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ウチの地域は特殊なので

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

経営者の方から様々なご相談を受けている中で、気になる発言の一つに「うちの地域は特殊なので」があります。結構多くの人が言われるので、常に頭の片隅に引っかかっています。

曰く、「私たちの地域ではまん防ですら皆家に閉じこもってしまう… 他は違うでしょ…」「我々の地域の人はこの商品にこんな高いお金は出さない…もっと安くないと‥」「全国で売れていてもこの地域では絶対に売れないよ… センスもお金もないし…」

「うちは保守的」「新しいもの好き」「長く使う」「すぐ飽きる」など、同じ地域で全く反対の特徴を言われることも少なくありません。以前コラムにも書いた「ウチの会社は特殊論」と同様の現象だと思います。

もちろん、地域独自の文化はどこにでもあります。いわゆる「県民性」も否定はしません。しかし、です。傍から見ればどこの地域もそう変わりません。特に日本であれば、どこの駅も、郊外も、繁華街も似たようなものです(ちょっと乱暴ですが)。

企業が提供する商品やサービスについては、その地域だけ全く売れないということはほとんどないでしょう。要は、会社特殊論の時と同じく、これ以上ないくらい純度の高い先入観、固定観念なのです。

その証拠に、人が変われば売れ始めます。担当者レベルが変わっただけでも「あれ、地域性は?」というくらい、全国の売れ筋はどの地域でも同じように売れ筋になるのです。特にBtoCであれば、モノやサービスはほぼ例外なく同様の動きになるでしょう。

厳しいことを言うようですが、地域性を持ち出す人の大半は、売上が取れない「言い訳」に使っています。冒頭に挙げた台詞はまさにその表れです。と、かく言う私も偉そうなことは言えません。アパレル店舗で働いていた時は何回となく地域性を言い訳に使っていました(半分は本気でそう思っていました…)。

でも、結局は売れます。自社だけが売れない理由は、地域性でもなんでもなく、自分の実力がないだけか、あるいは好き嫌いの問題で積極的に勧めていないだけです。そしてその根本には、自分の経験だけで培った、視野の狭い先入観、固定観念があります。世間はもっと広くて複雑です。暑くてもダウンジャケットやおでんは売れるし、寒くてもタンクトップやかき氷は売れるのです。

「うちの地域は特殊だから‥」という人は、そう言いながら実際は他の地域を知らなかったりします。人は、自分だけは特殊だと思いたい生き物なのかもしれません。が、経営者の皆さんがそうだと困ります。

常に好奇心を持ち、視野を広げ、先入観や固定観念を持たない状態を心がけましょう。ゼロにするのは難しいですが、「これはうちでは売れないだろう…」と思っても、一旦俯瞰して、違いに気づける心の余白をつくっておきましょう。そこがスタート地点です。

 

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