた商品を、どう売っていくか
藤冨 雅則

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー代表取締役

藤冨 雅則

執筆者のWebサイトはこちら http://www.j-ioc.com

当コンサルタントの関連商品を販売しています。
当社の関連商品を販売しています。
月刊誌(無料)登録フォーム

×