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冒険家になるか、保守的にいくか。

SPECIAL

マインドポジションNo.1ブランドコンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

国連が提唱する「持続可能な開発目標」SDGsのフレームワークを活用し、顧客にも社員からも永く愛される「マインドポジションNo.1ブランド」確立のための社内体制を構築する。会社の哲学、商品・サービスの優位性を明確にし、社員の意欲を引き出して、顧客のファン化を後押しするスペシャリスト。顧客と社員の双方の満足を循環させるES-CSチェーンを土台に、競合との圧倒的な差別化をはかり、会社のステージを上げたい企業から絶大な支持を集めている。

先日、ある社長と話をしていた時のこと。「今度、新しい商品を出そうと思っているのだけど、お客さんは欲しがりますかね?」とお尋ねになる。「お客さん、ってどういう方を想定しているのですか?」とお聞きすると、「うーん」と仰ったまま、答えが出てこない。

こういうやりとり、結構あります。社長の熱い想いから作った商品、さて、売りだそうと考えると、お客様がいない。実際のところ、お客様がいないわけではなくて、お客様が想定されていないのです。 

物が乏しい時代は、作れば売れました。だから、わざわざお客様を想定する必要はありませんでした。でも、物があふれている今、お客様を想定しない商品・サービスは考えられません。 

特にものづくり系の方は、作るプロセスが大好きです。そこに没入してしまって、気づくと買い手のいない商品の山。趣味であれば問題ありませんが、それで食っていこうとなると、大分心配です。

もちろん好きこそものの上手なれ、と言いますから、ヒョウタンからコマのように買い手が現れることもあります。けれどそんなマジックのようなことは滅多に起こらない。「当初の顧客想定」から外れたところに大きな市場があった、と後から発見することもあります。が、的外れであったとしても「当初の顧客想定」は必要なのです。

たくさんの事例を見てみると「当初の顧客想定」は大体外れていることがわかります。それでも、なぜ、「当初の顧客想定」が必要かというと、それがないと、できてしまった商品の持っていきどころがないからです。どんなに稚拙でも、顧客の想定は欲しい。

たとえば、長年培った技術をベースに新しい時計を開発したとします。アナログとデジタルのハイブリッドで、気分に応じて使い分けることができる。時計に対する深い愛情と開発者であるご自分の技術のたけを投入して開発した。だから、自分と同じように時計にステータスを感じる若いエリートが使ってくれるだろうと想定するわけです。

そして、実際に「時計にステータスを感じるであろう若いエリート」のところにもっていって忌憚のない意見を聞く。すると、「アナログとデジタルを切り替える必要はない。そういう必要があるときは、時計自体を付け替える」というような意見が出てきたりするわけです。

商品ができてしまってから、商品の根底を覆すような意見をいただくと結構きついです。精神的にもダメージが大きいし、第一これまで使ってしまった開発費用が海の藻屑と消える恐れがあります。

ここで打てる手は大きく二つ。「想定顧客」を変更して、別のターゲットに意見を聞きに行く。あるいは、この商品を本当に欲しいと思う顧客に巡り合うまで広告でも紹介依頼でもなんでも投資を続ける。もう一つは、「想定顧客」のニーズにあわせて商品自体を改良する。現実的にはこの二つのやり方を組み合わせて、徐々にオリジナルのものが出来上がっていきます。

ここで申し上げたいのは、まず、新商品・サービスを開発するなら顧客想定が必要だということ。そして、想定顧客の意見をもらったりして、開発の方向性があっているかどうかを確認するのは、できるだけ早い段階の方がよいということです。 

できてしまってからでは遅い、のです。

先日、ある起業家と話をしていて、印象的な言葉を聞きました。

いわく「起業は冒険ではない」。

起業すること、新事業を始めることは、危険をかえりみない冒険ではありません。想定されるリスクを回避して、できるだけ安全に進めるのが正しいやり方です。冒険家はかっこいいですが、死んでしまったら元も子もありません。

持続可能な経営には辿るべき道筋があります。ぜひ一緒に考えましょう。

 

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