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スピード重視時代の「情報共有」の意味―社長の「情報発信(アウトプット)」は「共感」へとつながる―

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

私たちは社内の「情報共有」というものを大事にします。

情報が共有されていなければ仕事に支障をきたすからです。この情報の共有には、会議、ミーティング、社内文書、メール、内線電話など様々な方法を用います。そうやって仕事上の情報を共有することで、達成したい目的の遂行が滞りなく進むようにミスがないようにと図っていくのです。こういった際の「情報発信(アウトプット)」は、担当部署や各担当者から必要な部署や必要な人に対して行なわれることになります。このように組織内で日常的に行なわれる「情報発信(アウトプット)」について、異論のある人はいないはずです。

ところが、「情報発信(アウトプット)」の必要性をこの段階まで、としか理解していない人が実に多いのです。社内で行なわれる「情報発信(アウトプット)」が、社内の「情報共有」で完結するもの、と考える人が一般的なのです。私が、「情報発信(アウトプット)」によって、広く社外まで「情報共有」しようというと、違和感を覚える人も少なくないのではないでしょうか。「なんで情報を外にまで漏らさなければならないんだ?!?」と。

もちろん「情報発信(アウトプット)」する内容に、ちゃんとした線引きはしなければなりませんが、原則「情報発信(アウトプット)」は外に向かっても行なわれるべきです。

わかりやすい事例でいえばこういうことになります。

―企業の持つノウハウの内容を漏らす必要はないが、そのノウハウを持っているということは「情報発信(アウトプット)」するべきである。―

という説明になります。

かつては「ノウハウを持っているということも「情報発信(アウトプット)」するべきではない。」とされていたのではないでしょうか。

それはおそらく同業他社、或いは業界内でそういったことを知られたくない、知られてはまずい、といった心理が働いていたからにほかなりません。

それは「抜きん出ていると或いは抜きん出ていると思われるとロクなことはない。」とされていたからではないかと思います。

これは業界内或いは社会全体が、「横並び意識」を当たり前としていた時代の発想ということになります。

現代は、社内で共有されている情報の多くの部分を社外にも発信する時代です。

上記の事例で行けば、「社内で蓄積されている特殊なノウハウや専門性は、じわじわと仕事を通じて口コミなどで広がっていけばいいのであって、わざわざアピールするものではない。」とされていたのがこれまでの時代でした。

しかし、そのようなノウハウも、下手をすればたちまち過去のものとなるのが今の時代のスピード感です。昔に比べて、結果をより急いで出す必要があるのです。

広く、外にアピールすることによって、より早くより多くビジネスにつなげることで、そのノウハウによる仕事の成果を他者よりも早く手にし、次の新たなノウハウを積み上げていかなければならない時代になったのです。

「情報発信(アウトプット)」すべきは、このノウハウのように直接ビジネスに関係あるものばかりではありません。

企業が有している理念、哲学、姿勢といったものも「情報共有」していく必要があります。

しかしこれこそが、これまでは社内で唱和したり、社長室の壁に掲げてあったりするものであり、その内容を「情報発信(アウトプット)」することで社外と「情報共有」するものではないだろう、と考えるのが一般的だったのではないでしょうか。こういったものを社外と共有することに何の意味があるのだ、と考えていたはずです。

上記のノウハウ或いは取り扱っている商材そのものについて「情報発信(アウトプット)」していくのは、どちらかと言えば「広告宣伝」に近い考え方であり手法になります。しかし、企業の持つ理念や哲学などの抽象的な概念といったものは、そもそも「広告宣伝」に馴染みません。こちらの方こそがより「情報発信(アウトプット)」に向いているといえましょう。

特に社長がこういった理念哲学といったものをベースにして発信する情報は、企業イメージを形成するために役に立ちます。

それが「情報共有」され、やがて「共感」されることになれば、企業に対する支持が大きく高まることになります。

かつて松下幸之助氏、盛田昭夫氏、本田宗一郎氏などはその企業哲学で世間を魅了しました。近年では稲盛和夫氏、現役世代では柳井正氏、三木谷浩史氏などは持論をどんどん世間に向かって発信しています。そんな人たちとは世界が違う!と思う必要はありません。

違うレベルの世界で、それなりに発信していけばいいのです。

いかなる立場であれ「情報発信(アウトプット)」することそのものが重要なのです。

冒頭のお話に戻りますが、社長の「情報発信(アウトプット)」は社内に向けて済むものではありません。社内における密な「情報共有」は大事ですが、茫漠としてつかみどころのない世間に向かっても「情報発信(アウトプット)」を行ない、「情報共有」を図ることも社長の大切な役割なのです。

社内、社外という垣根を、上手に取り払って(決して「無制限に」ということではありません)シームレスに「情報発信(アウトプット)」することができれば、そういったことができる経営者がまだ極めて少数なだけに、大きなアドバンテージを取ることも可能になるのです。

社内への「情報発信(アウトプット)」については熱心な経営者は多くいらっしゃると思います。そのエネルギーの一部を社外へ振り向けるだけで、これまでにあり得なかったような大きな成果につながります。経営者による「情報発信(アウトプット)」について今一度考えてみてください。

 

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