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社長の「思い込み」と「思い入れ」の違いが経営を左右する―「頑迷」と「頑固」はちょっと違う?!?

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

筆者のリビングからのロケーションです。

先日のことですが、ある企業の後継者が、私にこんな風にぼやいていました。

「海江田先生はいいですよね。あんなロケーションのところに家を建てられて・・・私なんか好きなところに家も建てられません。」

プライベートなお話で申し訳ないのですが、私は田舎(鹿児島)に建てた家と、東京のマンションを行ったり来たりしながら仕事をしています。東京のマンションはまさにコンクリートジャングルの中にある、無機質な建物と言っていいのですが、田舎の家はロケーション重視で建てました。海っぱたの高台なので、眼前を遮るものが全くなく、太平洋を望むことができます。晴れた日も荒れた日も、移り行く大自然の景観は素晴らしく、このロケーションにおいて田舎での暮らしはとても快適な環境なのです。

さて、話を戻しますと、冒頭の後継者の彼は長い間都会暮らしだったため、せっかく田舎に帰ったならば、私と同じようなロケーションに家を建てたかったようです。ところがそんな彼の希望を語ったところ、社長である父親に大反対されたそうです。

社長の持論は

「経営者は、会社のすぐ近くに家を持たなくてはならない。何かあったときはすぐに駆け付けられるような体制を取っておくことが必要なんだ。」

ということなのです。

つまり、ロケーション優先で家を考えるなんてとんでもない、ということらしいのです。

それに対して後継者の彼は「会社のすぐそばに家がなくちゃあなりませんかねえ・・・僕は先生の家みたいな素晴らしいロケーションのところに建てたいんだけど・・・」というのが彼の希望です。彼の話を聞いて、私は「私の場合、事務所までの通勤時間は車で15分ほどだけど、別にそれくらい離れていても何の問題もないし、困ったこともなかったよ。」と返事をしました。彼も「そうですよね。少しくらい離れていても何の問題もないと思うのですけれど、親父がうるさくて、『経営者たる者、会社の隣りに自宅もなくてはならん!』と譲らないので、まあそういうことになると思います。」と、やや諦めムードでした。

その社長さんの言い分も一理あるのかも知れませんが、考えてみれば、世の中の社長さんがみなさん会社のすぐ隣に家がある、というわけでもなさそうです。中小企業の場合、そのほとんどが同族会社ですので、建物が自宅兼会社というケースも多いとは思いますが、私のように、会社と自宅とは別々というのもごく普通にあるでしょう。

ここで大事なことは、ご自分がそう思えば(会社と自宅は隣接していなければならない)そうすればいいし、後継者が好きなところを選んで家を建てたいといえば、そうさせればいい、ということなのです。

会社と自宅は隣接すべき、というのは一理あるにしろ、絶対というものではありません。現にそうしていない経営者も大勢います。経営者ともなればみなさん一過言ありますし、主義主張も強いものです。

しかしそれが単なる「思い込み」というケースも多いのです。

「こうでなければならない・・」というのは、冷静に振り返ってみれば、別にそうでなくてもOKといケースもしばしばです。

しかも、この「思い込み」が強すぎれば、様々な場面で軋轢も起こりやすくなります。

ただ、企業内における上下関係がある場合、下の立場の人間は上司の「思い込み」がかなり偏ったものであったとしても、通常それを指摘することはできません。部下は黙ってしまうだけのことなのです。

経営者ともなれば多くの場面で決断や決定をしなければなりません。

そんなとき、その決定が自分の「思い込み」によるものでないかどうか、というのは常に検証すべき課題ではないかと思います。

ところで、「思い込み」とよく似た言葉に「思い入れ」というものがあります。両者には共通点もありますが、やや違うところがあります。

それは「思い入れ」の方には、その対象に対する愛情が感じられるという点です。

その分、許される領域が少し広いのではないでしょうか。実際「思い込み」で突っ走られたり、押し付けられたりすると困った事態になりかねないことが多いと思います。

しかし「思い入れ」の方は寛容に捉えることが可能であり、場合によっては共感を得られることもあるのではないでしょうか。

これと少し似た言葉に「頑固」と「頑迷」というものがあります。

どちらも困ったことになるケースが多いようですが、より深刻になりやすいのは「頑迷」ではないかと思います。「頑固」にはまだ可愛いところが残っていますが、「頑迷」となると動かしがたい硬さというものを感じます。

特にビジネス上で遭遇してより困るのは「頑迷」なのではないでしょうか。

さて、こうやって書いてきたのは、経営者の資質として困った事態になりがちなものに「思い込み」や「頑迷」があるということなのです。

特に自信たっぷりな経営者に多く見られる傾向なので、それを修正してもらうのは大変です。

多くの場合、その経営者にとって「思い込み」や「頑迷さ」によってフォーカスされ決めつけられた事項というものは、決して代替が効かないものではありません。

本人がそう思い込んでいるだけのことであり、もっとより良い考え方や対策、解決法などはいくらでもあるのです。

私はこういった独り相撲、隘路に陥らないためにも、普段から周りと良好なコミュニケーションを図り、頭を常に柔らかくしておく必要があると思っています。

そのための対策として、「情報発信(アウトプット)」は極めて有効な方法論になります。

何故ならば、「思い込み」や「頑迷さ」が強すぎるマインドからは「情報発信(アウトプット)」を続けることが難しいからです。

世間で起こっている様々な事象に対して、ある程度柔軟な見方考え方がなければ、「情報発信(アウトプット)」にはたちまち行き詰ってしまいます。

経営において、特に現代の経営においては「思い込み」や「頑迷さ」を排して、柔軟に対処していくことが強く求められています。

そのためにも「情報発信(アウトプット)」という課題を自らに課して、よりフレキシブルな頭を手に入れられることをお勧めします。

 

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