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後継社長に必須!理念再構築のすすめ方

SPECIAL

バトン承継コンサルタント

承継イノベーション研究所(株式会社think shift)

代表取締役社長 

これまで後継経営者を100名以上支援・指導し、自身も後継経営者として実績を出してきた、後継者支援の実績と後継経営者としての経営実務の実績とをあわせ持つ、バトン承継コンサルタント。
後継経営者が「ただ」事業を引き継ぐだけではなく、「自分らしい」経営を行うことで経営の革新を引き起こす、「承継イノベーション」を提唱している。

後継社長は承継後3年以内に理念を再構築する必要があると述べました。

創業者がわが子のように大事にし、思い入れも深い理念を変えることに抵抗を感じている方も多いのではないでしょうか。

「自分の色を出したいけれど、どの程度なら変えてもいいのか」、「浅野は具体的にどのように変えたのか」というお声をいただくこともあります。

理念の再構築は決して簡単ではありません。

今回は私が実際に、後継社長時代に行った理念再構築の背景と、進めていく際のポイントをご紹介します。

経営理念のマーケティングツールとしての側面

私が引き継いだ会社の先代は、事業コンセプトを想起させる創作した漢字四文字を経営理念の冒頭に据え、仕組みの提供により企業の発展と社会貢献に寄与するという経営理念を掲げていました。

そのような理念を引き継いで経営に邁進する中、ある理念策定に関するセミナーに参加したことが、理念を変えるきっかけでした。
そのセミナーでは、経営理念や会社の存在意義そのものがマーケティングツールになることを教えていただきました。

この観点でみると、先代の経営理念である「漢字四文字」のフレーズは、マーケティングツールとしては、一般の方には分かりにくいのではないかと思いました。

さらにブランディング会社を経営している知人からは「漢字四文字」のフレーズは、「堅いし、浅野さんらしくないですね」と言われました。

経営理念は企業の目的であり、自身が経営する方向性を指し示すもの。
人が違えばやり方も、理念も当然異なるはずなのです。

このような事象をきっかけに、理念を変えることを決意しました。

先代の沈黙~終わりがないかと思えるほどの5秒間

理念を変えることを先代に伝えたとき、先代は私の目を見ずに考え込みました。

実際の秒数にしたら5秒くらいだと思いますが、私からしたらその時間は20分、30分にも感じられる重いものでした。

そして、先代は沈黙の後、こう言いました。「浅野さんの好きにすればいい」と。
「浅野さんが社長なんだから浅野さんが決めればいい」ということを言ってくれて、私は理念を再構築をすすめることができました。

「あり方」と「やり方」

先代は、社員やお客様への気遣いをとても大切にし、根回しも含めてものすごく緻密で丁寧な人間でした。
反面、私は大雑把なところがあるので、そういう意味では真逆のタイプともいえます。
しかし、「中小企業の支援を通して日本経済の発展に寄与する」という目的は一緒である、だからこそ自分に会社を引き継いだのだと思っていました。

そのような気持ちから、先代からの想いの部分はは変えずに、表現だけを変えました。

大事なのは、「目的」「あり方」です。
表面上では真逆に見える先代と私ですが、根本の大事な部分ではしっかりと一致していた、と今でも思っています。目指すべき方向性が同じであれば、「やり方」は人それぞれでいかようにでも変えていいのです。

新社長を社内外に明示する効果

経営理念を変え、事業の本質を継承しながら自身の存在価値を過不足なく新体制の中で位置づけることで、多少の困難ではブレない経営の軸が確立されたと感じています。

また、名実ともに新社長を社内外に表明することで、社員は誰のどの指示に従うべきかが明確になりました。

経営理念の変更にはこのような効果もあると考えています。

ぜひ、後継社長が理念を再構築する際に、今回お話しした内容をご活用いただけると嬉しいです。

 

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