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社長、自分の仕事が好きですか―好きでもないことを「情報発信(アウトプット)」しても響かない

2020年3月24日 地方メディアの高度有効活用 海江田 博士 SPECIAL
SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション 代表取締役 海江田 博士

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

私のお勧めする「情報発信(アウトプット)」には、大きな前提条件があります。

それは「情報発信(アウトプット)」する経営者が、自分の仕事が好きでやりがいを感じ、それが未来にまでつながるものと強く認識しているのかということです。

好きでもなく、やりがいも感じていないことを「情報発信(アウトプット)」しても、おそらくそれを届けた人々の心を打つこともなければ響きもしないでしょう。

またそうであれば「情報発信(アウトプット)」そのものが継続的に長く続けられるとも思えません。「情報発信(アウトプット)」するからには、その前提がポジティブなマインドによるものであり、「好きでやっていることだから、是非みんなに伝えたいんだ!」という熱のようなものが込められていなければ、それを読んだり聞いたりした人の心に響くということは難しいでしょう。

つまり、「情報発信(アウトプット)」を行なうからには、それを嫌々おざなりな姿勢でやっても意味がないですよ、と申し上げたいのです。

しかしながら、好きか嫌いかというのは、本質的には人間の感情的な問題ですので、理性によって無理やりコントロールできるものではありません。

野球のイチロー選手やサッカーの本田選手のように幼いころから、自分の好きなことやりたいこと(野球やサッカー)に対して高く明確な目標意識まで持っていれば別ですが、大人になってから選んだ職業であれば、何かしら理性的なアプローチで好きになるための動機付けをする必要性があることになります。

ただ、経営者の場合、創業にしても2代目3代目であったとしても、普通嫌々トップの座につくということはあまり考えられないので、一般のビジネスマンよりはその動機付けを無理やり考える必要性は低いのかも知れません。

とはいえ、その一般のビジネスマンよりは、より強い動機付けが求められる経営者としては、人一倍自分の向き合っている事業を好きになるに越したことはありません。「好きなこと」を仕事にしていれば、嫌なストレスも感じずに済みますし、その前向きな姿勢は組織にもいい影響を与えます。特にトップが自分の事業に前向きであれば、部下たちにもそういった雰囲気は自然に伝わって、仕事を進める上での好循環を生むと考えられます。

それでも、例えば「自分は立場上今のポジション(社長)についたものの、創業者に比べれば、あそこまでの情熱はないなあ・・・あんな風にこの事業を好きになれるかなあ・・」と悩んでいる2代目がいたとしたらどうすればいいでしょうか。当然、2代目とはいえ創業者とは違う人間ですから、何かしら自分なりの事業に対する前向きな姿勢のベースになるものを掴みたいはずです。これは2代目でなくとも、自分の事業に何かしらモヤモヤとしたものを感じているすべての経営者にもいえることです。

私は、この答えにも「情報発信(アウトプット)」が大いに貢献すると思っています。冒頭、自分の仕事に好きでやりがいを感じていなければ「情報発信(アウトプット)」は活きたものにはならない、と書きました。「好き」が先でなければ「情報発信(アウトプット)」は活きたものにならない、とすれば、好きになるために「情報発信(アウトプット)」を使うというのは、話が矛盾しているのではないか、と思われるかも知れません。

確かにこの話は「鶏が先か卵が先か論争」に似たところがあります。

しかし、自分の事業をより好きになるために、まず「情報発信(アウトプット)」に取り組んでみる、という方法論は確かにあると私は考えます。

この方法論を試すためには、まず「情報発信(アウトプット)」に取り組む、と決めなければなりませんが、そう腹を決めたならば、最初にやることははっきりしています。

それは「改めて自分の事業を俯瞰してみる。」ということです。

自分の事業がどういったものなのか、俯瞰してみてその概要をしっかりとつかまなければ、それを外に伝えることなどできません。ここで「自分の事業をしっかりと見直す。」という作業がまず行なわれます。

