本物の社長と自称社長の会社の1年後の業績の格差

  組織風土醸成 野崎大輔 SPECIAL
野崎大輔 SPECIAL

組織風土醸成コンサルティング

グラウンドワーク・パートナーズ株式会社 代表取締役 野崎大輔

「自社の課題は自社の社員が解決するのが理想の組織、そのために必要なのは良き組織風土である」と提唱し、経営者と二人三脚で組織風土の醸成と人材育成に特化して企業変革を行う実践重視のコンサルタント。


犯罪がらみのニュースで「自称ミュージシャン」といった自称●●というのを目にします。これは職業ではなくアマチュアであるということでフリーターと変わらないということでしょう。

ビジネスにおける社長業にも「自称社長」があります。1人の社長が自称社長から本物の社長へと変貌していったと同時に会社の業績も変化していったのを目の当たりにしたのでお伝えします。

自称社長とは私が付けた呼称ですが、簡単に言うと肩書は社長であって実態は社長でない人です。自称社長の特徴を集約すると以下の3点になります。

  • 他責思考
  • 言行不一致
  • 決断放棄

 社長の基本的なスタンスとしては起きたことは全て自己責任ということになります。社長になるのは、管理職になるより簡単です。管理職は会社から認められないとなれませんので自分で部長になりたいと言ってもなれるわけではありません。
一方で社長は法人を設立登記して名刺に代表取締役という表記をつければ良いので簡単になることはできます。

しかしながら社長は、道なき道を進み、答えなきことを自らの判断により決断し、厳しい状況下におかれても耐えて事業を発展させるために努力し続けていかなければならないというタフな仕事で誰でもできるわけではありません。

私に相談をされる社長の中には

 「うちの社員が使えないので鍛えて下さい。」

と社員を変えてくれと言ってくる方がいらっしゃいます。
やんわりと「人材を含め、組織を改善するということはまずは社長も変わらないといけませんよ。」という趣旨のことを伝えると

「いや、私は大丈夫です。とにかく社員に問題があるんです。」

と言う社長の会社を変えていくのはとても大変で時間がかかります。

多くの社長は「優秀な人が欲しい」と言います。具体的にどのような人が欲しいのかを聞くとほぼ100%の社長が自律した人と答えます。
私は自分で自分を律することができる自制心を持ち、自分で考えて行動することを自律と定義しています。

自律した人材が欲しいのであれば、まずは社長自身が自律していないと、今いる社員が自律することはないし、面接をしても採用はできません。
自律した人は独特の嗅覚で相手が自律しているかを見抜くからです。
仮に入社したとしても、しばらく働いてみて会社に見切りをつけて辞めてしまう可能性が高いです。 

X病院のS院長から依頼を受けた時には、スタッフが全員辞めそうという状況でした。そんなS院長は「私にも非があると思うので、病院の組織改善だけでなく、私自身にも指導していただけますでしょうか。」という話をされました。
当時は顔色も悪く、かなり追い込まれた状況であったと覚えています。
多くの人は追い込まれた状況にならないと自ら変わる決断はできません。

そして病院の組織改善が始まり、課題の整理をしていくとスタッフから出るのは院長の文句ばかり。

「私たちは頑張っています。院長に問題があるんです。」

社員からこの発言が出ている組織は、危険な状態で社長と社員の双方に問題があります。社長の皆様は受け入れたくない事実だと思いますが、社長が原因となってこのような状態になっています。

S院長には組織を改善していくために社長としてやらなければならないことを指導していきましたが、頭では理解するものの自分の意識や行動はすぐには変わりませんでした。

「今まで人の部分に関しては目をそらしていましたが、先生のご指導で自分ができていなかったことがよく分かりました。まず自分から変えていきたいと思います。」

このような意識を持った院長は時間が経つにつれ、言動が少しずつ変わっていきました。それでも院長に従わないスタッフはいて、自分たちのことは棚に上げて相変わらず不平不満を言っていましたが、結局は辞めていきました。

今までスタッフの出入りが激しく、離職に悩まされてきたのがウソのようにスタッフが定着するようになり、1年後にはスタッフ数は2倍に増えていきました。

もしS院長が覚悟を決めて本気で取り組まなかったら、スタッフは全員辞めて、また新たに採用して同じことを繰り返していたかもしれません。

「今回は自分にとっていい勉強になりました。おかげで見違えるようなくらいに良くなりましたが、もし自分が経営者としての姿勢を改めなかったら、さらに酷い状況になっていたと思います。」

1年後にスタッフの定着率がアップし、スタッフ数は2倍となり業績も安定的に成長していく明るい未来とスタッフの離職率が高く、いつまでたっても同じ問題で苦しんでいる暗い未来になるかどうかはS院長次第でした。

X病院は以前と比べ見違えるくらいに病院の雰囲気が良くなりました。

 


業績を伸ばす「組織風土醸成」の経営視点
野崎大輔

組織風土醸成コンサルティング

グラウンドワーク・パートナーズ株式会社代表取締役

野崎大輔

執筆者のWebサイトはこちら http://groundwork-partners.jp/

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