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理詰めで考える人が“悪いことを直す“行動に移せないのはなぜか?

SPECIAL

印象マネジメント「プライムイメージ」コンサルタント

株式会社プライムイメージ

代表取締役 

印象マネジメント「プライムイメージ」のスペシャリスト。
 社長個人はじめ、企業や事業部門を対象に、高度な印象マネジメント戦略を指導する専門コンサルタントとして活躍。主に、商品や物体、空間…を対象に行われるブランド戦略に対して、人物や服装、表情、所作…などに対しての、顧客が感じる印象に焦点を当てた、戦略的な施策指導を行うのが特徴。企業の業績向上に多大な貢献をしている。

「他人のふり見て、我がふり直せーー」と言います。

他人の悪いところを見て、自分はやらないようにしろ、という意味合いですが、私たちの多くが、「他人の悪いところは目につく」。その一方で「自分の悪いところは、相応に意識しないと気付かない」、もしくは、「気付いてはいるけれど、なかなか直せない」というのが現実のようです。 

コンサルティングをしているなかで、私が指摘をするまでもなく、ご自身のクセや傾向をしっかり把握している方もいます。その内容は、専門的な視点で見ても、自分自身を客観的に見ることができていて、なぜ、こういう傾向が出てしまうかまで理由づけできている方もいます。誇れるほど多くのサンプル数ではありませんが、これまでの私の経験から考えてみると、論理的思考の方、数字に強い方にこうした方が多いように感じます。 

こうした方から、「頭ではわかっているけれど、直せないーーー」という、率直で素直な言葉が出てくることもあります。知識欲も強い方が多く、最新の情報収集も熱心。何事も論理的に説明ができて、物事を効率的に考えられる人。数字のように、白黒はっきりすることはお得意ですが、情緒的なものやはっきり説明できないことには戸惑いを感じてしまうともいいます。意外でもありますが、ある意味、人間味を感じさせる部分でもあります。 

以前、ある企業の秘書の方から相談がありました。社長を説得するために、いかに論理的に伝えられるかをいつも考えている。場所に応じたネクタイ選びについて、どう言えば納得してもらえるかーーーという内容でした。 

人を説得するとき、論理的に説明するのは大事なことです。ですが、ネクタイ1つとしたら、色の心理効果や出席者の年代や嗜好に配慮することも必要ですが、理由づけできないこと、例えば、「こちらが一番似合います」という言葉のほうが相手の気持ちを左右することもあるはずです。 

数年前のことですが、あるキーパーソンのお仕事をしていたとき、一番大事な場で着用するネクタイについて、ぶつかったことがありました。これまでの流れやイメージカラー、使用頻度など理由づけすることはいくつもありましたが、それではまだ納得できない様子。 

最後には、「これが一番、今日の日に映える1本です!」とはっきり伝えて、最終判断はご本人にお任せするという“賭け”に出てみました。このときばかりは、私もどこか「勝手にしてくれ」「言ってもわからないならば、もういい」という、プロらしからぬ感情が出てきていたのも確かです。 

結局、その方が最後のメインステージでつけていたのは、強硬におすすめした1本。気難しい方がどこでどう気が変わったのかはわかりませんが、結局は「一番映える」のひと言とムキになっている私の姿だったのではないかと思います。その後、顔を合わせて、まず言われた のが、「ほら、ネクタイ変えたよ」だったことは今でも良い思い出です。

 理詰めで考える人ほど、ときどき、「自分でもよくわからないけれど~」ということがある気がします。できない理由を理詰めで考えるより、感情や気分がともなう人の気持ちが影響することは、理論やデータよりも、隣にいる「人」を頼りにするほうが、結局は結果として表れるのではないかーーという結論は、私のこじつけでしょうか。

 

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