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やってみないとわからない世界での日程の守り方

  商品開発 四谷剛毅 SPECIAL
四谷剛毅 SPECIAL

商品開発コンサルタント

株式会社シンプルテックプラン 代表取締役 四谷剛毅

商品開発コンサルタント。特に開発部門を持たずに売れる商品開発を実現する、独自の「デベロップレス」体制づくりに定評。いま全国の中小メーカー企業の業績躍進の新手法として、多くの企業から指導依頼が集まる注目のコンサルタント。

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「いつも開発が遅れるんです。」

これまでいくつかの開発を進めてきた、ある社長の悩みです。

遅れた原因をお聞きすると、「いつも急がせているのですが、社員一人一人の開発スピードが思うように上がりません。少しずつ人は増やしているのですが、結局いつも遅れてしまいます。」との返事です。

これに対して、「その対策方法を続けていては、いずれ社員と会社をつぶしますよ」とお伝えしたところ、驚いた表情を浮かべた後、苦しそうに「そうなんです。開発の社員は、よく病気になるんです。」と返ってきました。

この「開発が遅れる」という悩みは、当社へのご相談として多いものの一つです。そして、その対策をお聞きすると、多くの社長が、冒頭の社長と同じように、社員の開発スピードUPと増員を考えています。

どうして、そんな対策に走るのかと言うと、開発が遅れる原因を「社員の質と量の問題」ととらえているからです。

ところが、この原因のとらえ方では、社員と会社をつぶします。

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まず、社員の質が原因ととらえた場合、対策としては、優秀な社員が必要になります。ところが、そうそう、そんな優秀な社員はいません。そのため、現有の社員の質(レベル)を上げるように要求することになります。「もっと早くやれ」とか「遅れを取り戻せ」と社員に発破をかけることになるのです。これが一人一人の開発スピードを上げ開発を急がせるという対策行為です。

しかし、そう簡単に短期間で開発スピードが上がるものではありません。多くの場合、じりじりとしかスピードは上がりません。それを無理に急がせると社員は疲弊します。このとき、適当にやれる社員は良いのですが、なんとか期待に応えようとするまじめな社員は、本当に無理をしてしまいます。そして、最悪の場合、体や心に無理がきてしまいます。

また、社員の量が原因ととらえた場合、遅れを取り戻すために追加で社員を投入することになります。人員が余っていれば別ですが、遅れるたびに追加で人員や設備を投入していては、開発費がどんどんかさんでいきます。これを続けていくと、最悪の場合、会社を傾かせることになります。実際に、度重なる開発の遅延で、次々と経営資源の追加投入を余儀なくされ、経営が傾いた例は、大手であっても数多くあります。

遅れた原因を社員の質ととらえると社員に無理をさせて社員をつぶし、社員の量ととらえると無理な経営資源の投入につながり会社をつぶすことになるのです。
いずれも最悪の場合ですが、現実に起こっていることです。

では、原因をどうとらえるべきなのでしょうか?

それは、遅れた原因を、社員の質や量では無く、「計画」に求めることです。
社員の質や量に問題があったのではなく、計画に問題(無理)があったととらえることです。

ここに、長年の経験から得た法則があります。
それは、「開発の遅延率は、計画の緻密さに反比例する」というものです。
別の言い方をすると、「開発の成功率は、計画の緻密さに比例する」ということです。

実際に、遅れてしまった会社に「計画書を見せて下さい」と尋ねると、すぐには出てこず、しばらく探し回らないと出てきません。さらに、そうやってやっと出てきたものは、わずか1頁の簡単なものや、理想だけを並べたバラ色の計画だったりします。

一方で、同じような開発であっても、遅れない会社に計画書を見せてくれるようにお願いすると、すぐに出てきます。そして、その計画書は、数頁、ときには10頁を超えるようなものが出てきます。さらに、たくさんの書き込みや修正があります。常に見直し、肌身離さず持っていることがわかります。それだけ計画書を大切にしています。

「開発のような、やってみないとわからない世界では、計画なんか立てられない。細かい計画を立てたところで、その通りにはならない。」そんな反論が聞こえてきそうです。

ですが、わからないからこそ計画が重要なのです。そもそも分からないままでは、関係者間でどうやって進捗を確認するのでしょうか?何も無いと最後の最後まで、遅れていたことにさえ、だれも気付くことができません。遅れを取り戻そうにも、だれがどこをどう取り返せばいいのかわかりません。開発日程に関して、関係者間で意思の疎通を図ることさえできなくなるのです。

遅れない会社は、常に計画書を肌身離さず持ち、常に現状の進捗を記入して最新化し、それを見せることで、最新の状況を関係者に伝え、共有し、対策します。これは、緻密な計画書がなければできないことです。

開発を遅らせないために必要なことは、社員の質を上げることでも、社員の量を増やすことでもありません。必要なのは、緻密な計画書です。

バラ色の計画を立てて期待通りに進まないからと言って社員を責めて急がせても、問題の解決にならないどころか、社員をつぶしてしまいます。計画の立て方に問題があったととらえ、計画を見直すことから始めなければならないのです。

御社では、始める前にきちんと計画書を立てていますか?
そして、それを定期的にチェックする仕組みがありますか?

 

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売れる商品開発を実現する社長の視点
四谷剛毅

商品開発コンサルタント

株式会社シンプルテックプラン代表取締役

四谷剛毅

執筆者のWebサイトはこちら http://stecplan.com/

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