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「覚悟」を後継社長はどう示すべきなのか?

SPECIAL

バトン承継コンサルタント

承継イノベーション研究所(株式会社think shift)

代表取締役社長 

これまで後継経営者を100名以上支援・指導し、自身も後継経営者として実績を出してきた、後継者支援の実績と後継経営者としての経営実務の実績とをあわせ持つ、バトン承継コンサルタント。
後継経営者が「ただ」事業を引き継ぐだけではなく、「自分らしい」経営を行うことで経営の革新を引き起こす、「承継イノベーション」を提唱している。

バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。

さて、今回は後継社長の覚悟についてお伝えいたします。
経営をするというのは大変な「覚悟」が必要です。後継社長はその覚悟をどう示すべきなのでしょうか。

覚悟がないと言われがちな後継者

後継社長の支援をしていると、「外野」からこのような声をよく聞きます。

「2代目は甘っちょろいヤツが多いから大嫌いだ!」
「後継社長は覚悟が足らないよね」

確かに、これまで300名以上の後継社長や後継予定者と直接話をする機会を通じて

「あまり考えずに事業を引き継いだのではないか?」
「こんな覚悟で会社が継げるのか?」
「この人が社長で大丈夫なのか?」

と思う方も何人かはいました。

しかしながら、それは本当に少数。
会社を継いでいる後継社長の大部分は、覚悟をもって事業を引き継いだと感じられた人たちでした。

当社の支援先でも、3人兄弟(兄妹)の末っ子で会社を継いでいる後継社長が2人います。
2人ともお兄さんやお姉さんがいて、自分は継ぐ予定がなく、親の会社に入る(呼び戻される)までまったく異なる仕事に就いていました。
上の兄弟(兄妹)2人が一旦親の会社に入るものの、もろもろの事情により退職。
想定外の状況で、末っ子にお鉢がまわってきたということです。

昔と違って、今は職業選択の自由が担保されています。
親は継いで欲しいと思っていても、本人がどうしてもやりたくないのであれば、強要することはできません。断ろうと思えば断れるし、勧めているわけではありませんが逃げてしまえば、親も何もできないはずです。

私の大学時代の友人も、親が会社を経営していました。
友人含め男兄弟3人が一旦会社に入るものの、数年前に血縁関係のない人が社長を引き継ぎました。今では兄弟3人ともに違う会社で働いています。

様々な選択肢があるなかで、事業を引き継いだという「決断」をみなさましているのです。私としては、そのような社長を継ぐという決断をしただけで、後継社長には十分な覚悟がある、と考えています。

なぜ「覚悟」がないと思われてしまうのか?

それでは、なぜ後継社長は覚悟がないと思われてしまうのか?

・覚悟はあるけど、その覚悟を会社にどのように反映させたらいいのかがわからない
・そのために覚悟がないと思われてしまうのではないか?

というのが私の見解です。

短くとも30年以上の歴史があり、確立されたビジネスモデルもあり、お客さまや社員も先代から引き継いでいる。
でき上がった会社に変化をもたらすことは、ある意味、ゼロから会社を起ち上げるより困難なことでもあります。
このようにでき上がっている会社をどのように経営していこうか、と後継社長は悩んでいます。

そして、先代以前の社長らがつくり上げられたものに、後継社長の“覚悟”をどのように盛り込んでいくか、が分からないだけなのです。
覚悟をどのように反映させるのか、そもそも覚悟を反映させて変えていいもの、変えてはならないものはなんなのか。
特に引き継いだばかりの後継社長には、その判断は難しいのではないでしょうか。

覚悟を示して経営をすべき

創業の精神、先代の想いを守り抜く、とは耳障り良く聞こえますが、何も変えずに守り抜こうとしている限り、後継社長の覚悟は他人に伝わることはありません。
もちろん後継社長として、創業の精神や先代の想いをしっかり受け止めることは必要です。
なんでも好きにできる創業者とは違う立場で経営をしなければならないので。

その受け止めた先代から以前の「想い」に、後継社長自身の想いを組み込み、新たな会社にしていくこと。
それが後継社長の覚悟を社内外に示すことにつながります。

後継社長の使命は、先代以前の経営者から会社を預かり、成長させて次代(自分の次の経営者)につなぐことです。

ただ、後継者である自分が社長でいるうちは、継いだ会社を自分の会社として自身の想いを全面に打ち出した経営をしていくべきです。
なぜなら、後継社長以外に責任がとれる存在は、その会社にはいないのですから。

先代以前の想いを受け止めながら、継いだ会社を自分の会社として自身の想いを全面に打ち出した経営をする。
そんな後継社長が増えれば「覚悟が足らない」という人も少なくなるはずです。

 

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