このとき肝心なのは、事業の内部に目を向けるのではなく、事業そのものが外の世界から見たときにどういうポジションにあるのか、という視点が大事です。

こういう視点で事業を俯瞰する、というのは経営者以外の社内の人間には難しい試みになります。何故ならば、通常社員の立場では与えられた仕事をこなすのが精いっぱいであり、総合的に外の世界まで見渡すなどという余裕はないからです。

逆に、「日常業務が忙しくて、俯瞰的に仕事を見直す余裕などないよ。」という経営者がいるならば、ご自分の立場を改めて考え直す必要があります。

そんな姿勢で仕事に取り組んでいたのでは、自分の事業を好きにもなれなければ未来への展望も描けないからです。

もし、そうであるとすれば、もう一度ご自分のポジションを見直してみる必要があります。

さて、改めて自分の事業を俯瞰したならば、その俯瞰した感想などを情報発信してみるのです。自らの業界や自社のポジションはどういったものなのか、というのは、自己紹介のようなものですので、「情報発信(アウトプット)」の初動にはふさわしいといえるでしょう。

例えば、私には税理士という立場もありますし、20人くらいの組織の長でもありますので、これまで税理士の業界や自分の事務所がどういうポジションにあるべきなのかについては随分いろいろと書いてきました。私の場合、さらに踏み込んで、税理士の業界がビジネス社会全体からどう見えるかも含めて様々な角度から考察しています。その結果、自分の事務所がどうあるべきか、ひいては業界がどうあるべきかまで、同業者よりはよく考えてきたと思っています。そうすることで、この業界が改善すべき点や、自分の事務所がどの方向をどう目指すべきか、について見えてきました。

そうして、やるべきことが明確になり、自分の仕事にやりがいを感じているのです。

これらはすべて「情報発信(アウトプット)」を通じて考え、書いたりしゃべったりしてきたので身についたことです。日々、実務にどっぷり浸かっているとこういった俯瞰的な視点を忘れがちになります。しかし、経営者ともなれば、目の前の近視眼的な視点のみで事業に臨むわけにはいきません。

自分が取り組んでいる事業が、いかに社会的な意味を持ち、より発展するためにはどういった姿勢で取り組むべきかといったテーマを考え続けていれば、やるべきことが見えてきて、事業経営そのものが楽しくなってきます。

人間、楽しいことが嫌いになるはずがありません。

この考え方や手法を援用して、業界や事務所のポジションといった大きな視点だけでなく、一つ一つの業務や顧客とのエピソードなどにも考察を加えて、それを「情報発信(アウトプット)」することを習慣づければ、自らの事業に常にきちんと向き合うことになり、仕事に対してポジティブな気分になります。

ポジティブな気分ということは、仕事が好きな状態ということに通じますので、ますます良い循環を生んでいくのです。

これまでも度々書いてきたことですが、「情報発信(アウトプット)」することでなにかマイナスの状況が生まれることはありません。プラスに働くことは間違いないにもかかわらず、取り組む人が少ないのは残念なことです。それはおそらく今回述べてきたような効果について、具体的なイメージがなかなか湧かないからなのかも知れません。

改めて述べますが、「情報発信(アウトプット)」には様々な効果があります。

その中で特に大きなものは、自らの事業についてよく考え、整理する癖がつくということです。

また「情報発信(アウトプット)」に対する様々な反応も、事業を進める上で大いに参考になります。こういったことは、ただ日常業務をこなしていただけではつかめない成果です。一歩踏み込んで「情報発信(アウトプット)」を行なったからこそ起こり得る現象なのです。

情報発信(アウトプット)」を通じて自分の事業についてよく考え方向性を見出すことで、その事業がより好きになれるとしたら、これは願ってもない副産物と言えましょう。

もし経営者の中に、自分が取り組んでいる事業に関して、何かまだモヤモヤとしたものが吹っ切れないでいる人がいるとしたら、もう一度、その事業に関して向き合って考察し「情報発信(アウトプット)」を行なってみてください。

きっと何らかの新しい局面が見えてきて、そのモヤモヤが晴れてくるとお約束することができます。

 

企業の盛衰を決める社長のためのメディア戦略

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション 代表取締役

海江田 博士

執筆者のWebサイトはこちら  http://mc-kaieda.com/

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