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後継社長は先代社長と良好な関係を!

SPECIAL

バトン承継コンサルタント

承継イノベーション研究所(株式会社think shift)

代表取締役社長 

これまで後継経営者を100名以上支援・指導し、自身も後継経営者として実績を出してきた、後継者支援の実績と後継経営者としての経営実務の実績とをあわせ持つ、バトン承継コンサルタント。
後継経営者が「ただ」事業を引き継ぐだけではなく、「自分らしい」経営を行うことで経営の革新を引き起こす、「承継イノベーション」を提唱している。

バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。

さて、今日は後継予定者からいただいた質問に答えます。
先代との関係については何度かお話ししておりますが、少なくない後継社長が悩んでいるなと改めて思います。

金融機関系シンクタンクで講師を務めたときの休憩中に名刺交換に来られた後継予定者。
現在は、お父様が社長を務め、3年以内に2代目として事業承継する予定とのことでした。

「自分が社長になったとき、先代から口出しされないようにするにはどうしたらよいか?」という質問でした。

やはり社長を引き継いだ後は「思い切り」経営をしてみたいもの。
先代をないがしろにするのではなく、想いを継承しながらも、経営については引き継いだ側に任せてほしいと思う気持ちは多くの後継社長が持つ本音ではないでしょうか。
私がよくお伝えしているように経営の責任は、経営者である後継社長しかとれないのでその「本音」はけして間違っていません。

会長という役職の良し悪し

 

私の経験上、社長が会長にスライドしただけでは、120%新社長の経営に口を出すと言い切れます。
先代社長が創業者であれば尚更です。
なぜなら、創業者にとって会社は自分の持ち物だからです。

先日も、とある会社でこんな話がありました。
経営を引き継がせたはずの新社長が雇った社員が気に入らなかったらしく、創業者である会長から社長に「あいつは使えないから辞めさせろ。辞めさせられないなら、社長のお前が辞めろ」と言ったそうです。

後継者の応援団を自称している私は、このような話を聞くと憤りを感じます。
私自身も後継者時代に同様の経験をしているので、自分に重ね合わせてしまうからです。

そこまで言うのであれば、なぜ社長の座を譲ったのか?
死ぬまで自分がやればいいのに、とさえ思います。

決して社員一人の存在が軽いという意味ではなく、社長の人事と一般社員の人事を同列に見ていることそのものに腹が立ってしまいます。

こういう会長に限って外面はいいので、新社長の苦労を周りがわかることは少ないのも実態。新社長としては、会長とギクシャクしても周りに誰も理解者がいないことになりかねません。

先代から口出しされないためのヒント

 

会長という役職にするのはこのような観点から後継社長の「もやもや」を増やすことになりかねません。

ではどうすればいいのか?

以前にも少しだけふれましたが、社長を譲った先代が口出しをしないようにする方法の一つとして、先代に新たな肩書きと役割を与えるというものがあります。
今までとは違う仕事でのやり甲斐を持っていただくということです。

当社のお客さまに、そろばん教室を全国展開している会社があります。

創業者である会長は、個人のそろばん塾から始め、教室を増やし、会社を大きくしたところで、血縁関係のない2代目に事業承継しました。
2代目社長もさらに事業を拡大させ、順調に会社も成長しています。

会長になった創業者は、そろばん博物館の館長としての役割と、その博物館内で自らも子どもたちにそろばんを教えています。

2代目社長は、本当の意味で経営を任され、会長との関係も良好です。

昭和の時代を経験している経営者は、仕事は仕事、趣味も仕事とばかりに、仕事に専念してきた人たちです。

仕事人間から仕事を急に取り上げては、手持ち無沙汰になってしまいます。

何もすることがなければ、新社長の経営に口を出すことくらいしかできなくなるからです。

だからこそ、先代に新しい「場所」と「仕事」を用意し、その能力をいかんなく発揮してもらう必要があります。

他にも先代との関係を良好にしつつ、「口出し」をへらす方法はいくつかあります。

いずれにせよ、後継者の皆さんには、会社を成長させることと、先代と良好な関係性を築くことを、両立してほしいと願うばかりです。

 

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